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父について

文學界11月号に拙著「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」が掲載されました。沢山のご感想やご意見をありがとうございます。素晴らしい作家の方々の作品を拝読して、改めて読む喜びに浸りました。

 実家に帰ると文學界が食卓にありました。両親と夕食のテーブルを囲んだ時「どうだった?」とそれとなく感想を聞くと、母は沈黙。しばらくしてから父がわたしにポツリと言いました。

「で、千尋の文章に、パパは一体いつ登場するのだろう?」

 父はどんな気持ちだったのでしょうか。

 その次の日から、父は救急車で搬送され入院しています。食事も喉を通らず、電話もメッセージすることもままならなくなりました。容態を知ることも出来ません。

 以前instagramで父とわたしのツーショットを投稿すると、父についてたくさんのメッセージを頂戴しました。父は素直にとても喜んでいました。皆さまの優しいお言葉が嬉しかったのだと思います。普段は決して見せませんが、けっこう調子に乗りやすい、子どものままの性格です。

 父が撮り溜めていた、写真がたくさん出てきました。少し前に撮ったものですが、今回投稿したものは、お気に入りの一枚なのでしょう。コレクションの一番上にありました。

 ともかく一日も早く回復して、ひなや家族を安心させてほしいものです。グールドのバッハを大音量で聴き、フルートを懸命に練習し続ける父が、わたしの知る父の姿です。

「音楽があれば一人ぼっちじゃないからね」

子どもの頃に何度も聞いた父の言葉の意味が、今はとても良くわかります。

追記です。ご心配をおかけするような投稿になり、大変申し訳ございません🙇‍♀️渾身のキメ顔ですので父の写真の姿に温かいコメントを頂ければ幸いです。皆さまのコメントに有頂天になり、すぐに退院してきます(この顔ですがかなりお調子者でございます)😊どうぞよろしくお願い申し上げます🥰

投稿をお読みくださって本当にありがとうございます。頂きましたサポートは本を買ったり、書いたものを本にまとめる費用として大切に使わせていただきます。