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9拍子 Time For A Changeを吹き振りした🎺

先日ライブでHank Levy作編曲の『Time For A Change』を演奏しました。
とてもお気に入りなのでぜひ聴いてほしいです。

TIME FOR A CHANGE タイム・フォー・ア・チェンジ
作曲:Composed by HANK LEVY ハンク・レヴィー
編曲:Arranged by HANK LEVY ハンク・レヴィー
Stan Kenton Orchestra スタン・ケントン
9拍子の変拍子(混合拍子)ナンバー

吹き振りしたのはTime For A Changeの冒頭の変拍子コラール。実はこの部分がずっと謎でした。
5番トランペットがフリューゲルホルンに持ち替えてテーマを吹けるので、ずっと好きで何度かこの曲を演奏してきたのですが。

冒頭のドラムレスでのコラール、響きを味わってるとテンポがなくなるな〜と。
音を伸ばしてる時も4分音符で数えてるんだけどな〜?🤔なぜ?
in tempoで進行できるように一時期めちゃくちゃ練習したんだけどな〜?🤔なぜ?
緊張や諸々のコンディションでもないな〜?🤔なぜ?

解決策も毎度試していて、
Conductorを見て吹くほうが100倍楽なはずなのに、なんかしっくりこない…🤷🏻信頼のConductorなのに…なぜ?🤷🏻
Drumにずっとカウント出してもらうのも、なんだかしっくりこない…🤷🏻信頼のDrummerなのに…なぜ??🤷🏻と思ってました。

今回、ライブ前日にひらめいたのです⚡

これ弾き振りならぬ『吹き振り』では!?

(ドラマののだめを学生時代にリアルタイムで観てたので、弾き振り=のだめの千秋先輩のあれ!というイメージです。)

beatを出してもらうのではなく、私が出す側かー!!!
私が演奏者 兼 Conductorか!!
4分音符で数えるのではなく、8分音符で数えるのだと⚡
気づいてスッキリしたし、当日の演奏も楽しかった〜!🙌🏻 ご来場いただいたお客様からも好評で嬉しかったです☺️

そしてバンドメンバーの対応力!!当日にサラッと話して伝わるし、瞬時に合わせられるのすごすぎる…!🙌🏻 ありがとうございます🫶🏻


テーマを吹く、ソロを吹くの主張の仕方は分かるのですが、まさかコンダクトでも主張するパートだとは気づいてなかったです(笑)

しかも前に出ないで一番後ろの端っこからConductorをするなら、Legatoで滑らかに吹くのではなく、思ってるより3倍ぐらい明確にbeatも出していいんだ!と気づきました。

YouTubeを探し回ってもこの冒頭部分の解決策はわからず。2本共Flugelhornにして完全分業にすることでテンポがゆったりしても成立させるか、Conductorが頑張ってるか…。とはいえ、どの方法も力みはあるし、原曲もゆらぎはあるのでそういうものかな?🤔と思ってました。

楽譜販売元

解説の前に・・・楽譜の購入はこちらから。プレビューでスコアも確認できます。

https://www.sierramusicmp3.com/mp3/previewscores/SMP618.pdf

(解説1)曲を知る

冒頭部分の曲の構成

冒頭のドラムレスでのコラールは11小節あり、4小節、4小節、3小節ごとに主題と変奏が展開していきます。フーガト短調ほど主題を繰り返し続けず、サラッと変奏に移り変わるのですが。

冒頭の構成。フリューゲルホルン2本、トロンボーン5本、ベースで進行します。

(補足)主題

主題といえば、音楽の授業でお馴染み「フーガト短調」

(補足)変奏

変奏についてはこちらの記事が分かりやすかったです。変奏のパターンも載っていてなるほどでした。


話を戻して・・・

主題①

1回の主題の4小節は、フリューゲルホルンが主題を提示して、トロンボーン隊とベースが白玉音符で棚引いています。ベースは少し動くのですがまだ控えめです。次の小節に進める主導権は3小節目まで常にフリューゲルホルンにあります。

主題②〜変奏①

2回目の主題〜変奏の4小節は、トロンボーン隊とベースが動き始めて9拍子が見えてきます。

変奏②

ドラムレス最後の3小節間は変奏になります。3拍子を6/8拍子で取ると提示されて、躍動感が生まれる。ここで生まれた躍動感(グルーヴ)をリズム隊に受け渡します。

冒頭部分はこのような構成になっています。

余談:どこかで聞いたことのあるメロディー

…カントリーロードみたいな曲と言われるけど、実は1回も『耳をすませば』を観たことがない人です。初期ジブリはあんまり観れてないんですよね。トトロと魔女宅ともののけ〜アリエッティまでは観てます。

Time for a changeの動画に書かれてるコメントを読むと、アメリカでも「学生時代に演奏したよ〜いい曲だよね…」と懐かしむ声が多いので、このメロディーは広く親しまれてるものかもしれないですね。
(同じぐらいの割合で「9拍子は難しいよ🤷🏻」というコメントも目にします🤭混合拍子に戸惑う感は世界共通なのが面白かったです。)

解説に話を戻します。

(解説2)9拍子を作る

冒頭の演奏で難しい点として、8拍目・9拍目でしっくりこないことが多かったのですが。『吹き振り』と解釈すると何を忘れてたか、がわかりました。

① 始点に戻る推進力

1小節に4分音符が9つ入っているので長く感じるし、9"拍子"であることを忘れてたのですが、2+2+3+2が淡々と進むのではなく"拍子"なので連続する。9拍目から1拍目に向かう推進力が必要だと思い出す。
(指揮を振る時の始点に戻る推進力と同じニュアンスです。)

② 裏拍に強拍があるなら8分音符で数える

9/4拍子なので4分音符で2232で数えると思っていました。楽譜にもそう書いてあるし。
しかし変奏②の部分で3拍子を6/8拍子で捉えるなら、裏拍に強拍がつく。
裏拍に強拍があるなら8分音符で数えようと思い出す。
つまり実際はもっと細かく8分音符で443322で刻むのだと気づきました。

このちょっとした気づきで、曲が冒頭から安定してグルーヴし始めたのが、嬉しい驚きでした。今まで力いっぱい引っ張ってもしっくりこなかったけど、ビートを出してグルーヴを1回作ったら、あとは力まなくても自然と音楽が前に進み出すのが本当に嬉しかった。

(解説3)吹き振りの準備

ライブ前日、スタジオに行く前にこのことに気づき。
「つまり8分音符でbeatを刻みながら吹けたらいいのでは!」と8分音符で刻むCongaを追加したdemoを作りました。

demoを聞きながらスタジオに向かい、10分ぐらい数え方を身体に馴染ませて、1〜2回吹いて終わり。
当日、トランペット4番の人にその話をして、リハで1回全体でサラッと確認して本番。

これでライブ本番は良い感じになりました🙌🏻

…と書いたけど!
本当にバンドメンバーの対応力!!!!
当日にサラッと話して伝わるし、トロンボーン隊やベースの人には話してないのに瞬時に合わせられるのすごすぎる…!🙌🏻
ちなみにトランペット4番の人に話してる時に隣で聞いていたバリトンサックスの人は、私たちが冒頭を吹いている時に指で数えて確認してました笑

いつもどこかしらでグルーヴ感で力む瞬間はあったのですが、今回はグルーヴ感では全然力まずに吹けたのでとても嬉しかったです☺️☺️

演奏する時の参考になったら幸いです🙌🏻
知った上でもう一度見てみると面白いよ💁🏻


余談

実はトランペットを吹くよりも前に始めてたことが『指揮』で、初めて指揮したのが10歳ぐらいでした。スコアの読み方・長短増減の概念・リハーサルでグルーヴ感を強めに出して伝えていくスタイルは高校時代に教えてもらってたことで。MuseScoreや文明の利器を活用するきっかけは今のConcertMasterを見て真似したことで。そんな伏線回収あるんだと思って面白かったです😂


有料部分にはcongaを追加した練習用のdemo音源を置いています🙋🏻よかったらどうぞ〜

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