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リハ前のチューニングルーティン

気楽なチューニングのルーティンをシェアします。
(筆者はB♭のトランペット吹きのため、出てくる楽譜はin B♭です。)

昔からチューナーでメーターを見ながら音程を合わせるのがしんどいと思っていて、当時の吹奏楽の1セント単位のチューニングだけは肌に合わないぐらい嫌いでした。演奏する音楽のジャンルは変わっても、自分がメロディーを吹く時に音程が外れると気になってしょうがない。(他の人のは気にしないようにしてる)
ここ数年やっているチューニングルーティンがその悩みを解決できるし、ストレスも無いのでおすすめです。



リハーサル前のチューニングルーティン

そもそも普段はサイレントミュートをつけて軽くさらっています。
オープン(ミュートを外した状態)で吹き方や音程を調整するためにリハーサルの前日ぐらいにスタジオに1時間ぐらい入って調整をしています。

やり方はシンプルで、アコースティックピアノの音を聞いて整えていきます。所要時間は大体15分ぐらいかなー。

チューニングは1セント単位で厳密に合わせるってよりは、音の幅を思い出すニュアンスです。

(1)ピアノの様子を確認する。

シンプルに生のピアノの音が好きなので、ピアノを弾いて音を聴きます。弾くと言っても和音をジャーンと鳴らすぐらいでピアノで演奏はできません。
らっぱは単音楽器なので和音が鳴る楽器はそれはそれで楽しい。
ピアノに合わせてチューニングを進めていくので、調律が変なところがないかだけ確認してます。とはいえ調律師のようにシビアな感覚ではなく、音を聴いて違和感がないかだけ気にしてます。
電子ピアノでやってた時期もありますが、なんとなくアコースティックピアノの音の方が好きなので、スタジオにあるアップライトピアノをレンタルしてます。

(2)チューニングスライドを抜いて大体いつもの位置にセットする

(3)自分で音を出してから、ピアノでも同じ音を出す

先にピアノの音を出してから吹くと、ピアノの音に合わせに行ってしまうので、自分が吹いてから片手でピアノを弾いてずれを確認します。

(4)12スケールで音の幅を思い出す

チューニングができたら、12スケールで音の幅と自分の感覚を調整していきます。

ドの音をピアノで鳴らしながら、このスケールを吹く。これを12スケール全部やる。

ここまでで音と耳と自分の感覚のチューニングは終わりです。

Q.チューナーを使わなくていいの?耳が良いだけでは?

もちろん自分が正しいでも、機械が正しいでもないと思っています。
チューナーとにらめっこして"正しい"を判断するより、どれぐらいずれているか"感覚を可視化する"ために軽く利用するのがちょうど良いなーと。
あと一時期チューナーや音源に合わせて音程を突き詰めたこともありましたが、3ヶ月ぐらい根詰めて張り切って練習した割に、あんまり上手くいかなかったし、めちゃくちゃ凹んだので、気にしすぎないようにしてます。
耳は精度が良い相対音感という認識です。


チューニングが合わないからずれるではなく、跳躍の幅がずれるとずれていく

新しい曲をさらうとき、特にメロディー(テーマ、主旋律)を担当する時はピアノで音の幅を確認しています。普段使わない跳躍が出てくる時は特に気をつけてます。

例えばこれぐらいの跳躍

譜面の音を全て確認するではなく、ざっくり4度、5度、6度の跳躍と臨時記号が出てきたら、ピアノで確認します。
譜読みの時点でアプリのピアノで確認するし、スタジオでアコースティックピアノでも確認してます。

メロディーを吹いていて音程が外れてしまうタイミングはたまにあるのですが、これ、吹いている時に楽器のチューニングがずれるというよりは、実際の譜面に書かれている音の幅と自分の感覚の音の幅がずれているので、徐々にずれていってます。
なので、チューナーと睨めっこしなくても実際の音の幅を確認するだけで解決することが多いです。(そもそも演奏中にメーターに反応できるほどの動体視力は無い🤷🏻)

音の幅のイメージは鍵盤で確認するとわかりやすい
これはB♭管の楽器の場合
E♭管の楽器の場合、実際の音をピアノで確認するとこんな感じ

例えばフレーズの中でレ〜シ(絶対値としてのレとシ)の跳躍がある時。
レ〜シは長6度ですが、レ#〜シになると短6度になります。
レ〜シと同じ感覚(音の幅)でレ#〜シを吹くとシが上ずります。
そのため「レ#〜シに跳躍する時は気持ち低めに吹く、レ〜シの跳躍と同じ幅ではない」と知っておくだけでずれずに演奏できます。
あと跳躍のイメージは、上下にぴょんぴょんするというより、鍵盤のような左右の移動と考えると気が楽になります。

「長とか短とかやめてくれ」と思ったそこのあなた。再現性のためにきちんと説明しましたが、実際はそこまで難しく考えなくていいのです。
2度、3度の音の動きはよく出てくるので慣れてるけど、跳躍や臨時記号はあまり出てこないから音程が迷子になりやすいポイントってだけです。
大体、
・跳躍後の高音で上がりきらないか
・跳躍後の低音で思ったより下がりきらないか
どちらかです。
あとは元々上ずりやすいから低めにとるか。らっぱの2番ピストンの音程がシビアな曲はあらかじめほんの少しスライドを抜いてます。

普段やらないことが出てきたら機械で軽く確認する。それだけでいいのです。


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