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美術の記録:フランツ・マルク美術館の特別展『自然のリズム』(2022年10月16日〜2023年3月12日)

ちょっと前、11月中旬ですが、ミュンヘンの南約70kmのコッヘル・アム・ゼーにあるフランツ・マルク美術館に行きました。特別展『自然のリズム』を見るためです。

特別展のパンフレット。


この美術館は2008年に拡張工事が完成しました。

フランツ・マルク(1880〜1916)はドイツ表現主義、青騎士の仲間です。
動物への愛が深く、青い馬の絵は有名です。
ナチスからは『退廃芸術』の烙印を押されました。

創作に携わったのは約10年間。
第一次大戦のヴェルダンの戦いで落命しました。36歳でした。

マルクは子供の時に訪れたコッヘル・アム・ゼーが気に入っており、マリアと再婚した後、ここに住みました。

コッヘル湖と美術館の間にある駐車場に車を停めました。

美術館を目指して坂を上っていくと、落ち葉を掃除していました。

右側に見えるのが美術館の建物です。

美術館横から。山とコッヘル湖が見えます。
バルコニーのカフェはこの日は閉まっていました。

美術館の入り口は右です。


フランツの2番目の妻マリアも画家でした。
マリアがフランツに与えた影響はとても大きいと言われています。
マリアは日本の版画を大変気に入っており、フランツに日本の版画集を送りました。
マリアはその手紙の中でこう書いています:「日本人って、なんて繊細な素晴らしい人たちなんでしょう!」
それに対して、フランツは「北斎は神だ!」と答えています。



この絵は私のお気に入りです。『少女と猫II』(1912年)。
少女と言っても、モデルは妻のマリアでしょう。
この絵は聖母子像に見えます。
妻の名前もマリア。
彼女の上着も聖母マリアを象徴する青。そしてマルクが好んだ色です。

なんと穏やかな時間を湛えた絵でしょう!
全体が曲線のみで構成されており直線がないことが、そのような印象を与える理由かもしれません。


美術館を後にして、左側の建物が気になったので行ってみたところ、老人ホームでした。


FOTO:©️Kishi

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