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宇宙人に。。。

昔話だが、小学校の頃よく嘘をついた。

「私、宇宙人に連れ去られたの。」

嘘というか、本人は嘘をついているつもりはなく
なんとかその場を取り繕うために幼い頭で考えた事なんだと思うよ。
それが、結果的に嘘というか作り話というか、願望だったのかもしれない。

何があったのかというと、記憶が鮮明な部分と曖昧な部分があるが
私の年齢の小学校の体操服はブルマだった。
ブルマって何?って思った方はどうぞ検索してください。
足がニョッキリでているやつです。体育の時間は足がニョッキリなんです。
右足の太もも内側に直径5ミリほどの薄茶色のほくろのようなアザのような
ものがあった。今もある。
これがニョッキリと出た日に焼けてない白い足に
ぽつんと付いてるので目立つ。

「これ、なに?どうしたの?」

小学生くらいってさ、相手の気持を慮るなんてことないから
直球で聞いてくる。受ける方も直球で受けるから傷つくわけ。
ほくろかな?とか、なんだろうね?とか答えてたら
「怪我したの?」とか「痛いの?」とか、その部分に触れてほしくないのに
深堀りされていくわけ。
で、不意にこう答えた。

「宇宙人に連れ去られて、マイクロチップを埋められたの。
 地球のことを調べて、宇宙に送ってるの~」

「え~~~すごいね~」

「うそだよ~~ん」

「な~~んだ~。あははは」

と、冗談話になって私の太もものマイクロチップは
宇宙人絡みなんて当然信用されないので
その話題は消えてなくなる。

ここどうしたの?って聞かれるたびに
こんな感じで冗談話に変わるからだんだん話が膨らんでくる。
宇宙船も出てきちゃったり、面白おかしく適当に尾ひれがつく。
家族もみんなとか言っちゃったりした気もする。

そうこうしておとなになっていくわけだが20歳を過ぎた頃、
左足の太ももの外側にも同じような跡があることに気づいた。
もしかしたら、成人した私はまた宇宙人に連れ去られて
マイクロチップ埋められたのかもって
本気で思ったりしたこともある。。。

そして、もっと大人になった今思うのは
宇宙人に連れ去られたのではなく、
私自身が宇宙人かもしれないと言う事。
宇宙人って言うのはちょっと違うな~
宇宙からきたって感じか。。。
そもそも、地球も人間も皆宇宙の一部なんだけどね~
大きな大きな宇宙の星の残骸から構成されてるわけだし。
あ~~そういえば
宇宙に帰りた~~いとか言ってたけど
あながち嘘でもなかったのかもね。

私のマイクロチップはまだ両ももにある。
消える日は来るのだろうか~
顔のシミは増える一方だが。。。
まだこの地球でやり残したことがあるのでしょうが
使命感とか全く無いよ。宇宙人でもなんでもいいよ。
ただただ波風立てずに平穏に過ごしたいだけ。


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