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麒麟 2024年春号

結社誌「麒麟」2024年春号に西村麒麟さんの句集『鴨』が全句掲載されるということで購入しました。ずっと読みたかった結社誌「麒麟」。感想と好きな句(たくさんあったのですが)を書きます。

【感想】
・雑詠欄「天地人」の方には冊子を三部ずつ送るっていい仕組み
・連載陣がおのおの自由に書いていらっしゃる印象
・(おそらく)西村麒麟さんによる挿絵がかわいい
・西村麒麟さんと会員二人による「麒麟を読む」の記事がおもしろい
・四席から十三席は連作全体でなく一句で決まっているシステムが斬新
・投句案内に「メール投稿もハガキで投句する場合と同様、命懸けで投句なさるようお願いします。」→すごい

【好きな句】(『鴨』の句以外で)
雛納め笛をするりと抜いてやり 西村麒麟
人の世に四十九日や春の蝶 西村麒麟
年忘飲むほどに人よろこばす 斉藤志歩
先生が誰より笑ふ福笑 西田公正
初声や真つ直ぐ暗き参道に 潮見悠
初電話たぶん家族となる人へ 影山らてん
手袋のとなりに並べ菓子可愛 田中木江
冬蜂を掃けば三つに割れにけり 矢野芻狗
牡蠣鍋や一口ごとに目を閉ぢて 山本たくみ
東京をよく知る鴨の残りけり 朝月沙都子
難産の子牛に花柄の毛布 清水縞午
涅槃図の御身おひとりのみ巨大 関津祐花
顔嵌めて焼売になる冬の旅 千葉芒
教頭の手品見てゐる入学児 月石幸
フルートに浮く唇や冬菫 髙田礁湖
以下省略と鮟鱇の口残る 関口杏月
鴨十羽ほどや群れとも言ひづらく 野住朋可
頼もしき親指の爪蜜柑むく 井上真弓
のどかさや大地に遠く広辞苑 川田果樹


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