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【原体験ドリブン2章 無料公開】 第自己ワークのやり方(2/7) 原体験の旅に出よう ~一人でおこなう原体験ジャーニー~

自己ワークのやり方

「ミニワーク」で深掘りの感覚をつかむ

 本書で紹介する原体験ジャーニーは、まず自己ワークで原体験ジャーニーの基本をつかみ、次にペアワークでさらにジャーニーの本質を深めていく流れになっています。

まずは自己ワークのやり方をみていきましょう。ペアワークについては第3章でくわしくお話しします。

 いきなり本格的な自己ワークからはじめるのはハードルが高いため、最初は自己ワークの短縮版「ミニワーク」からはじめます。

といっても、基本は自己ワークと同じです。ちがうのは、深掘りする項目が少ないだけです。

ミニワークで自分に意識を向けるクセをつけ、無意識を深掘りしていく感覚をつかんでいきます。

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 自己ワークの基本の手順は次のとおりです。

❶ノートとペンを用意する
❷原体験ジャーニーの起点となる「5項目」に答える
❸それぞれの項目を「なぜ?」で深掘りしていく。答えをノートに書きこんでいく

❶ノートとペンを用意する

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 用意するものはノートとペンだけ。ノートはなるべく大きいものがいいかもしれません。最後に原体験ジャーニーの全体をふり返りながら、今自分がやっていることと過去の体験がどうつながるのか、自分にとっての一番の原体験はどれなのかを考えるために体験と体験を線でつないだり、色ペンで重要な体験をぐるぐると囲んだりします。

ふり返りをしやすくするためにも、ノートは大きめをおすすめします。

 ノートは見開きで、横に使います。原体験ジャーニーでは「現在から過去」、「意識から無意識」へとさかのぼっていきます。その過程で出てきた体験や感情をすべてノートに書いていきますから、横に長いほうが書きやすいです。

 就活の自己分析では上から下に書くやり方が多いようです。

原体験ジャーニーでは横に書いたほうが、ふり返りのさいに体験と体験をひもづける作業がやりやすいかもしれません。

とはいえ、最終的には自分のやりやすい方法を選んでください。ここで紹介するやり方は絶対ではありません。

自分でやりやすいかたちにどんどんアレンジしていってかまいません。

 ノートがいっぱいになってしまったら、ページをめくり、新しい見開きに続きを書きこめばよいです。

原体験ジャーニーの途中でノートのページをめくると集中力がとぎれてしまうことをきらって、ホワイトボードを使って原体験ジャーニーをする人もいます。

これも、自分に合う方法でかまいません。

❷原体験ジャーニーの起点となる「基本の5項目」に答える

 原体験ジャーニーでは、自己ワーク・ペアワークともに「基本の5項目」から掘り下げていきます。項目は次のとおりです。

①今やっていること
②時間を忘れてできること
③好きな言葉
④やりたくないこと
⑤将来やりたいこと

 それぞれに対する自分なりの答えを書いてみてください。5項目の答えはざっくりとでかまいません。必ずしも文章である必要はなく、単語でかまいません。あまり深く考えこまず、3~5分以内でひととおり書きます。答えはノートの見開きであれば右端に縦に並べて書いておきます。

 この5項目の答えが原体験ジャーニーの「起点」となります。起点は、あなたが「意識レベルで認識していること」です。ここから無意識の領域に少しずつ歩を進めていきます。

❸それぞれの項目を「なぜ?」で深掘りする。答えをノートに書きこみ、「無意識のマップ」をつくる

 ミニワークでは、この5項目から1つだけを選び、その項目に対する答えに「なぜ?」で深掘りしてみてください。「『なぜ?』で深掘りする」とは、質問をくり返し投げかけて答えていくことをさします。

 この質問をミニワークでは「最低5回」自分にぶつけてみてください。質問はシンプルに短く、がコツです。

 答えが出てきたら、その答えをふまえて「なぜそうしたのか?」「どうしてそう思ったのか?」などとさらに質問を考えて自分に投げかけていきます。自分で質問し、自分で答えるのです。

 たとえば①の項目を選んだなら、こんな具合に深掘りしていきます。

「①今やっていること:ウェブデザイナー」
→「なぜウェブデザイナーになったのか?」
→「デザインの仕事をしたくて採用された会社だったから」
→「なぜデザインの仕事をしたかったのか?」
→「自分の才能を活かせると思ったから」
→「才能があると思ったのは何がきっかけか?」
→「学生時代に自分でデザインしたブログが評判になったから」
→「いつからデザインをするようになったのか?」
→「中学校で美術部に入ったのがきっかけ」
→「なぜ美術部に入ったのか?」
→「絵のうまい友だちがマンガを描いているのを見て、自分も絵を上手に描けるようになれたらと思って」……。

こんなふうに自分でどんどん話を掘り下げていきます。
 
 最初は5項目をいっぺんにやろうと思わなくていいです。

1項目に集中して、「無意識を深掘りする感覚」をミニワークでつかんでみてください。

いきなり5項目をすべてやろうとしても、深掘りに慣れていないと浅くしか掘れません。深掘りできなければ原体験は見つかりません。

とにかくひたすら質問を投げかけて、自分の過去の行動や感情の理由を深掘ってみる練習をおこなってください。

 5回の深掘りがかんたんにできてしまった人は、回数にこだわらなくていいです。「もうこれ以上質問をつくれない」と感じるところまで、さらに深掘りを続けてみてください。

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 人によっては、自分の書いた答えに自分で質問をすることに難しさを感じる人もいるでしょう。自問自答は意外と難しいものです。

これは慣れですから、はじめからうまくできなくても落ちこんだり、気にすることはありません。

 また「なぜ?」で深掘りする、といっても、すべての質問の頭に「なぜ」をつけた質問をつくる必要はありません。

「どうしてこれが好きなんですか?」
「それを好きになったのはいつごろ?」
「それをやってみたときどう思った?」
「誰がそう言ったんですか?」など、


質問のかたちは何でもいいです。考えうる限りのありとあらゆる質問を投げかけて、自分の過去にさかのぼってみてください。

 質問をし続けていると、たくさんの過去の体験が出てきます。

気になる体験、もっと深掘りしてみたい・したほうがよさそうと思える体験が出てきたら、「解像度を上げる質問」もしてみてください。

「解像度を上げる」とは粗くボヤッとしていたイメージをくっきり鮮明にしていくことです。

 「深掘りしたい体験」を「リンゴ」に置き換えてみます。このリンゴの解像度を上げるためにさまざまな角度から質問をします。

「最後に食べたのはいつですか?」
「どうやって食べましたか?」
「誰と食べましたか?」
「味はどうでしたか?」
「リンゴを知らない人にリンゴのことをどう説明しますか?」……。

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まだまだ質問は出せると思いますが、このようにして、詳しく知りたい体験を鮮明にしていく。これが「解像度を上げる」になります。

 質問を投げかけ、出てきた答えはかならずノートに書いておいてください。

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 ノートに書かれた答えが原体験ジャーニーの足跡になります。いってみれば、これがあなたの「無意識のマップ」になります。

このマップを見ながら、原体験ジャーニー終了後にふり返りをおこなっていきます。

 マップがなければ原体験ジャーニーのふり返りができませんので、出てきた答えはしっかりとメモしておいてください。

ただし、きれいにていねいに書けといっているわけではありません。読めればいいです。

「カッコいい自分」を見せようと思わない

 質問に答えるときは、時間がかかってもいいので真剣に答えてください。

 すぐに答えが浮かばないからといって、なげやりに「なんとなく」とか「わからない」などと答えるのはNGです。

答えが「なんとなく」だと、それ以上質問を投げかけるのが難しくなります。

どうしても「わからない」ときには、答えが出るような別の質問を投げかけてそこから原体験ジャーニーを続けてください。

 答えありきの質問をつくるのもNGです。「こう答えたい」「こう答えなくてはいけない」「こういう答えはカッコ悪い」と考えて質問をつくると、カッコつけた方向に原体験ジャーニー全体が流されていってしまいます。

自分の心の声や本音からはかけ離れてしまうため、本物の原体験にたどり着けなくなってしまいます。誰も聞いていないのですから、いいことも悪いことも、すべてさらけ出してください。

「カッコいい自分」を見せようと思わないでください。

 大学生に原体験ジャーニーをやってもらうとありがちなのが、答えがきれいにまとまりすぎているパターンです。

優秀な人が多いためか、「きれいごと」でしか答えない人が多いのです。

 自己ワークでは、質問をするのも答えるのも自分です。

ペアワークで、他人にいい自分を見せようとカッコいい自分を意識して答えてしまう人がいますが、自己ワークでは他人にカッコ悪い自分を見られる心配はありません。

 自己ワークは、決して他人向けのカッコいい言葉でやらないこと。恥ずかしかったこと、失敗したことはもちろん、嫉妬、不安、恐怖、ダサい、つらいといったネガティブな感情もどんどんさらけ出すこと。

そのほうがより強い原体験が見つかる可能性が高くなります。

 自己ワークでは、頭に浮かんだことを評価したり判断したりせず、とにかく書き出していくことが大事です。自分にとってしっくりくる答えもあれば、そうでない答えが浮かんでくることもあるでしょう。

それでもまずは、最初に出てきた自分の心の声にしたがってみてください。原体験ジャーニーに正しい・まちがいはないです。

自問自答し、ひたすら答えていきさえすれば原体験ジャーニーは少しずつ前進していきます。

 無意識を深掘りして過去にさかのぼっていくと、意外な記憶にたどり着くことがあります。でも、心配することはないです。

あなたが今意識していることが、あなたのすべてではないからです。

本当の原体験は今見えているものの下、つまり無意識の領域に眠っています。あなた自身も気づいていない世界です。

驚くような記憶が掘り出されたとしても、それを素直に受けとめてほしいと思います。

ペアワークへのアドバイス(3/7)

→目次

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