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ミ來週報2021

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2021年1月の記事一覧

ミ來週報2021-4

「太宰治は"太宰"って呼ばれるじゃないですか」
「はい」
「夏目漱石は"漱石"ですよね」
「はい」
「なんで"夏目"じゃないんですかね」
「ああ」
「そういうの誰が決めるんでしょうか」
「うーん、それって要するに愛称ですよね」
「はい」
「だから、みんなに好かれている人が、親しみを込めて下の名前で呼ばれるんじゃないですか」
「え」
「太宰治はきっと嫌われてたんですよ」
「つまり、呼び捨てってことで

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ミ來週報2021-3

こんなときでもセンター試験(に代わるもの)が実施されているのをはた目に見ながら、自分の大学受験のことを思い出していた。都内の2つの私立大学と横浜の大学を受験するのにそれぞれホテルに前泊させてもらったのだった。早朝に自宅の最寄駅から電車に乗れば試験時間に間に合わなくもなかったのかもしれないが、そこまでする気力が自分にはなかった。ぼくの受験コンセプトは基本的に「なるようになれ」だったからだ。それなりに

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ミ來週報2021-2

衿沢世衣子「ツヅキくんと犬部のこと」下巻を読み終えた。行き場のなくなった犬などを保護する大学のサークルを舞台とする作品。かわいい犬たちと共に若者の楽しさや苦悩が描かれている。お正月にテレビでやっていた映画「天気の子」を見ていたときにも思ったことだが若者の苦悩とはおおむね誰にも頼れないと信じているところに端を発する。なんで言わないの? なんで聞かないの? なんで頼まないの? と客観的には不思議に見え

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ミ來週報2021-1

一歩も外に出ない元日を始めとして、近所の買い物くらいにしか行かない年明けであった。デリバリーで届いたドミノ・ピザを食べながらビールを飲みつつBリーグの試合を見たのがなんだかそれらしくて(正月らしくはないが)楽しかった。あとは普段の休日とさほど変わりなく、テレビでサッカーを見たりマンガを読んだりして過ごす。

読み返したマンガの1冊が相澤いくえ「モディリアーニにお願い」4巻で、そこで主人公の一人であ

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