受け継いだ鎧兜
今どき端午の節句に鎧兜を飾る家はどのくらいあるのだろうか。
仕舞ったきりになっているひともあろうし、そもそも持っていないひとも多いだろう。
ぼくだってもしなかったら買うことなんて絶対になかったと思う。
我が家には受け継いだ鎧兜がある。
受け継いだといってもぼくが子どもの頃にじいさんが買ったもので、全身甲冑のなかなかに大きなものである。それから40年以上が経過して、ぼくの息子に受け継いだのである。
鎧兜は40年以上前のものとは思えない美しさを保っている。年に一回、それも数日しか出さないからということもあるが、箱のなかで色褪せることがないからもとの出来がよいのだろう。実に見事な鎧兜である。
ぼくが子供の頃、刀を引き抜いて振り回して怒られたものだったが、やはり息子も刀を抜いてぼくに怒られるのであった。その気持ちは痛いほどわかるんだけどね、飾りだから当たったら折れちゃうんだ。刀を見れば抜刀したくなるのは男の本能だろうか。だからぼくの秘蔵のライトセーバーも見せることができない。
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