(ドイツでの)買物の話:エルメス
今日はエルメスでの買物の話です。
先日、日本から来た友人のお付き合いでエルメス・ブティックに行きました。
元々の目的はスカーフでした。
まず、用向きを告げ、相手をしてくれるお店の人を待つことになりました。
エルメス来店には予約をするのがベターなのですが、コロナで観光客の買い物客も多くないだろうと予約なしで行きました。
店内のバッグが収められたケースには『バーキン』や『ケリー』、『コンスタンス』などが並んでいましたが、これらには、小さく「展示のみ」という表示がありました。
ところが、『ボリード』には「展示のみ」という表示がなかったので、ほどなく現れた店の人に「・・・つまり、ボリードはあるのですか?」と尋ねると「今、4色あります」という答えでした。
友人はそもそもボリードを知らず、もちろんバッグを買うつもりもなかったのですが、店内でボリードを見かけることもほとんどないので、「見せてもらおう」ということになりました。
ちなみにボリードはエルメスが1923年に発表したバッグで、ファスナーを最初にバッグに採り入れた、ということでも有名です。
ケリーやバーキンほど有名ではないようで、だからかもしれませんが、ケリーやバーキンほど街中でも持ってる人を見かけない気もします。
ボリードの実物をよくよく見て、ひっくり返して底を見たり、中もチェックし、その挙句に友人と2人で、「考えます」と店を後にしました。
友人は「今、エルメスのバッグを買おうとは考えていない」とかなんとか・・・。
しかし、その夜。
友人はボリードの魅力にすっかり取り憑かれ、ネットでさんざん調べ上げた結果、「明日買いに行く!」というのです。
「やはり、実物を見てしまったら!」ということのようです。
店を後にしたのが夕方だったので、「朝一番で行くと、まだあるかもしれない」と、早速翌日、店に行きました。
ありました。
結局、「ボリード31、黒、シルヴァー金具」のお買い上げ。
本当に素敵なバッグです。
ファスナーによる安全性と利便性は抜群だし、持ち手や肩紐の長さも絶妙だそうです。
嫌味もなく、使い勝手も素晴らしい。
持っていると、他店でも一目置かれ、対応が違うように感じるそうです。
友人のボリード購入の際、ついでにエルメス・ブティックで「ケリーとバーキンの買い方」について尋ねました。
今は、まずメールで注文の来店予約を申し込む。
ただし、このメールアドレスを誰にでも提供しているのかは不明です。
注文予約の日がきたら、そこで、希望の色や大きさ、皮の種類や金具の打ち合わせをする。
現在、バーキンが出来上がるまでの待ち時間はそれから1年ほどだそうです。
以前の3年ほどの待ち時間に比べると、はるかに短いのですが、そもそも注文の来店予約がなかなか取れず、早くても3か月先だそうです。
理由は、打ち合わせには午前と午後で1人ずつしか受け付けないこともあります。
出来上がったものを必ず買う義務はないそうですが(これはずっと以前から同様)、受け取り・買取を辞退、あるいは拒否した人は今までいない、とのこと。
コロナ以前ですが、ドイツの経済新聞で「確実な投資は?」という記事を読んだことがあります。
1.優良不動産
2.ポルシェ
3.エルメスのバッグ
だそうです。
これを見ると「0」の数が一つずつ違います。
私なら、これに「ストラディヴァリウス」を入れたいところですが、ストラディヴァリウスの場合、数が極端に少なく、これから生産もできないので、「普通の投資」の対象にならないでしょう。美術品も同じですね。
話をエルメスに戻すと・・・
コロナ時代に旅行もパーティーもできなかったこともあってか、エルメスの売上は超右肩上がりに伸びたそうです。
値上げは1年に1回のペース。
ただしシャネルなどに比べると、通常通りの上げ方で、その割合は大きくない。
従って、以前よりずっと品薄になっており、加えて、ウクライナ問題で輸送に影響が出ている現在、欧州以外、特にアジアでのエルメス・ブティックでは全ての商品がどんどん品薄になっているという話も聞きます。
ヨーロッパのハイ・ブランド・ブティックに、中国人、ロシア人、アラブ系の人たちが押し寄せていた、あの頃の光景・・・。もう、ずいぶん昔のことのようです。
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