見出し画像

あの時の未来に


このところずっと家を片付けている。


物が多いのと、体調をみながらなので
日数が経ったわりにあんまり進んではいない。


出来ること少しずつでもやるようにしている。


前の家を出た時に面倒でそのまま運んで
ずっと手をつけることなかった箱の中から
大学時代の課題が数枚出てきた。


そこには自分に関する質問がいくつもあり
将来の自分についても書いてあった。


我ながら驚くほどに変わらないなと。


夢も希望もない現実的で
あきらめとほんの少しの望み。


そしてほとんど書いたままのその年齢を通りすぎ、
その先の年齢も書いたままに向かおうとしている。


書いたことも書いた内容も忘れていたのに。


そして思い出す。


大学を卒業するころ小学校の同窓会があり
そこで卒業文集の将来の夢を皆で見返した。


そこにもやっぱり夢でもなんでもないことを書き
そしてまさに卒業後そうなる予定であった。


現実を直視し言ったことを確実に叶えている。


そういえば聞こえはいいが
内容が夢や希望もないものなので
手放しで良いこととはいえない。


悲観的でもないが望むことも少ない。
よく自分を知っている。


そうしようとして生きているわけではない。


けど、記憶になどなくても
自分ならそうするだろうと
その時その時にただ予測しているだけなのだ。

そしてほとんど誤差なくそこにいる。


他者評価と自己評価に隔たりを感じ
夢や希望を抱きたいと思いながら
どこまでも現実を見続ける。


ずっとそうだった。


ひとはそう簡単に変わらないし変われない。



そんなことを考えながら
その紙束をシュレッダーにかけた。




















サポートしていただけたら生きる支えになります。