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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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#西田親生のグルメ論

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。

 数十年ぶりの旧友(山本順司医師/東京大学医学部卒)との再会。その宴を飾ったのは、『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』(脇宮盛久料理長作/熊本ホテルキャッスル 個室 細川)。  学生時代と変わらぬ、互いのトークスタイル。旧友は開口一番、「よく二人で話していたよね。僕は受け身で10聴いて、1話す感じだった。」と。  筆者としては、そんなにお喋りの自覚はないが、彼にとってはそうだったようだ。数十年ぶりの会話は、数十年前と同じペースで、色んな思い出が湧き出してくる。  彼は、防衛医

和食の不思議な魅力・・・

 シティホテルのキュイジーヌは大きく分けて、日本料理(和食)、西洋料理(フレンチ、イタリアン、その他)、そして中国料理(北京、上海、広東、四川、その他)となる。勿論、街場の人気レストランを見回すと、海外の料理は筆舌に尽くし難いほど多種多様となる。  標題に「和食の不思議な魅力」を挙げたのは、和食には日本流唯一無二なる弁当(lunch box)にある。最近ではパリでも人気急上昇中と聞き及んでいるが、この弁当こそが「和食の不思議な魅力」を牽引している。  上述の料理群は、基本

幻の高級中国料理『満漢全席』・・・レアなる食材に参加者全員腰を抜かす!

 2004年4月24日、熊本ホテルキャッスル 四川料理 桃花源にて、筆者が主催した『満漢全席』。そこで凄腕を披露したのは、当時の同ホテル総料理長 善家繁氏であった。  善家氏曰く、「これが国内最後の『満漢全席』ですよ!」と。参加したのは、筆者を含めて十人。よって、国内最後、県内は勿論最後の『満漢全席』を食したことになり、熊本県では県民180万人に対して僅か十人のみとなる。  想い出すだけで、感激と驚きにて鳥肌が立つほどのレアな食材ばかり。熊の手の調理方法を北海道や東京から

高級鉄板焼料理・・・佐賀牛の霜降りは最高!!!

 鉄板焼に『すき焼き』というのは面白い。それも、霜降りがアーティスティックに美しい佐賀牛の『すき焼き』となれば、頬が落ちる。  以下の料理で、そのほかレアなるものは『タイラギ』という貝である。有明海で沢山獲れていたが、現在は激減したとか。 ▼大坪俊孝流の鉄板焼料理(日本鉄板焼協会副会長)

イギリスから友来たる。・・・娘の一言に、腰抜かす!

 数年前に、突然Messengerに電話が掛かってきた。イギリスの友人からである。念願の日本旅行で熊本にも立ち寄りたいので、是非会いたいとの事。  あまり沢山食べれないけれども、日本食が希望だと言う。そこで、熊本ホテルキャッスルのマネージャーに連絡を取り、同ホテル1階奥座敷『細川』を予約することにした。  日本人であれば何も心配することなく、さっさとメニューを考えるが、果たして刺身などを9歳の娘が食せるかどうかが問題だ。しかし、折角、東京から南下して熊本へ来るので、熊本の

脇宮盛久の世界(5)・・・『煮物』

(牡蠣西京煮 水晶絞り 海老芋 小蕪 黄金たもぎ茸)  透明なフィルムを紐で結んであった。火傷しないように、サラッと解ける紐。開くと、牡蠣の風味がパッと広がり、食欲を唆る。  牡蠣は牡蠣でも西京煮。そこに小蕪と黄金たもぎ茸が添えてあり、土台に海老芋。全ての食材が互いに邪魔をせず、繊細な融合を見せてくれた。  熱々にサーブされたので、最後まで冷めることはない。いやはや、西京焼きや西京煮が大好きな筆者なので、最後の一滴まで啜ってしまった。

脇宮盛久の世界(3)・・・『小吸椀』

 先ず、器に描かれた鈴虫に目が行った。羽根のところは貝殻を施してある。和食らしさが漂う、小さな椀。蓋を開けると、中央に盛り付けられた吸い物の主役たち。  『菊花蓮根饅頭 蕪擂り流し仕立て』という、小吸椀。名残鱧射込み、松茸、菊菜、柚が食材として使われており、絶妙なる吸い物であった。  会席料理の中では、この吸い物が命であると考える。何故なら、職人の腕の高さが、この小さな椀に凝縮されているように思えてならないからだ。  最後の一滴まで飲み干し、器やその蓋をじっくりと拝見し

大阿蘇鶏モモ肉のハーブパン粉焼き サラダ仕立て+カキフライ(サービス)

 本来ならば、カキフライは含まれていない。  この大阿蘇鶏は、とても柔らかくジューシーで、全く癖がない、上質の鶏肉である。パン粉のサクサク感がたまらず、口の中で弾ける。  正直なところ、たった今オフィスに帰ってきて、お腹が空いている中で、この写真を見るのは酷な話。さっさと、アップして終了する。

こんなに丁寧に可愛く盛り付けられると、食べるのが勿体無い。

 写真は、昨日、熊本ホテルキャッスルのダインニングキッチン九曜杏のランチタイムにサーブされたサラダである。  お安いランチをオーダーしたにも関わらず、こんなに丁寧に可愛らしく盛り付けされると、食べるのが勿体無いほどである。  サラダは、ほとんどオリーブオイルと岩塩少々のみで食すが、この場合は、生ハムがあったので、オリーブオイルだけで完食。  厨房側の配慮に、感謝するばかり。