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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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#ホテル文化と食文化

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。

 数十年ぶりの旧友(山本順司医師/東京大学医学部卒)との再会。その宴を飾ったのは、『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』(脇宮盛久料理長作/熊本ホテルキャッスル 個室 細川)。  学生時代と変わらぬ、互いのトークスタイル。旧友は開口一番、「よく二人で話していたよね。僕は受け身で10聴いて、1話す感じだった。」と。  筆者としては、そんなにお喋りの自覚はないが、彼にとってはそうだったようだ。数十年ぶりの会話は、数十年前と同じペースで、色んな思い出が湧き出してくる。  彼は、防衛医

西田親生@企業戦略コンサルタント

バイオグラフィ  1990年(平成2年)10月1日、新聞社を経て、ディー・アンド・エルリサーチ株式会社を創立。九州でも逸早く本格的なマルチメディア事業を展開。NHK、NHK衛星放送、関西テレビ、九州朝日放送、その他全国のテレビ局レギュラー番組や特別番組のタイトルCG制作を手掛ける。  九州新幹線誘致コマーシャルや、愛媛県FAZ建造物、秩父滝沢ダム、九州国際ハブ空港、大分県瓜生島沈没、チブサン装飾古墳、9万年前の阿蘇カルデラCGシミュレーションや、企業・自治体のテレビコマーシ

こんなに丁寧に可愛く盛り付けられると、食べるのが勿体無い。

 写真は、昨日、熊本ホテルキャッスルのダインニングキッチン九曜杏のランチタイムにサーブされたサラダである。  お安いランチをオーダーしたにも関わらず、こんなに丁寧に可愛らしく盛り付けされると、食べるのが勿体無いほどである。  サラダは、ほとんどオリーブオイルと岩塩少々のみで食すが、この場合は、生ハムがあったので、オリーブオイルだけで完食。  厨房側の配慮に、感謝するばかり。

和食のデザート・・・小ぶりで、上品な仕上げ。

 写真は、ランチで食した和食のデザートなので、そこまでは凝ってはいないが、流石に旬のものを大切に創り上げている。  洋食と比較して、和食のデザートは上品すぎるほど、量も少ないが、最後の〆としての役割はしっかりと果てしている。  多分に、和食は調理中に甘味を使うことが多いので、洋食と比較すれば、料理の中で糖分を摂ることになる。よって、最後のデザートは控え目になるに違いない。  しかし、ランチでもディナーでも同様に、女性陣の目は、最後の〆に向いている。よって、最近は和食と雖

『鉄板焼さざんか』(1)・・・ホテルオークラ福岡

 九州では、この『鉄板焼さざんか』の右に出る店は、なかなか見つからない。それほど、ホテルオークラ福岡の鉄板焼への拘りが伝わってくる。  特に、器への拘りは素晴らしい。隣の佐賀県の有田焼をはじめ、有名窯元が多く点在するために、開業時から気合を入れて揃えてあるに違いない。  店内も五つ星ホテルならではの構えであり、一つ一つの鉄板焼コーナーが赤銅色に輝き、初めて足を運び入れるお客は圧倒されてしまいそうだ。  本日は、同店で軽いランチとして食したものを二つご紹介したい。感想をぐ

北京ダックの皮目と肉について・・・

 中国料理の代表的な高級料理の一つに『北京ダック』がある。  個室では、一匹のダックをカービングしてサービスしたりもするが、パリパリに揚げた表面の皮を薄く剥ぎ落とし、白髪ネギなどと共に八丁味噌を塗り、生春巻きでくるっと巻いて食べるのである。  甘味のある脂と芳ばしい皮目が他の食材と絡み合い、すこぶる美味なものだ。しかし、毎回ご相伴に預かったとしても、とても勿体無い食し方だなと思うばかりであった。  これが日本の高級中国料理レストランでは普通のパターンであるが、台湾や中国

女心をくすぐる、鉄板焼シェフ『上野雅人』の世界。・・・

 2009年4月13日にお会いした、上野雅人シェフ(当時:東急キャピトルレストラン鉄板焼「源氏」)。  兎に角、優しい笑顔が素敵なシェフだった。それからお会いすることはなかったが、時には電話したり、ネット上で転勤先を見つけてはと、とても気になる、想い出に残るシェフの一人である。  当時のメインディッシュでは、黒毛和牛のサーロインステーキ、フィレステーキや黒鮑をたらふく食したのだった。  2泊3日の東京滞在で、三カ所の高級鉄板焼レストランを取材することになっていたので、同

『冬虫夏草』と『野鳩』のスープ・・・善家繁が織り成す中国料理の世界。

 或る日、東京より可成のグルメ通が熊本にやってくると言う。そこで、「四川料理 桃花源の個室にて会食をしたいが、全体メニューのコーディネートを願えないか?」と打診があった。  四川料理 桃花源(熊本ホテルキャッスル)では、国内最後と言われる『満漢全席』を主催した筆者なので、ドン♪とお任せあれである。しかし、要人ともなれば、意表を突くようなものを模索し、同ホテルと入念な打ち合わせが必要となる。  今回は、その要人の方との会食メニューの中でサーブされた、善家繁作(前熊本ホテルキ

ホテル文化に学ぶ(4)

<肌で感じる文化発信基地>  ホテルのホテルと言われる帝国ホテルが、120年以上の長きにわたり、「文化発信基地」として君臨してきたことは周知の事実。ディナーショー、ブライダル、ショッピングモール、直営レストラン、バイキング料理、シャリアピンステーキ、ホテルメイドの洋菓子などなど、枚挙に遑がないほど、国内津々浦々まで新しい文化を常に発信してきた歴史がある。その影響のほどは絶大なもので、そこから欧米化の波が各地に浸透し、西洋式ホテルが次から次へと生れたことになる。  高級ホテ

ホテル文化に学ぶ(1)

<和洋中融合の食文化>  和食が世界無形文化遺産に登録されて、実に誇らしい。和食は我々日本人にとって食の原点であり、どんなに自称グルメ通と言えども、行き着く先は、母親のおにぎりだったり、味噌汁、そして煮付け、漬物だったりする。(現代の若い方々は若干異なるかも知れない)  洋食が加速度を上げて日本上陸したのは明治時代後期から大正時代。以前のテレビ番組で高視聴率だった「天皇の料理番」でも、その経緯が詳しく紹介されていたが、現代フレンチの祖と言われるオーギュスト・エスコフィエが

ホテル文化に学ぶ(ご挨拶)

 「ホテル文化に学ぶ」という連載記事は、筆者保有のポータルサイト「The Rosetta Stone(since 1995)」にて、2015年10月12日から連載したものである。(非売品の小冊子「如水」として発刊している)  本業はICTであるが、どうも食文化の方が性に合っているようで、いつの間にやら、どっぷりと浸かる様になってしまった。  取材先は、ザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。全国の食