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眞鍋呉夫編 『能村登四郎句集』(芸林21世紀文庫)

能村登四郎の14冊の句集の中から、眞鍋呉夫が436句選出。
だいぶ前に購入してあまり読まないでいたが、さいきん能村登四郎の句に惹かれるので、再読した。

能村登四郎全句集がとても欲しくなった。(1万円なら安いかな……。)

とくに惹かれた句を。

しづかなり受験待つ子等の咀嚼音
蝌蚪ひとつ散りのこりつつ光負ふ
となり家の電話にはしる露の下駄
荒塩に妻の指跡春逝けり
離れゐて父子耕しの鍬そろふ
削るほど紅さす板や十二月
まぐはひに似て形代の重ねあり
贋の歯を口に棲はせ神の留守
水餅の二つ三つは忘れられ
腰骨が決める男の祭帯
うららかや長居の客のごとく生き
生御魂とはわがことと気付きけり


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