マガジンのカバー画像

西田親生の自由気まま書

34
十数年前に或る学校長から勧められて、我流で始めた『書』である。よって、正確には『自由気まま書』と言った方が良かろうと。大したものではないが、当時、4ヶ月間に8000枚ほどの半紙に… もっと読む
運営しているクリエイター

#書

健康で、元気に、老いて欲しいもの!!!

 母を亡くして、今年12月7日で28年となる。若くして他界したものだ。当時を振り返る度に、祖父母や両親には、少しでも健康で、元気に、医者要らずで老いて欲しいと思うばかりである。  母の死因は、糖尿病による合併症に苛まれ、左眼失明(網膜剥離)から腎機能が低下し、最終的には肺炎を引き起こし、世を去った。  父は86歳まで、ゴルフやら剣道やらを趣味としていたので、医者要らずの『健康老人』として、大往生であったと考える。  ただ、父が叙勲で宮中に行く時に発した言葉が、「父(祖父

西田親生の自由気まま書・・・『小路』

 本日のお題は、『小路』。街中の細い道のこと。  過去において旅行なり転勤先で知ることになる町名や地名など、思い出せば、地域によっては読めない難読文字が沢山あり、実に面白かった。  『小路』という名前のつく町名で、とても響きが良い町名として記憶に残っているのは、『桜小路』であろうか。宮崎県延岡市にある町名である。しかし、京都に行けば、『小路』と名のつく町名は山ほどある。  流石に、北海道や沖縄の地名や苗字は読めないものが多かった。沖縄の或る店主が名刺を手渡してくれる時に

西田親生の自由気まま書・・・『めん匠 頼蔵』

 これは、お遊びで描いた『めん匠 頼蔵』。  丼の中に『う』とも読めるし、『ら』とも読める文字を入れ、うどん屋さんのロゴマークとなっている。  丼の形も、新しいお店として『新月』のイメージとして描いている。もっと、熱々の湯気が出ているようにも考えたが、途中で折れて、止めてしまった。 ※複写転載は厳禁

西田親生の自由気まま書・・・『直視』

 これも、遊び過ぎ。  ただ、自分に都合の悪いこと、苦手なこと、嫌なことと言って、『直視』できない人は、ここ一番の時に大切なものを失ってしまう。  善きも悪きも、『直視』は重要である。

西田親生の自由気まま書・・・『霜』

 急に日本列島が冷えてきた。台風が去った後は、空気も澄み切って、青空も青々としており、雲々の白さも濁りなく美しい。  ところが、冷房から暖房に切り替えなければならぬほど、急に日本列島が冷えてきた。南北3000キロほどの、ひょろ長い日本列島なのに。  四季折々に楽しめる風景、そして食材。しかし、その四季の移り変わりが、非常に曖昧になりつつあるようだ。  近頃の九州は、春が短く、秋は何処にあるのか季節のグラデーションがボケている。九州では、本州の黒部峡谷のような紅葉を見るこ

西田親生の自由気まま書・・・京料理『えのきぞの』、ロゴ制作秘話。

 今から4年前の夏、京料理えのきぞの店主 榎園豊成さんから電話が入った。近々店を移転し、新たな店のロゴを制作して貰えないかとのことだった。  素直に嬉しくもあり、名店のロゴとなればプレッシャーがないと言っては嘘になる。更に、話を聞くと、別に依頼していたところから4パターンが届いたけれども、しっくりこないとのことだった。尚更、ハードルが高くなったが、一度、直接会って詳細を聞くことに。  翌日、熊本ホテルキャッスルのダイニングキッチン九曜杏で待ち合わせ、対面にて打ち合わせをす

西田親生の自由気まま書・・・『天子の紅胡椒』

 本日のお題は、『天子の紅胡椒』。  これは、或る地域に自生するレアな『紅胡椒』の商品化で依頼されたものだが、安定供給が出来ないと言うことで、断念となった。  しかし、ロゴを依頼する前に、十分リサーチを行うべきだ。そこが、カントリーサイドをうろつくコーディネーターの失態であろうかと。  まあ、愚痴はこれくらいにして、ロゴを描くのに精神統一して、イメージ化。そこで、どの筆と墨を使うかを決定。  そんなこんなで、これは、数枚描いた中で、一枚を選んだと記憶する。敢えて、癖の

西田親生の自由気まま書・・・『落日』

 この頃の九州は、中国から偏西風で舞い散るPM2.5やら黄砂やらで、昔のように空気が澄み渡った、アーティスティックな空を見れる機会が激減している。  今回のお題は、『落日』。夕陽は何となく寂しさもあり、1日の終わりを告げるものである。赤みを帯びた空と雲々、黒ずんだ雲など、同じものは一つもない。撮影する側としては、それが、堪らない。  筆者が住む地域は、西に金峰山。その背後に長崎県の普賢岳、東に阿蘇外輪山があり、広大な盆地状になっている。残念ながら、水平線に沈み行く太陽をカ

西田親生の自由気まま書・・・『淡』

 淡墨で描いた『淡』。何となく、プラナリアみたいな。  筆がとても独特なもので、有名な書家の『紫舟』さんの筆と同様ものを入手して、実験的に描いてみた。  車に例えると高級車ジャガーのロングのようなイメージ。コーナーを曲がるときに、ヘッドは曲がるが、お尻が後から遅れてくる感じだ。  筆の種類も無数にあり、何を描くのかにより、どの筆を使うのかに迷ってしまう。一度、茶筅のような筆を入手した時は、「なんじゃ、これ!?」だった。 

西田親生の自由気まま書・・・『山河』

 本日のお題は、上のタイトル横にある『山河』。以前、熊本ホテルキャッスルの前社長 斉藤隆士氏が絶賛してくれた作品である。同氏が褒めるとは予測していなかったが、別れ際に、再び振り返り、「それ、いいですね〜!!」とにこやかに去って行った。  描いた本人は、『国破れて山河あり』という言葉は意識せず、険しく聳え立つ岩山と、滔々と流れる大河のイメージで筆を走らせた。勿論、一発勝負である。  『山』については、郷里にある『不動岩(熊本県山鹿市)』をイメージし、『河』については、武田信

西田親生の自由気まま書・・・『卜(ぼく)』

 再び、『竹』を用いた漢字一文字『卜』を描いてみた。  『卜』は、(1)亀の甲を焼いたヒビ割れを見て吉凶を占う、(2)占って物事を選ぶ、判断する、居所を決めるなどの意味がある。  別に占いに興味はないが、描いた『卜』は、大相撲の行司が勝ち名乗りをしている姿になったようだ。

西田親生の自由気まま書・・・『命』

 鼻息荒いほどに、元気一杯の『命』となった。  紆余曲折、波瀾万丈なる人生を歩みながらも、何度も心が折れようが、辛い思いをしようが、耐えに耐えて、その負のスパイラルを粉砕するほどの、元気一杯の『命』である。  『命』には尺がある。自分自身がどれだけ生き延びるのか、誰も知る由もないが、『命』の蝋燭の長さは最初から決まっていると、物の本で読んだような気がしてならない。まあ、生きているのなら、元気一杯が何より。  最近、恥ずかしながらイラッとすることが多い。それは、外的要因が

西田親生の自由気まま書・・・『水面』

 写真撮影は日々楽しみだが、台風14号が近づくにつれ、窓から空を見渡すと、分厚い雲の奇妙な動きが、少々心配になってくる。  住んでいるところは、標高80mほどの丘の中腹にある住宅地である。洪水も崖崩れも全く心配することはない。岩盤が強いところで地震にも耐え、且つ、台風の突風を直接受けぬところなので、1992年に甚大な被害を齎した台風19号の時も、瓦1枚も飛ばなかったことは記憶にある。  ただ、温暖化の影響にて『自然災害』が世界的に急増しているのは否めない。そんなこんなを考

『竹』で描いた、漢字の『竹』。

 これは遊びだが、筆先を横に寝せて、先ずは墨を滲ませ、さっと掠れを描く。その連続で簡単に描ける『竹』。よって、下の『竹』は、二筆描きとなる。  「人の足が動いて見えるようで面白い!」と、某老舗(140年の歴史)のオーナーが喜んで引き取ってくれた。現在も、店内に飾ってあるのならば、嬉しいのだが。