天井を見つめるということ

今までの私はやりたいことが常にあって、それに向かって少し考えて、もーいいややっちゃえって突っ走ってきたように感じる。今、ちょっと一回フラットになってみたいと思い、ふと部屋の壁を見つめてみた。今住んでいるところの壁は普通の白い壁よりもちょっとグレーのようなベージュのような微妙な色。ピンクとの相性のいいグレーという感じかも。結構気に入っている。

時間ができたし、やることはあるのに、やる気が起きない、進まない。そんな私は壁を見つめている。そういえば、写真の学校の友達に過去にずっと天井を見つめていたこがいた。自己紹介の時に今までは天井を見つめていて、ある日写真を学びたいと思い入学を決意したとか言っていたような。。そんなことを思い出した。その子は静かな子で、そしていつも穏やかで、話しかけると優しい声で否定することなく応じてくれた。写真はすごく素直で本当にその子の思ったことや感じたことがそのまま感じ取れるような写真。一般的には少しアンダーな写真。天井を見つめて何を考えていたのだろうか。その時の私は「天井を見つめるってなに?」という感じで、深く考えたことはなかった。

そして今、わたしは壁を見つめて、その子のことを思い出して、考えている。最初はこんな形状なんだなーとか、あれ、線が増えた?とかなんか色変わったかな?とか。。そのあとはやたら無になることもできるし、突き抜けたら空まで、はたまた宇宙までも飛べることができる。人は完全に無になることはできるのだろうか。とか。そして頭の中ではどこまででも飛べるのに、実際に目の前にあるのは天井。でもそれを変えられるのは自分しかいない。そしていろんなことを考えるうちに、天井を見ているということが現実だ、ということに気づき、さらにそれは突き抜けることはできないし、第一それって不可能なんじゃないかとか、よくわからない結論に至り、終いには飽きてしまう。その飽きがきた時に、やっと動こうかなーという感じ?でもそれに何年も費やした彼女は私のこの一瞬の想像を遥かに超えているのかもしれない。それは才能だと思う。

あの子は元気にしているのか、ちょっと連絡をとってみようか、と考えながら私もまた、目の前にある壁を見つめた。

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