結婚記念日と月命日

今年の4月1日は、19回目の結婚記念日で、3回目の月命日でした。
配偶者の死後の結婚記念日は結婚記念日なの?
19年前、幸せになろうと2人で決めて、
あえてエイプリルフールに婚姻届を出した。
周囲には1日ずらしたら?と言われたけれど、わたしたちは気にしなかった。
だってわたしたちは「本物」だと思っていたから。
結婚の誓いは絶対に噓にはならないって思っていたから。
今思えば若かったな。
20代半ばだから、若くて当然だけれど、当時のわたしたちの若さを振り返ってみると、すごくすごく眩しいです。

さて、その配偶者は、今年の1月1日に亡くなりました。
結婚記念日はどうしたらいいのでしょう?
前日までは、子どもたちと3人で美味しいものを食べようなんて思っていたのに、
いざ当日となったら悲しいやら寂しいやらで、なにもできず、
なにかは用意して食べたのだけれど、3日たった今では何を食べたのかも思い出せない。
ただの老化だろうか……?
とにかく気分が沈んで美味しいものどころではなくなってしまい、
メソメソ泣きながらスーパーで何かしら買って、夕飯にしました。
2月にはビール、3月の月命日にはレモンハイを供えてわたしもいただいたのですが、今回はアルコールを飲みたくなくてノンアルレモンハイを供えました。

2日も3日も沈んだ気持ちのまま戻らず、いちにちぼーっとして何もできず、
最低限の衣食住だけなんとか維持するような感じでした。
ぼーっと写真を眺め、やたらに線香を焚き、ふと埃が気になって仏壇代わりになってる小さなトレイをきれいにしました。

そのせいなのか、たまたまなのか、久しぶりに夫が夢に出てきました。
夢の中でも死んでいて、わたしは忙しくいろんな人に挨拶して回っていました。
ふと気がつくと、真っ白い部屋にいました。
壁も床も真っ白で、家具には白い大きな布がかけてあります。
そんな部屋のベッドに夫が眠っていました。
棺に入れたときのように花に囲まれて、とてもきれいでした。
思わず寄り添うと、眠っていた夫がわたしの頭をなで、「6週間、ゆっくりお別れするからね」と言いました。
顔を上げて、彼の顔を見ようとしたところで目が覚めました。

さっきまで見ていた夢を忘れないように反芻しました。
真っ白な部屋、白と水色のバラ、6週間。
意味は分からないけれど、白と水色の花は、わたしたちの結婚式を思い出します。
夏に式を挙げたので、装飾は爽やかなブルー系の色でまとめたのでした。
そしてあの真っ白な部屋は、最初に夫が夢に出てきたときの部屋と似ています。
どこもかしこも真っ白で、夫は死者でありながら、生きているときのように動いて喋っている。
あの場所は、まだ生きている人と、死んでしまった人が交流できる特別な場所なのかも。
しばらく登場しなかったのは予約がいっぱいでなかなか順番が回ってこないからなのかも。
部屋の様子が前回と少し違ったのは同じ施設の別のお部屋だったからかも。
そんな風に考えるとなんだかちょっぴり楽しい。

夢で夫に会えたおかけか、昨日までの重く沈んだ気持ちは少し、軽くなったように感じます。
今日もがんばって生存しなくてはね。

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