愛しいというきもち

愛しい存在。
愛しいものや人にあふれている。
好きとはまた何か違う感じ。
それを思うとき、目がじんわりして、鼻の奥がツーンとして、そして胸の中にふわぁ〜と暖かいものが流れ込んできて広がっていく。”愛しい”というきもちはそんなものだ。

先週、育った家を更地にするということで荷物を整理しに帰郷した。
そこには幼い頃の思い出や、私が生まれる前のものまでたくさんの時間が残されていた。
不思議とそれを見るとなんとなくその時の感情って思い出すものだ。
特に印象的だったのは、小さい頃大事にしていた”小さなものたち”だ。
小さくて綺麗だったり、可愛いものがとにかく好きだった。小さくなるまで使った鉛筆、何かのおまけの小さい消しゴム、ビーズ、、小さな缶ケースに入れていたころっとした小石。お寺さんで拾った石だったように思う。小さいころ友達という関係に疲れを感じていた私は割と1人で遊ぶことが多かったように思う。綺麗で変わった形の石を見つけたりすることが好きだった。私はそれを見たとき妙に愛しい気持ちになった。その石に愛しさを感じたのか、その時の幼い頃の私に愛しさを感じたのか、或いは両方だ。
その瞬間に、愛しい感情って小さい頃からずっとあるんだなと感じた。

中学時代初めて一目惚れで、大好きになった男の子。簡単には言い表せないけど、今となっては愛しい存在。愛しいって本当に綺麗な気持ちだと思う。
いつだってあの頃を思い出しては、優しい気持ちになれる。愛しい気持ちって優しい気持ちなのだと思う。
今でも彼とは連絡をとっているが、彼が幸せだったら、笑ってくれていたら、それで私はいいのだ。それが”愛しい存在”だと思っている。

朝の光、コーヒーの匂い、綺麗で可愛いものたち、周りの人たちの笑顔、日々の生活の中でも愛しい気持ちになることは割とある。
愛しいきもちは、優しくてあたたかい。
そのきもちをこれからも大切にしたいと思う今日この頃。

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