東京下町おうちご飯#14 真鱈子の醤油煮

スケソウダラの生鱈子は高いけど、真鱈の子は大きくて安い。
魚売り場が充実しているスーパーで 今の時期売られているので 見つけると毎回3、4パック、あるだけカゴに入れてしまう。貧乏性の食いしん坊である。

煮てしまえば 味に劣りはないように思うのは
私の舌が不味いのか。見た目は確かに見慣れない 黒っぽくて 謎の物体だけれども 煮てしまえば変わらない。安くて多くて美味しい方がいいではないか。

鍋に酒と醤油と味醂を煮立たせて 真鱈子を入れる。スプーン等で皮を破りながら 汁がなくなるまで煮付ければ ツブツブと 魚卵好きには堪らない ご飯のお供の出来上がり。

これと 人参大根キュウリなど ぬか漬けの刻んだものと 炊きたて白飯の上にたっぷりとのせて 箸をいれる幸せったら。...ない。白飯がなくなったら新たによそい、生姜のたまり漬等 お漬物なんかを加えて 緑茶を注いで〆はお茶漬け。
...嗚呼。

タラコや明太いくらに筋子 調味漬け魚卵も好きだけど 自分でしょうゆに味付けた 素朴な煮付けのほっとする味は いくらでもおかわりしてしまう。
量も多くて安い真鱈子は そんな食卓に ぴったりなのだ。

鱈の出回る 旬のこの時期しか手に入らないなんて 悲しくって 春はまだいい と思ってしまうほど。真鱈子の醤油煮の季節は 美味しい季節。

#料理 #エッセイ #真鱈



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