プロセスエコノミーを読んでみた
最近、本を読むきっかけになった情報源を忘れてしまうことが多い。この本もそのうちの1つ・・・。
ビジネス書は、ここ最近とんと読まなくなったのだけれど、久々に読んでみたので、感想を書き残しておこうと思う。
プロセスエコノミーとは
商品だけでなく、情報やコンテンツが爆発的に増えた結果、「〇〇を作りました」とアウトプットをアピールしただけでは、埋もれてしまう。そうした中で、プロセス自体を売っていこう!というのが「プロセスエコノミー」です。(クラウドファンディングも似たような側面がある)
たくさんの事例が、プロセスエコノミー的な視点で語られています。
・プロセスを共有し、はじめは少数でも熱いファンをつくって、コミュニティに育てていくことで、どんどん熱量が上がり、新しい人をひきつけることができる。
・BTSやジャニーズはファンと一緒にアーティストを応援する文化をつくり、コミュニティを育てることで、今のような地位を築いた。
・「役に立つ」から「意味がある」社会へ。例えば役に立つ商品のはさみはコンビニで1種類しか置かれていない一方、たばこは200種類以上置かれている。消費者にとっては、何を吸うかに「意味がある」。「意味がある」を目指す場合、そのプロセスを消費者と共有し、「意味」を伝えていくこと(プロセスエコノミー)が重要になる。
・オバマ元大統領は、SelfUsNow理論で人を巻き込んでいった。
Self→自分がここにいる理由
Us→自分たちがここにいる理由
Now→今行動を起こすべき理由
Self→Us→Nowの順に語りかけることで、応援者を増やしていった。
こうしたプロセスエコノミーを進めていくために大事になってくるのが、なぜやるのかという「Why」。「What」や「How」などの何をやるか、どうやるかは簡単にマネされてしまうが、なぜやるかは、極めて個人的で、その人の生き方によるもの。
一方で、プロセスエコノミーの弊害として、プロセスを共有することに注力するあまり、「主体」と「観客」がひっくり返ってしまうことがある。つまり、観客(ファン)を喜ばせようとするあまり、プロセス自体が主体の「Why」からかけ離れてしまう。だからこそ、常に「Why」に立ち返ることの大切さが書かれています。
1つだけ、腑に落ちなかったことが・・・
本全体として、なるほどと思ったのだけれど、1つだけ腑に落ちないことがありました。
それは、AIの進化によって、いろんなものが無料に近づくという言及です。
例えば、太陽光発電のコストがどんどん下がってきていて、2050年には、今の10分の1になる可能性がある→植物工場で太陽光の代わりとして使われるLED電球の電気代が大幅に下がり、野菜の価格が信じられないくらい安くなる
生活必需品はタダで配れる時代がやってくるのです。
と書かれていたけれど、いまいちピンとこなかった。
太陽発電の普及によって価格が下がるところまでは理解できるけれど、そのパネルはいずれゴミになるし、パネルをつくるコスト(原材料)はどんどん上がるんじゃないかと思ってしまうのです。大量生産、大量廃棄の思想が垣間見える・・・。もう少していねいに、生活必需品がなぜタダに近づいていくのかを説明してほしかったです!
この辺りが気になったので、Kindleで勝ったまま眠っていた限界費用ゼロ社会を再び読み始めることにしました。(5%しか読んでなかった・・・)本を読んで、生活必需品がタダに近づいていく理由がクリアになってきたら、また書きたいと思います。
\読んでくれてありがとうございます!/ 頂いたサポートは地域の中で使い、ご縁をぐるぐる回していきたいと思います。