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自然観察法と子どものカウンセリング

目の前の人を、何のフィルターも通さずに
純粋に見れたら・・・

私は、カウンセリングの神様、カールロジャースの教えの中にある「純粋性」を、「ただ、そのままを観る」ことと理解しています。

晩年に、彼は「自分自身になる」とも表現しています。

「ただ、そのままを観ること」で私たちは
「ただの自分になる」というプロセスを進んでいけるのではないでしょうか。

特に子どものカウンセリングでは、私たち大人より、純粋性に近い子供に会うわけですから、それを磨いていくことがとても大切ですし、私はそれを磨いてくれる子ども臨床の仕事が好きです。

それから、植物との触れ合いもそれを磨いてくれます。
自分より、より純粋なものに触れる時間は、『観る瞑想』『触れる瞑想』とも言えそうです。

さて。支援者向けの講座の中でも、【自然観察法】というワークを課題に出しています。

「”ただ、そのままを観る”それを、たった、ひと時で構いません。じっくり、何かひとつの植物、お花を観察してみてください」という課題です。

「フォーカシング」という手法や、呼吸法などをお伝えした後に、この自然観察法で、頭での考えから降りていく訓練法です。

「そのままを観る」というやり方を通して

子どもと出会う時に、なんのフィルターも通さずにただただ愛でる。

「へぇ。そうなってるんだぁ。」と

生命の不思議

自然に対する敬意が生まれていきます。

不具合があれば

(植物であれば、水や太陽や風が足りないなど)

それはそれは苦しかったろうに

こうしたらよく呼吸ができるよねと

いのちの邪魔をせずに

必要なものに手を加えることができる、

そんな境地に導いてくれる【自然観察法】は、子ども支援者に向けて

とてもオススメの鍛錬法です。


井の頭線のアジサイ通り

梅雨に入りました。色鮮やかな紫陽花が、一層華やかさを増します。

色の妙味、うつろい・・・すべて、自然を愛でることは、自分を愛でることと同じ、といような不思議な気持ちになります。

自然観察法は、自分の中の自然を愛でることと同じかもしれない。

ロジャーズが晩年に、純粋性について自分自身になることと表現した境地に少し触れたような気持ちになりました。


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