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メタバース時代を予見していた、SecondLife!

 仮想現実世界SecondLifeが日本に初上陸したのは、確か2007年だったと記憶する。当時、大手広告代理店や大手メーカー、ブランドなどがこぞってSecondLifeのSIM(256mx256mの正方形の島)を入手し、企業イメージ拡散、新商品発表、更には、様々な世界規模のイベントを開催していた。

 SIMでは仮想通貨が存在し、仮想通貨を稼いで、リアル世界で起業した人もいた。記憶に残る話としては、米国在住の或る中国系の若い女性は、SIM不動産業を営み、短期間にリアル世界で1億円以上を稼ぎ、起業したと言う。

 仮想通貨はリンデンダラー。それを、リンデックス社を介すると、自分のリアル口座にドル建てで振り込みがあった。無料で参加できる仮想現実世界だったが、中には多種多様なドレス、ウィグから腕時計や高級外車、更には武器弾薬、ヘリコプターから飛行機、戦車までが販売された。

 車を購入したアバター(自分の分身)は、仮想現実世界のF1コースで走ったり、武器を担いで仮想敵国の兵士と戦ったり、悪さをするアバターを撃退するために、BANできるピストルやライフルを使用して、SIMの警備にあたる警察官も多く存在していたのである。

 また、アバター同士の接点にて、婚約、結婚に漕ぎ着いた人たちも多かった。筆者の知る限りでは、海外のSIMで国際結婚式を挙げたり、国内でもSecondLifeにて恋が芽生え、現在でもリアル世界で平穏なる結婚生活を送っている人もいる。

 そんな地球規模の仮想世界に魅了された人間の一人が筆者である。弊社で管理運営するSIMを2島保有し、そこには、実寸大で熊本城(大天守、小天守、宇土櫓/熊本市)と古き芝居小屋の八千代座(山鹿市)を建造して話題になった。

 現在は、一つのSIMのみ残り、バーチャル熊本城は写真下の通り、仮想世界の中に現存している。よって、2016年4月に熊本県を襲った地震で多くの櫓が崩落したが、仮想世界では熊本地震前の威風堂々たる熊本城の姿を見ることができた。

 当時は、海外からのツアー客が我々のSIM(KUMAMOTO JAPAN)を訪れ、添乗員(イタリア人)から熊本城の歴史やその造りなどを尋ねられ、日本時間午前4時にも関わらず、詳細を英語で語ったこともあった。因みに、年間二十五万人ほどのアバターが、我々のSIMを訪ねてきた。

 KUMAMOTO JAPANのSIM会員は六百人程度。日本人がほとんどだったが、中には外国人アバターのオファーもあり、自分の好きなショップを営んでいた。よって、毎晩毎晩主力メンバーのショップや自宅(マンション)などを建てていたのが筆者であった。

 振り返ると、2007年には、メタバースという言葉は一般的ではなかったが、最近ようやく仮想空間、仮想現実世界への関心が高まってきたように思える。特に、コロナ禍となり、アバターの存在価値は高まり、近い将来には、メタバースが当たり前の時代となるのではないかと期待している次第。

 これからのメタバースは、世界も時代も過去の仮想現実世界と比較すれば、遥かに高いレベルにて現実世界に影響を及ぼすのであろうと・・・。

熊本地震(2016年4月)前年に撮影した熊本城の大天守と小天守

仮想現実世界SecondLife「KUMAMOTO JAPAN」に存在する熊本城

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