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冬に「おでん」「鍋料理」が売れる理由

朝晩が冷え込んできました。
これからの季節は、簡単・手軽・美味しいが揃っているので、食卓ではついついおでんや鍋料理になることが多いです。
お鍋料理が多くなる最大の理由は、「温もりたい」からです。
「そりゃ、寒いから当たり前じゃない」と声が聞こえそうですが、
じゃあ寒いとなぜ温もりたくなるのでしょう?

昔から「冷えは万病のもと」と言われていますが、「冷える」→「体温が下がる」→「生命の危機」だからです。
ちょっと大袈裟なようにも聞こえますが、本当なんですよ。

人間の体温は、外気温の気温に左右されずに、一定の体温に保たれるようにシステムが組まれています。
この働きをホメオスタシス(恒常性)といいますが、脳や内臓といった臓器を守るために、身体の中心部の体温を一定に保つシステムです。

この場合の体温とは、通常体温計で測る体温ではなくて、直腸温などの身体の中心部の体温「深部体温」です。
人の場合、深部体温が35度以下なった場合「低体温症」と診断されます。

深部体温が35℃になると、ジバリングと呼ばれる「身震い」が起こります。34℃以下になると、脳の活動が低下、脈拍や呼吸が弱まり、血圧が下がり、身体が硬直や筋肉の痙攣といった症状になります。
さらに進むと、呼吸困難や、歩行ができなくなったり、幻覚をみたり、意識や感覚が低下します。
体温が28℃以下では、身体が硬直して意識がなくなり、25℃以下になると仮死状態になり、20℃以下になると脳波が消失して心臓が停止ということになります。

日常生活の中でも、低体温症になる危険があります。
・十分な暖かさのある場所じゃないところで寝てしまう
・寒い屋外や風の強い場所に長時間いる
・泥酔したまま寝てしまう
・運動後に汗をかいたままにしてしまう
・雨や雪に濡れて身体が冷えてしまう
・大きな外傷を負う

などです。

予防対策としては、冷やさないことと温めることに尽きます。

身体の一番の使命は「生命を守ること」。
その生命を守るために無意識に温もりを求めるので、お鍋料理やおでんといった、温もる料理が売れるんですね。



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