見出し画像

セコムに聞いたチカクの魅力。「まごチャンネル with SECOM」の協同開発で体験した“心地よいチーム感”

チカクとセコムは「たのしい、みまもり。」をコンセプトにした新しいご高齢者向けの見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」を2020年1月に販売開始しました。

セコムとの協働開発は2018年9月にスタート。約1年強の開発期間を経て生まれた本サービスは、東京都主催の「ダイバーシティTOKYO アプリアワード」アプリ部門で最優秀賞を受賞するなど、各所から高く評価されています。

今回はチカクとは「何でもいい合える関係性」と笑顔で語るセコム・マーケティング部パーソナルマーケット推進室長の佐藤さんに、チカクとの協働開発に対する率直な感想を伺いました。


<「まごチャンネル with SECOM」とは>
チカクの「まごチャンネル」に、セコムの環境センサー「みまもりアンテナ」を接続することで、コミュニケーションを楽しみながら見守りができる新しいサービス。ご実家では、「まごチャンネル」を通じて、離れて暮らすご家族の動画や写真をテレビで楽しめ、ご家族の側ではご実家の「みまもりアンテナ」からの情報をもとに親御さんの起床や就寝、室内の温湿度の変化などをアプリで確認することが可能です。

まごチャンネルは「素晴らしい」。セコムから見た第一印象


ーーセコムさんとチカクの出会いは、東京都主催のASAC(Aoyama Startup Acceleration Center)アクセラレーションプログラムで、チカクが第1期の受講生で、セコムさんはメンター企業として参加されていました。

そうですね、ASACが出会いのきっかけです。初めて「まごチャンネル」を知ったときのことは、今でも鮮明に覚えています。「素晴らしい、これだ」と。

そして今回、新しい見守り商品を検討する中で、チカクさんと協働しようと、セコムのプロジェクトメンバーの意見が一致しました。

画像1

ーーセコムさんがスタートアップとの連携を進めている背景は何でしょうか?

セコムグループは「2030ビジョン」の中で、暮らしや社会に安心を提供していく社会インフラ「あんしんプラットフォーム」の構築を掲げています。その実現に向けて進めているのが、共感を軸にした社会とのオープンイノベーションとなる「共想」です。

社会課題が複雑化、複合化する中で、1人ひとりの安心を求めるニーズは一段と高まり、さらなる多様化が見込まれています。

この多様化するニーズにスピード感を持って対応するために、ベンチャーに限らず、セコムと想いを共にする産官学などの外部プロフェッショナルとの協業を進めているところです。

ーーセコムさんの課題とは、どのようなものだったのですか?

例えば、ご家庭向けに私たちが展開してきた『セコム・ホームセキュリティ』は、ご自宅にセキュリティ機器を設置し、何かあれば警備員が駆けつけるというサービスです。

しかし、機器の設置を伴い、セコムが24時間オンラインで寄り添うかたちなので、見守りの用途としては「まだその段階には早い」という声もいただいていました。

親がちょっと心配という、言わば“入門レベル”のライトな見守りを希望するお客様には、少しサービスのニーズが異なり、期待にお応えできていなかったんですね。

また、ご高齢者の自宅には、Wi-Fi環境が整っていないことも多いです。

こうした環境を踏まえて、「工事不要・回線不要」でご高齢者を見守ることができ、さらに見守られる側にも、「監視」ではない何か新しい価値をご提供できるサービスを作りたいと思っていました。

ーーその課題に、「まごチャンネル」がフィットしたのですね。

そうです。もう一つ大きかったのは、「まごチャンネル」がテレビを活用したサービスという点です。

私自身これまで数多くのご高齢者のご家庭を訪問してきましたが、大抵の場合、リビングの中心には大きなテレビがあります。外出の時間が短くなるにつれて、テレビを見る時間は長くなる。そうしたテレビとご高齢者の親和性の高さを、「まごチャンネル」は上手く活用していました。

ご高齢者がストレスなく使えることも評価は高かったです。ハードデザインやパッケージも含め、サービスのクオリティが総合的に高いというのが、「まごチャンネル」の第一印象でした。

大手・ベンチャーは関係なし。何でも言い合えるフラットな関係性


ーーここまでチカクと一緒に開発を進めてきて、率直にいかがでしたか?

非常に刺激的ですね。私たちも、課題志向でお客様の体験を見ながら技術開発する集団ですが、私たちから見てもチカクさんのユーザー志向は尖っているし、あらゆるスピードが速い。一緒に新しい見守りの体験を開発するという意味では、セコムにとって新しいチャレンジになりました。

また、協働のプロジェクトチームもとても気持ちよく仕事できていると思います。私たちに対しても遠慮なく厳しいご指摘をしてくださるのが(笑)、何にも変えがたくありがたいです。会社の規模に関係なく、チカクさんとはフラットな関係性を築けていると思っています。

画像2

チカクの皆さんは少数精鋭で、一人ひとりがプロフェッショナルですよね。通常、個々の強い組織は部門間でぶつかり合ってしまうこともあると思いますが、チカクの皆さんには、「シニア・ファースト」というコンセプトが、一本スパッと通っています。

全員が同じ方向性を軸として共有できているから、組織としてブレがない。それが、チカクさんの最大にして最強の特長だと思います。

ーー色々なスタートアップを見てこられた佐藤さんに伺いたいのですが、なぜチカクは「芯が強い」組織になっているのだと思いますか?

「まごチャンネル」というサービス自体が素晴らしいことが、大前提としてあると思います。扱う商品がいいものでなければ、人ってそんなに情熱を注げないですよね。だからこそ、メンバー間に確固たるコンセプトのもとに、組織にまとまりが生まれているんだと思います。

あともう一ついいなと思うのは、会社全体が明るいですよね。まず、代表の梶原さんがとっても明るくポジティブです。お互いの関係性がフラットなので、毎回のやりとりが打てば響く。チカクの皆さんとの協働開発では、そんな心地よい“チーム感”を味わいました。

「何をするかではなく、何をやらないか」


ーー佐藤さんはチカクとプロジェクトを進めるなかで、どんなことを意識していましたか?

今まで梶原さんを中心に作られてきた、チカクさんの世界観を尊重することです。今回のプロジェクトでセコムとして新しい価値をつくっていくためには、「まごチャンネル」のよさをサービスに活かすことが大切だと考えました。

だからこそ、オリジネーターであるチカクさんには、はっきりものを言ってもらえてよかったです。そのおかげで、素晴らしいサービスができたと思っています。

ーーチカクとのやり取りで特に印象に残っていることはありますか?

サービスの方向性をディスカッションしているときに、梶原さんがこんなことを仰っていました。「何をするかではなく、何をやらないかが大事なんです」と。それを聞いてハッとしましたね。

画像3

考え方として、例えば、今の私たちの技術力を持ってすれば、例えば「まごチャンネル」にカメラをつけてTV電話機能をつけることもできますし、他にも色々な機能を加えることができます。正直なんだってできます。「でもそれって、お客様にとって本当に必要なの?」ということを、チカクの皆さんと徹底的に話し合いました。

最近のものは、実際には使われない機能も搭載しているフルスペック商品が多いですよね。そうではなく、コアになる機能に絞って磨くことが大事なんだと。

両社で一緒になって議論しながら、シンプルにいいと思える体験をさまざまな環境で実験しながら開発を進めました。毎週毎週、新しい仮説を設けて、ハードウェア、ソフトウェア、顧客体験を試していく。この価値検証の過程は、両社にとって学びの連続でした。これによって協働プロジェクトチームの一体感も高まったと感じます。

ちょっと褒めすぎですかね? (笑)。

プロダクトには自信がある。課題は認知拡大


ーー「まごチャンネル with SECOM」が、東京都主催の「ダイバーシティTOKYO アプリアワード」アプリ部門で最優秀賞を受賞した際、佐藤さんは会場に駆けつけてくださいました。

「これしかない!」と信じてみんなで突き進んできたので、とても嬉しかったですね。
世間を見渡してもご高齢者向け商材のヒット商品はとても少ないですし、我々にとっては、警備員が駆け付ける、いわゆる“セコム”のイメージとは違う未知の領域に挑戦するわけですから、正直、迷いや不安はありました。

それが今回、最優秀賞を受賞することで、客観的な実力を外部の方々から評価をいただいて、実感できたことは本当によかったです。

ーーこのサービスを知った人は、必ずと言っていいほど「すごくいい」と言ってくださいます。その一方で、まだサービス自体をご存知ない人が多い。認知拡大が課題ですね。

そうですね。いいものを作っている自信はあるので、次は知っていただくことが大事です。チカクさんからもよいアイデアやアドバイスをいただきながら、セコムをもっともっと知っていただく取り組みを展開していきたいと考えています。

もちろんサービス内容についても、お客様の声をお聞きしながら、チカクさんと一緒にアジャイルにブラッシュアップしていきます。
ご高齢者の見守りニーズへの提供価値をもっと高めていけば、もっと広がっていくはずなので、引き続きよろしくお願いします。

ーーこちらこそ、これからもよろしくお願いします!また、チームで飲みに行きましょうね(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?