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漫画「進撃の巨人」34巻 単行本加筆部分と、Beginningの感想です。※Endingの感想はありません。

 単行本34巻と付録のBeginningを読みました。 1に作中での地ならしについての私なりの解釈、2に単行本での加筆、3に付録の1-2話ネーム(Beginning)について記載します。

1. 最初に、地ならしは、キリスト教の「ノアの方舟(旧約聖書)」や、「ヨハネの黙示録(新約聖書)」を彷彿とさせます。進撃で当て嵌めると、以下のようになりました。
    ※飽くまで一個人の感想で、宗教との関連を示唆するものではございません。また、先生やキャラに対するヘイトの気持ちも全くございません。ただ、一部批判を含むので、閲覧はご注意ください。

洪水や災害: 地ならし 

神: エレン

方舟や新天新地での生存者: 104期生生存者+ピーク+レベリオ収容区の生存者(戦士家族含む)+パラディ島民+イェーガー派生存者+その他人類(地ならし来なかった地域)

洪水で流された人や災害で命を落とした人: 地ならしやこれまでの出来事で亡くなった人

本誌で「問題になった」発言は単行本でも修正はありませんでした。
アルミン→エレン 「ありがとう、僕達のために…殺戮者になってくれて」

 結局地ならしによる被害状況が殆ど描かれておらず、地ならし壁巨人もどこに行ったか不明でした。やはり「骨は砂と化して消えた」のでしょうか?
 個人的にはやはり大使の「加害者意識の薄さ」は引っかかります。エレンは徹底した「身内主義」でしたね。皆がエレンを「賞賛」しているのは不気味でした。
 勿論、彼らだって「被害者」で、救われてほしかった、でも地ならしでどれだけの生命、文化が失われたでしょうか?だから、アルミンの「知りたくなるはずだ、僕達の物語を」はやはり違和感が大きいです。実際、「知りたくなる」かどうかは相手が決めることだと思います。

 ニュースやSNSでは、「抑圧された民族が自由を求める話」として、特に海外の読者からは、自らの境遇に重ねて応援している読者が多かったようですが、そのような方々が本結末をどう捉えるのかは気になります。

2. 次に加筆内容8ページについて説明します。

①ミカサと始祖ユミルの「会話」
 ミカサの頭の中を「覗いていた」のは始祖ユミル
 彼女に寄り添うミカサ
 フリッツ王が槍で刺されて死んでいて、始祖ユミルと娘3人は生き残っています。
 そして始祖ユミルは「成仏」しました。
 →ユミルの代わりに王が死んだので、139話で巨人の力は「消失」しました。

 ユミルは、あの時点では始祖の巨人の能力は持ったままなのでしょうか?もし娘に食べられて「継承」されなかったら、9つの巨人は生まれていません。そしたら、大昔の巨人対戦もレベリオ襲撃、パラディ島襲撃も「無かった」ことになるのでしょうか?ユミルがフリッツ王への執着を「手放した」ことで、負の歴史は「上書き」されて消失したのでしょうか?それとも、このコマは始祖ユミルの描いたこうなって欲しかった理想の世界でしょうか?
此処は、「明確な答え」は作中で示されていないので、皆様の意見を読んでいますが、見解は分かれていますね。私は、「始祖ユミルの描いたこうなって欲しかった理想の世界」だと思いました。

②未来 パラディ島?ミカサはジャンと夫婦になった?※後ろ姿から推測しただけなので、作中で「ジャン」と確定した訳ではないです。

 まさか、このCPが成立するとは思いませんでした。ジャンの「とても綺麗な黒髪だ」や、「セントラルの一等地の暮らし」の伏線は回収されたのですかね?
→私はここはもっと2人の会話なりここに至る経緯が必要だと思います。例えば、ジャンが「道」でエレンに、または直接ミカサに「俺がミカサを守る」と伝えますが、ミカサはジャンの想いとエレンへの想いを自分の心の天秤にかけてしまい、ジャンの気持ちを受け入れられるか否かで葛藤する描写とかがあると納得しやすかったかなと思います。

     進撃、全体的にCPに至る伏線や描写は用意されていますが、最終的にそこに至るまでの互いの意思の葛藤や意見のぶつかり合いが弱いように感じます。もっと互いの「会話」をしっかり聞きたかったです。(特に異性のCPに対してそれを感じました。エレミカ、アルアニ、ヒスと夫のサスペンダー君然り。逆に、同性のCPの敬愛や友愛はしっかり描かれていると思いました。マルジャン、ケニウリ、ユミヒスなど他沢山) 
※飽くまで私個人の意見です、決して異性のCPを否定するものではございません。

 エレンが眠る木はどんどん大きくなっていき、同時に街は復興していきます。
年老いた老夫婦はジャンミカ?もしかしたら子供や孫がいるのでしょうか?小さくてはっきりとはわかりません。この時点での兵長・アルミンら他のキャラの動向は一切不明ですね。彼らは一体どうしているのでしょうか?もう「特殊能力保持者や大使」ではなく、「市井の人」として、どこかで暮らしているのでしょうか?

 ミカサ、腕の包帯は最期まで巻いたままですね。もしかしたら刺青は誰にも見せておらず、ヒィズルの血筋はあえて明かさないつもりかもしれません。

 墓には薔薇を添える描写は、まるで「オペラ座の怪人」みたいでした。
あの話も怪人(エリック)とクリスティーヌの恋愛が描かれますが、2人は結ばれず、彼女を想って怪人と戦ったラウルと結婚します。老年、ラウルがクリスティーヌの墓参りに行くと、墓前に薔薇が添えられていました。当て嵌めるなら、怪人(エリック)=エレン、クリスティーヌ=ミカサ、ラウル=ジャンでしょうか。

 ここで、薔薇(ばら)の花言葉について説明します。全般の花言葉は「愛」「美」。
・1本:「ひとめぼれ」・「あなたしかいない」
・4本:「死ぬまで愛の気持ちは変わらない」
・100本:「100%の愛」※逝去のシーンの薔薇の本数は不明ですが、沢山ある時の花言葉はこれ。よく見ると百合の花もあります。

いずれにせよ、何色の薔薇かは不明ですね。※尚、色によって花言葉は異なります。カラー版があるならここもわかるかもしれません。これは、アニメ版に期待ですね。

出典はhttps://www.weddingpark.net/magazine/2221/

 ミカサは天寿を全うして逝去しました。薔薇に囲まれ、マフラーもつけています。

 X年後、戦争で空爆される都市(パラディ島)、巨人は消えてもやはり争いは無くなりませんでした。地ならしで潰れた国も「復興」して攻撃、被害を免れた国も攻撃してきたようです。アルミン達の「大使の活動」、内容も結果もこれでは何もわからない。長い目で見たら、結局は「話し合いは成功しなかった」のでしょうか。それはそれで辛いですが。
 ただ、木は燃えておらず、大きくなり続けていますね、これは「巨大樹」だという伏線だと思いました。

 XX年後、一人の小さな子供(黒髪、性別は不明、目が前髪で隠れている)が犬と一緒に大きな木の側まで近づきます。その木の下は大きな樹洞が出来ています。これって、まさか始祖ユミルが追放されて樹洞に落ち、「ハルキゲニア」と邂逅したシーンのオマージュでしょうか??もしかすると、まだ「ハルキゲニア」が「生き残っている」オチにも取れます。  
 139話では皆人間に戻りましたが、巨人化能力がハッキリと「消えた」描写はありませんでした…もしあの子がミカサとジャンの子孫なら、確実に「ユミルの民」の血は引いているので、「巨人化能力を手に入れてしまう」のでしょうか。「犬」を連れている子供なので、もしかして獣の巨人の順番(十二支だと羊(クサヴァーさん)→猿(ジーク)→鳥(ファルコ)→犬)を連想させるてしまうのでしょうか?それなら、また同じ悲劇が起きるのか…?このコマ、説明は無いですが、不穏な空気感が伝わって来て、何だか怖いですね。ここは先生、やはり「最後まで裏切りません」ね。

 木の周囲を飛ぶ鳥の数は「11羽」いました。これは何を指すのか、考えてみました。
生き残った104期→7人(ミカサ・アルミン・ライナー・アニ・ジャン・コニー・ヒストリア)、それ以外→3人(ガビ・ファルコ・ピーク)、兵長又はエレン→1人 ※兵長よりもエレンの可能性が高そうです。偶然かもしれませんが、7+3+1=11になるんですよね…

 まさか、あの時の生存者が「鳥になって」皆エレンに「寄り添い」、まだこの世界を「監視」し続けているのでしょうか?それなら、いつ何時「干渉」が起きていてもおかしくないってことですね?どこまでも怖い、怖すぎる!それはエレンが今でも「神」だからでしょうか?

③ エンドロール スクカー幼馴染トリオが100年前の巨人世界を映画として観ています。
 エレンの記憶の欠片に「スクカー世界」があったのは、この伏線ですかね、アニメでいきなり出てきたら笑ってしまいそうです。
 なぜかマルコがゾンビ化して寝ていますね、薄ら気付いてはいましたが、どうやらこの世界では彼は「生者」ではないようです…
 外で始祖ユミルママ・3人の娘とすれ違いました。ということは、始祖ユミルの「力」はスクカー世界でも健在ということでしょうか?それとも、ただの「ファンサービス」でしょうか?

 ※以下幼馴染会話の内容です。一部会話表現を変えています。

 ミカサ「私は良かったと思う。本当に長い物語だったけど…伏線も回収されたし、登場人物とちゃんとお別れできたから。」
「想像の余地を敢えて残したとも出来なくはないと思えるし!あえてシンプルに畳んだとも取れるし!欠点がある人の方がかえって親しみやすい場合もあるでしょ、たまには。」

アルミン「ミカサは考察サイト観てないからね」
「謎は残されたままだよ!10年以上シリーズの結末を予想してきたけど、何かさぁ、予想通りなんだよね!もっとさぁ!良い意味で、期待を裏切る何かを見せてくれると思うじゃん!?」
「そんなことで僕の不満や疑問は解消されない!なぜならずっと待っていたからだ、10年前からずっとこの日を!」

 エレン「お前らと映画観れて楽しかったよ…もし次回作があったら…また観に行こうな。」

 私は、エンドロール自体は悪くないですが、こういったノリツッコミで先生の顔や声が作中に出てきてしまうのは苦手ですね…(面白いと感じた方、すみません。)
先生エゴサして気にしていたでしょ。やっぱり「批判を気にしていたんだ、でもこれを受け入れてね。」って言ったら見方によっては「言い訳」にも聞こえてしまいます。※勿論、これを「作中」と言って良いのかはグレーなところではあります。尚、スクカー設定に対する批判ではありません。

 スクカーはまだしも、フォロワーさんが見せてくださった6月9日の朝日新聞に掲載された「最終巻予告」は、本当に受け入れられないです。最近多い「異世界転生」ネタをベースに描いたと思いますが、正直全く面白くなくて、寒気がしました。(こちらも、面白いと感じた方、すみません。)
 どうも、編集部やメディアが出す「面白いだろう」ノリと、作中で描かれたシリアスなテーマ(戦争や民族差別、地ならしの悲劇が噛み合っておらず、セールスポイントがズレているようでなりません。厳しい意見になりますが、先生が上記のノリを容認しているから、「地ならし後の被害状況が不自然な程描かれておらず、また生存者が地ならしの被害者の気持ちに寄り添う描写を描けていない」のかもしれないと感じました。

3. 1-2話ネーム(Beginning) 原作と異なる箇所をまとめます。                
①訓練兵団解散式で、ヒストリアとユミルの絡みがありました。
②超大型巨人が「消えた」後、ベルトルトが壁に掴まっているのをエレンが発見しました。ベルトルトの「熱い、蒸気、消えた」発言は正体を隠すための演技でしょうか?
③胃液を戻してるのはアルミンでした。
④無知性巨人(エルディア復権派の一人)に喰われたのは、トーマスではなく、
ライナーでした。確かに2人はパッと見似ています。もしかして、「鎧の巨人」は
別のキャラだった可能性が浮上しました。しかし、「脊髄」を咀嚼されていない
ので、やはりライナーが巨人化能力者で、人間に戻れる伏線を張っていたのかとも取れます。
⑤無知性巨人の口の中で踏ん張るエレンを見つけたのは、アルミンではなくミカサでした。

他にも相違点が見つかるかもしれません。

 尚、コンビニ限定の方は手に入らなかったので、フォロワーさんのツイートより読ませていただいています。

 最後に、ここまで物語を描かれた先生には感謝しています。アニメ、辛いシーンが多くてどこまで視聴できるかわかりませんが、この作品に出会えたことは良かったです。
 荒川先生との対談の感想は、別途書きます。