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ズボンに穴が空いた。

ミニマリストといえば聞こえがいいけれども、ぼくは極端に服が少ない。
ぼくはファッションというやつが一番わからなくて、自分にどんな色が似合うのか、どんな服がいいのかまったくわからないのである。それで昔から服屋へいくのが嫌でしょうがなかった。
 
服屋は緊張する。入店した瞬間冷や汗がじとっと出る感じがたまらなく嫌いだ。それでもなぜ服屋へ行くのかといえば着るものがなくなったからである。服屋へ行くとたくさん並んだ服に圧倒されてしまう。頭がぼうっとしてきてもうなにも考えられない。そこへ店員がやってきてセールストークが始まると店をそそくさと逃げ出すか、欲しくもないものを買わされてしまう羽目になる。
 
今でこそネット通販が発達して直接店舗へ行かなくてもよくなったが、これだけインターネットが普及する前は否が応でも行かざるを得なかった。ぼくにとって洋服を買うことは苦行そのものだったのだ。
 
たとえ通販で服を買うようになったといっても依然ぼくは服を買うのが好きではない。だから手持ちの数枚をヘビーローテーションして穴が空いたり切れたり、つまりボロボロになるまで着てこれ以上選択肢がないという段にならないと買わないのである。
 
そしてついにズボンに穴があいた。たぶん10年前に買ったズボンである。だけど10年履いたわけじゃなくて、夏用だったから着用期間は年に4ヶ月くらいじゃなかろうか。つまり3年ちょっとというわけだ。夏用ということで生地が薄く、自転車によく乗るのでケツのところが薄くなってついに穴が空いたのだ。
 
ぼくは同じズボンを色違いでもう一本持っていて、これも遠からず穴があくのだろう。こちらもケツのところがかなり薄くなっている。すると2本ものズボンを失うことになってミニマリストのぼくとしては相当な痛手だ。また洋服屋のサイトをみるのだなあ、いやだなあ。めんどうくさいなあ。
 
こんなぼくの気持ち、服好きにはまるでわからないであろう。

チムは7歳にしてボタンの縫い付けができる。

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