ミ來週報2021-3

こんなときでもセンター試験(に代わるもの)が実施されているのをはた目に見ながら、自分の大学受験のことを思い出していた。都内の2つの私立大学と横浜の大学を受験するのにそれぞれホテルに前泊させてもらったのだった。早朝に自宅の最寄駅から電車に乗れば試験時間に間に合わなくもなかったのかもしれないが、そこまでする気力が自分にはなかった。ぼくの受験コンセプトは基本的に「なるようになれ」だったからだ。それなりに勉強はして志望校はあったが最後は受け入れてくれたところに行くのが自然だし運命だと思っていた。だからあまり無理はしなかったし、やる気があったとは言えない。

そのうちのひとつのホテルに泊まったとき、チェックインしてすぐさま勉強するわけもなく、高層の部屋から都心にある土のグラウンドのない小学校などを眺めていると呼び鈴が鳴った。ドアを開けるとボーイさんがスタンドライトを抱えていて「お待たせしました!」と差し出してくる。待ってない。別の部屋の受験生が要望したのかと思い、自分は頼んでいないと伝えても、「あ、でも、どうぞ!」と言われるので、唖然としたまま受け取ることになった。もちろん勉強するための照明である。仕方なく机に設置してみたが、特に勉強する気にもならず、単に「ボーイさんの突然の訪問」として記憶の中に刻まれることになった。結局進学したのは前泊不要だった地元の大学である。

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寒すぎてチョコレートさえインナーを着ていることが食べるとわかる


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