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読書と映画の感想文

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読んだ本の感想です。
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記事一覧

新規事業家必読の書。よろずや平四郎活人剣 藤沢周平著

神奈平四郎は武家の出だが妾腹の子で冷や飯食いである。家に居場所がないので浪人となって知人…

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斜め上をいったスターウォーズ:アコライト

アコライトを観た。 ぼくのようなスターウォーズおたくが求めるスターウォーズ像から180度外れ…

ちいさな島
2か月前
8

「武蔵野」 国木田独歩

武蔵野の地に住むものとして、国木田独歩の武蔵野を読まずにはいられない。 武蔵野は武蔵野丘…

ちいさな島
3か月前
10

ぼくは本を壁に投げつけた。"NEVER LET ME GO"

もともと映画を見たのが先である。Youtubeで予告編を観て不思議な雰囲気のSF作品という印象を…

ちいさな島
6か月前
8

勘違い甚だしいのが腹ただしい「それから」

「それから」はこれも二十年以上前に読んではみたものの暗くて途中で投げ出したままにしていた…

ちいさな島
6か月前
5

胸糞悪い小説「坊っちゃん」

立て続けに日本の古典ばかり読んでいる。この本も20年くらい前に読んだはずだが中身をまるで覚…

ちいさな島
6か月前
15

最後まで読みましたか?「雪国」

雪国を最初に読んだのは2000年始めのことだからもう20年も昔のことである。そして内容はまるで覚えていなかったから再読だけど初めてみたいなもんだ。   暖かい日に冬の本を読むのも悪くない。だけど別に涼しくなったりもしない。雪国が舞台だが春もあれば夏も秋もある。割合としては冬7割、その他3割といったところか。あとがきで本作はなんども継ぎ足し継ぎ足しで書いたのでまとまりに欠けるとあってなるほどそういうことかと納得する。 主人公の島村は親の遺産で食っていて、やはり小説の主人公とい

めったにない凄い小説「荒涼館」

チャールズ・ディケンズの小説はどれもデイヴィッド・コッパーフィールド的と言えるようなもの…

ちいさな島
6か月前
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欲望の果てに得るものなし「遺産相続ゲーム」

ミヒャエル・エンデの戯曲である。 劇の評価は散々だったらしい。エンデと言えば「ネバーエン…

ちいさな島
6か月前
4

あなたは本当の余暇を知っているか?「アダム・ビード」

上下二段組。本の厚みは三センチある。細かい文字がびっちりとページを埋め尽くす。ぼくはこう…

ちいさな島
6か月前
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何度も読むよ。「夢の木坂分岐点」

著者の筒井康隆はぼくの好きな作家の筆頭である。中学生の頃作品に出会って図書館で貪るように…

ちいさな島
6か月前
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どこまでも透明な「銀河鉄道の夜」

何度も読み返したい本というのがある。そして小説の場合は短編であることが多い。なぜ長編を何…

ちいさな島
6か月前
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Do not go gentle into that good night

Do not go gentle into that good night. Old age should burn and rave at close of day; Rag…

ちいさな島
6か月前
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皮肉たっぷりで本音が出たMATRIX 4

MATRIX 4をアマプラでまた観てしまった。それで上映時に映画館で観たときの記憶が蘇った。 まず最初に言っておかなければいけないのは、MATRIX 4は面白い映画だったということ。その上で。 およそ二十年ぶりに続編が作られたMATRIX 4であるが、なぜ今またMATRIXなのかという疑問を映画の中で答えている。それが痛烈なハリウッド批判になっていて、皮肉たっぷりで、そこを表現するためにメタフィクションを取り入れたという寸法である。 結果的に作りたくて作った映画という感