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田中裕明賞の受賞記念句会における津川絵理子さんの句まとめ

田中裕明賞の受賞記念句会は、受賞者、候補者、審査員で行う吟行句会です。その様子が田中裕明賞の冊子の後ろの方に掲載されています。第一線で活躍する俳人たちの本気の吟行句会の様子を見ることができる貴重な機会です。

この吟行句会における津川絵理子さんの句をまとめておきます。(津川さんのファンなので・・・!)

津川さんが吟行句会に参加したのは、田中裕明賞を受賞した第4回、審査員であった第8回、9回、10回です。

この吟行句会は5句出しの5句選。誰かの選に入った句のみ紙面に掲載されます。津川さんの句は毎回よく選ばれて、ほとんど紙面に掲載されています。(ファンとしてはとても助かります。)

第4回 小石川庭園吟行 (2013年 受賞作『はじまりの樹』津川絵理子)
麻服をくしやくしやにして初対面 
田水沸く油のごとき日を浮かべ
腕時計きらりと森の涼しさよ
峰雲や応援ときに嘆きの声 

第8回 小石川庭園吟行 (2017年 受賞作『フラワーズ・カンフー』小津夜景)
萱草や雨の水輪は広がらず
通し鴨次の水まで歩きだす
大鯉に錆ういてくる夏の雨

第9回 神楽坂吟行 (2018年 受賞作『毫』小野あらた)
銭湯の屋根草黒し雲の峰 
夏帽子人のうしろに来て覗く
仕舞屋に残る看板夏燕
坂暑し一人ひとりの独り言 

並びたる琴柱八十夏の蝶 

第10回 深大寺吟行 (2019年 受賞作なし)
水底に深き足跡青芒
武蔵野の高き木つづく蟬時雨
そこここに水輪おどろく半夏生 

先頭ゆく道ほそくなる藪茗荷

*『夜の水平線』に収録





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