なぜ「ゲッターロボサーガ」はここまで心を唸らせるのか?~アツいロボットアニメは広すぎるマルチバースのほんの断片だった~


最近、ゲッターロボが妙に話題になってますね。
3機の戦闘機が無茶苦茶に空中で合体して手足が生えてロボになるアレです。


実写化が発表されたり、
なんかmadが変なバズり方してたり

歴史を超えて語り継がれるゲッターロボの何がすごいのか、改めて振り返ってみたらやっぱり石川賢先生は偉大だなと感じたのでこの記事を書いて見ました。

ゲッターロボについて


ゲッターロボ系の作品で「スーパーロボット大戦」シリーズに参戦していたり、カッコいいオープニングを聴いたりで目にすることの多い作品は、
恐らく東映アニメ版「ゲッターロボ」かovaの「真(チェンジ)ゲッターロボ」か「新ゲッターロボ」「真ゲッターロボvsネオゲッターロボ」だと思います。

実は最初に映像化された東映のアニメ版含めて、石川賢先生の描いた漫画版、いわゆる「ゲッターロボ・サーガ」シリーズとは関係がなく、
特に後者のovaは、それぞれ世界観が独立しており作品間の接点は一切ないくせにオマージュやキャラ設定などで原作やアニメ版の知識を要求してくる癖もの。

大事なことを書き忘れていましたが、

全ての作品を通して物語上の接点はほぼ無いものの、それぞれの作品で描かれる世界はほぼ同時に進行しており、
それらが集まり大きな一つの世界を構成している「マルチバース」ものです。

人に分かりやすく説明したい時は、よくスパイダーマンに例えます。

・原作漫画版を根底に

・その設定や世界観を元に東映版があって、

・それとは別の世界線だけどキャラ名や設定が一部共通してる映画版が展開している‥

・それぞれの並行世界のスパイダーマン(ゲッターロボ)は基本的にお互い交わる事はないが、
ドクター・ストレンジのようにその世界の構造を理解している、(統一している)超越した存在も居る

この説明で腑に落ちる人が多いと思います(多分日本でもゲッターロボよりスパイダーマンの方が1145141919倍有名なので)


もともとこの年代の漫画家はマルチバースが好きなのか、手塚治虫先生のスターシステム(作品間に隔たりが少なく、顔と名前が同じキャラが存在する)があったり、

そもそも石川賢先生の師である永井豪先生がもともと似たようなマルチバース構造の世界観を持っているのですが、

石川賢先生の場合はたった一人の漫画家の手に持つはあまりにもデカすぎるマルチバースと、その"終着点"を持っているのが凄く好きなんですよね。

よって、どれから見ればええの問題ですが、興味を持ったものから見て、最後は原作を読んで世界観の全貌を垣間見る、で全然いいと思います。

本題 断片とその終着点

めちゃくちゃ端折って説明すると、(マニアの人が見てたらごめんなさい)

先程作品名を羅列したいわゆる「ゲッターロボ」系のアツいロボットアニメ群はそれぞれ大きなマルチバースの"断片"に過ぎず、


ゲッターロボがゲッター線(※1)によって自己進化と周囲の生物や機械との融合、淘汰を繰り返した先の
未来の宇宙の果てには、
"ゲッターエンペラー"という惑星ほどの大きさのクソデカゲッターロボが存在しています。

(※1 ゲッター線:ゲッターロボの駆動力に使われるエコで便利なエネルギーかと思っていたら~ 人類以外の生物には猛毒で人類と機械の進化を促す"大いなる意志"でした~ チクショーー!)

これは原作漫画版「ゲッターロボ・サーガ」の設定ですが、多くのovaでもその存在を示唆されており、
恐らく全ての作品が進化の果てに大体未来の世界では"ゲッターエンペラー"の元に辿り着いてしまいます。


ゲッターエンペラーはこれが傍迷惑なやつで、合体するだけでビッグバンを起こすとんでもないスケールのロボットなもんだから、

漫画やovaなどの作品中で時空を超えて未来にぶっ飛んでそれを目にした奴は
・全てを悟って達観してみたり、
・過去の時代に戻ってゲッターエンペラーの"もと"であるゲッターロボを討たねば!と使命感に燃えてみたり、
・あえてゲッター線の意思に逆らってエンペラー率いる巨大ゲッター軍団と戦ってみたり、
とその末路は十人十色。

いずれにしてもクッソ迷惑なロボットで、なんでこんなクソ迷惑なのがいるの?って疑問に思った人もいるでしょう。

理由は単純で、
エンペラーは確かにデカくて強いんですが、"あくまで"惑星レベルのスケールのデカさと強さです。・・・・????

他作品の、銀河スケールでデカくて強いやつを倒すために(しばしば起こすビッグバンで他の惑星に迷惑をかけながら)自己進化をしている最中なのでした。

すごい……

そうだったのか……


ゲッターロボという作品は圧倒的な戦力を誇る恐竜やら鬼やらインベーダーと戦う男気、友情、自己犠牲が揃ったアツいロボットアニメなのですが、クソデカすぎるマルチバースの中ではほんのちっぽけな戦い(=ゲッター線の意思による他の生物の淘汰タイム)なのです。

もうそこがめちゃくちゃ好きなんですよね‥‥

アツいロボットアニメとして楽しむもよし、そのマルチバースのスケールに圧倒されるもよしなゲッターロボ、ゴールデンウィークのお供はこれで決まりですね。

・・・・
・・・・・・・・・??










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