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自分の幸せを知っている

少し前のnoteにも書いたけれど、Amazon Primeで韓国ドラマ、「天気がよければ会いに行きます」を見た。

都会暮らしに疲れて地元に帰ってきた高校の同級生、ヘウォン(パク・ミニョン)と、彼女をさりげなく気遣うウンソプ(ソン・ガンジュン)が、過去のいろいろを乗り越えて新たな関係性を作っていく物語だ。ウンソプはヘウォンの家の近所で本屋を営んでいて、本屋には読書会を目的に、大人だけでなく小学生から高校生まで、とにかくいろんな人が集う。

家事の合間に2周目を視聴していると、ヘウォンとウンソプの同級生であるジャンウ(イ・ジェウク)の言葉に、洗濯物をたたむ手が完全に止まったので、メモとして書き残しておきたい。

ジャンウはソウル大(日本でいう東大)を卒業した後、地元に戻り、市役所に勤務している。ジャンウが高校の時から好きだったウンシルが、別の市の市役所を退職して地元に戻って来たのだが、ウンシルがジャンウになぜ地元に戻って来たのかを問う場面だ。

ウンシル:「ジャンウは、なぜ地元に戻ってきたの?」
ジャンウ:「急だな」
ウンシル:「理解できなくて」
ジャンウ:「故郷が好きだからだ」
ウンシル:「そりゃ 私も好きだけど 普通 ソウル大を出たら大企業に入 
      るでしょ」
ジャンウ:「親に勧められた 地元の市役所はどうかって」
ウンシル:「意外と夢のスケールが・・・」
ジャンウ:「小さいだろ」
ウンシル:「うん」
ジャンウ:「でも それが俺にとって確実な幸せだ」
ウンシル:「確実な幸せ?」
ジャンウ:「うん」
ウンシル:「つまり あんたは この世に生まれて 親の監督の下 食べて
      寝て勉強して 小中高 学年1位で ソウル大にまで入ったの
      に 広い世界に出ず 故郷に戻って 親の勧めで公務員試験を
      受けて あの窮屈な市役所の中で9時から6時まで働く人生が
      ・・・」
ジャンウ:「ウンシル 窮屈でつまらないと思うのもわかる でも俺は そ
      ういう日常を幸せと呼んでいる」
ウンシル:「え?」
ジャンウ:「ソウル大を出て 宇宙飛行士を目指す人もいる でも俺は ソ
      ウル大を出て 平凡な日常を積み重ね コツコツ毎日を生きる 
      それが夢だ 誠実に平凡に生きるのが自分の幸せだとわかって
      る


きっと、誠実に平凡に生きている人はたくさんいる。でも、誠実に平凡に生きる人の人生は、ニュースにはならないし、ドラマにもなりづらい。このドラマだって、ジャンウは主役ではない。すっごい何かをした人が情熱大陸に出たり、新聞やテレビのニュースになったりする。そうやって何者かになった人の人生や情報を無意識に取り込み、励まされればいいけれど、方向を間違えれば、自分と比べたり、何者かにならないといけないような気さえしてくる。

会話の続きでウンシルが話しているように、自分の幸せを知ってるヤツはそういない。みんな幸せをずっと探してるし、誰かと比べ、なんなら死ぬまで幸せを探して彷徨っている。

ウンソプが営む書房は、グッドナイト書房という。よく食べて、よく眠る以外に何が大事なの?よく食べて、よく眠ることがとても難しいから、店名をグッドナイト書房にしたらしい。

自分の夢や幸せを見つけて、よく食べ、よく眠る。確かに、それ以外に、それ以上に大事なことはない。


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