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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

西田親生@企業戦略コンサルタント

バイオグラフィ  1990年(平成2年)10月1日、新聞社を経て、ディー・アンド・エルリサーチ株式会社を創立。九州でも逸早く本格的なマルチメディア事業を展開。NHK、NHK衛星放送、関西テレビ、九州朝日放送、その他全国のテレビ局レギュラー番組や特別番組のタイトルCG制作を手掛ける。  九州新幹線誘致コマーシャルや、愛媛県FAZ建造物、秩父滝沢ダム、九州国際ハブ空港、大分県瓜生島沈没、チブサン装飾古墳、9万年前の阿蘇カルデラCGシミュレーションや、企業・自治体のテレビコマーシ

ホテル文化に学ぶ(7)

<オススメ料理と食事処>  以下は、今まで取材してきた和洋中料理の中から、想い出深い料理の一部を、ランダムに抜粋し、ご紹介するものである。  先ず、流石にインパクトが強かったのは、写真下のザ・リッツ・カールトン東京の「ひのきざか」で食した「門崎丑(かんざきうし)/山形県産」である。枝肉が350キロほどの小柄な牛だが、霜降りの繊細さや肉の甘みなど、非の打ち所がない極上のステーキ肉だった。  次は、皆さんご存知のローストビーフだが、帝国ホテル東京地階にあるラ・ブラスリー(ホ

ホテル文化に学ぶ(6)

 名匠 脇宮盛久氏(熊本ホテルキャッスル和食料理長)は、50代にして黄綬褒章、現代の名工を受章した、熊本県内屈指の和の匠である。今回は、非の打ち所がない脇宮流「新緑会席」をご紹介したい。  最初にサーブされた先付や前菜は写真下の通り、食べるのが勿体無いほど、アーティスティックさを放っている。  以前、京都の吉兆個室にて、侘び寂びの世界を頬張ったことがあったが、この熊本の地の脇宮流「新緑会席」料理は、勝るとも劣らず、これこそ知らねば損をした気持ちになるような、名匠の料理であ

ホテル文化に学ぶ(5)

<理想的なホテル利用法>  先ず、「ホテルじゃお金を払うのだから、無理難題言っても勝手だろ!」と豪語する人は、グローバル標準のホテル利用をご遠慮願いたい。  連載の中の<礼儀作法と所作>で記したように、「紳士淑女」への接遇が理解できるお客は、その人なりに「理想的なホテル利用法」を見出し、ホテル側の「紳士淑女」として接遇対象になっている。よって、ある程度の歳月を経て相互信頼が生まれると、フレンドリーな「常連客」としての立場を確保することができる。  さて、これからホテル玄

ホテル文化に学ぶ(4)

<肌で感じる文化発信基地>  ホテルのホテルと言われる帝国ホテルが、120年以上の長きにわたり、「文化発信基地」として君臨してきたことは周知の事実。ディナーショー、ブライダル、ショッピングモール、直営レストラン、バイキング料理、シャリアピンステーキ、ホテルメイドの洋菓子などなど、枚挙に遑がないほど、国内津々浦々まで新しい文化を常に発信してきた歴史がある。その影響のほどは絶大なもので、そこから欧米化の波が各地に浸透し、西洋式ホテルが次から次へと生れたことになる。  高級ホテ

ホテル文化に学ぶ(3)

<ヒューマンウェアの重要性>  「ヒューマンウェア」という言葉は、ホテリエ幹部育成についてコンサルティングを行う時に、初手から遣う言葉である。それは、「ヒューマンウェア」、「ソフトフェア」、そして「ハードウェア」の三位一体論の中で、最重要課題なるものとして熱弁を奮う。  一方、地方自治体などが絡んだ地域興しなどでは、プライオリティとしては、先ずはハードウェアありきで、ソフトウェアが後から付いて予算配分が行われ、気付けば尻切れとんぼになるケースが絶えない。それは、ソフトウェ

ホテル文化に学ぶ(2)

<ホテリエの接遇と所作>  写真下をご覧頂ければ、一目瞭然。ホテリエの立ち姿、笑顔、そして指先まで神経が通った所作と表情。私たち素人には、なかなか真似ができるものではない。日々厳しい訓練を積み重ねてきた結果が、これに通じている。  写真1枚目は、熊本ホテルキャッスル(62年の歴史)1階ダイニングキッチン九曜杏のマネージャー(現在、食堂部長)である。学生時代に剣道の経験があるからなのか、立ち姿が実に美しい。常に自然体で臨んでおり、歩く姿も頭の上下動が少なく、革靴の踵の音もせ

ホテル文化に学ぶ(1)

<和洋中融合の食文化>  和食が世界無形文化遺産に登録されて、実に誇らしい。和食は我々日本人にとって食の原点であり、どんなに自称グルメ通と言えども、行き着く先は、母親のおにぎりだったり、味噌汁、そして煮付け、漬物だったりする。(現代の若い方々は若干異なるかも知れない)  洋食が加速度を上げて日本上陸したのは明治時代後期から大正時代。以前のテレビ番組で高視聴率だった「天皇の料理番」でも、その経緯が詳しく紹介されていたが、現代フレンチの祖と言われるオーギュスト・エスコフィエが

ホテル文化に学ぶ(ご挨拶)

 「ホテル文化に学ぶ」という連載記事は、筆者保有のポータルサイト「The Rosetta Stone(since 1995)」にて、2015年10月12日から連載したものである。(非売品の小冊子「如水」として発刊している)  本業はICTであるが、どうも食文化の方が性に合っているようで、いつの間にやら、どっぷりと浸かる様になってしまった。  取材先は、ザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。全国の食