見出し画像

お店を始めて変わった価値観【お金について】…支払うんじゃなくて、自ら渡して巡らせたい。比べるものは自分の中に。

”のわ”の飲食出店スペースであるパルルを間借りし、週一回、みそのわ食堂を営んでいます。オープンして二ヶ月ほどが経ちました。
日頃はフードディレクションや編集の仕事をしている私が、実際に料理を作り提供していることに驚きます。私の冒険と挑戦は、”のわ”という「人と人のつながりを通じて、新しい暮らしを考える」コミュニティスペースとの出会いから始まりました。

”のわ”にデザインの仕事で携わっていたのは夫でした。私も”のわ”を応援する気持ちで関わったものの、実は全く逆で、見守られ、育てられていたのは私の方です。感謝を込めて、”のわ”という場所を通じて変わっていった価値観をまとめておきます。

第一回目の変わった価値観は、『お金』について。

”のわ”で行われるイベント等は、寄付制のことも多く、このような記載がされています。

参加無料ですが、のわの活動を継続するためのお気持ちの寄付は励みになります。のわでは下記の3つの想いから積極的に寄付を活用しています。
・運営資金のサポートをいただけたら嬉しい
・お金の支払いに困っている人をサポートしたい
・お金について考えるきっかけとしたい
お金はもちろんなくては困る便利なものではあるが、時として人を困難な目に合わせる存在でもあります。物の値段は普段決まってるのが当たり前ですが、寄付を用いることで値段や貨幣について考える機会にしたいと思います。(のわ代表 新見)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

のわホームページより

寄付っていくらぐらいしたらいいの? だいたい500円くらいが相場? 募金とは違うの? など、お金に対して曖昧な感覚で生きてきました。そもそも自分が誰かに寄付できるほど豊かなのかとも考えます。

何かを買うとき定価があるのが普通で、5%引きと買いてあったらラッキーに感じるし、1000円よりも980円の方がうんとお得のような。購入した後で更に安いものを見つけると、妙に腹立たしくて後を引きます。

挨拶のようにお金のやり取りができるようになりました

私の営むみそのわ食堂の定食は880円です。お会計は現金のみ。この880円がズシンと響くんです。おお!お金もらったというリアルな感覚。
だいたいのお客様は千円札でお支払いいただくので、120円のお釣りを返す。このやり取りもまた良くて、「ごちそうさま」に「ありがとうございました」を返しているような感じです。

お金を払うのではなくて、巡ってくるように手渡すようになりました

売り上げから、食材や場所代等の経費を引いて、余ったお金は自分が本当に欲しいものに使い切ることに決めています。本当に欲しいものってなんだろう?
 「家族にちょっと身体に良いものを。」「会いたい人に会いに行こう。」「参考になりそうなお店に行ってみよう。」「”のわ”での他の活動を覗きに行こう。」
ここで、お金を支払う感覚とは違う、お客様からいただいたお金を巡らせるような気持ちが芽生えます。値段は定価に比例しているのではなくて、自分の気持ち、ワクワク感や共感が基準になっています。

定食880円×お客様の数が私の身の丈になりました

1日に来てくださるお客様はまだ多いとは言えないので、営業日1日に触れるお金の額は数千円。それが、今の私の金銭感覚の振れ幅です。それよりも大きなお金は、急に他人事のように感じてしまいます。小さな規模感でおさまって、窮屈になっているかというと、そうでもない。今の自分が巡らせる身の丈に、フィットしています。ただ、巡らせる金額が大きくなれば、更にワクワクすることに出会える幅が大きくなるだろうなとは思っています。

お気づきかと思いますが、流暢なことを言っています。生活費はどうする?備えは? 
今回の話は、お金のやりくりの話ではないです。現実、みそのわ食堂の売上だけでは生活していけないし、”のわ”の運営が継続できるような貢献もできていません。私のお金に対する考えも、まだ発展途上中です。

でも今の私なら、自分が巡らすことができるお金の範囲を知っているし、自分で価値を決められる。みそのわ定食880円を通して小商いの基本に触れた実感を持っています。間借りでなければスタートできなかったですし、”のわ”でなければ理解されなかったと思います。まだまだ始まったばかりの小商い。小さいところから、大きな醍醐味に気づきつつある第一歩です。


▷みそのわ食堂は、「人と人のつながりを通じて、新しい暮らしを考える」コミュニティスペース”のわ”の飲食ブースであるパルルに出店しています。
”のわ”のホームページはこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?