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More Than Travel, Less Than Adventure.

日常が吹き飛ぶような冒険…なんてものはそう簡単にできるものではない。若い時ならともかく、仕事が休める時期も期間も決まっているし、怪我や事件事故も困る。仕事に穴を開けられないから、あらゆることは基本的には前もって予約、準備。出たとこ勝負なんてもっての他。だけど、それでも、できるだけ日常から遠いところに身を置きたい。見たことのないものを見たい。経験したことのないことを経験したい。その衝動は押さえられない。おそらく、生活が安定しているからこそ(これは有難いことだが)、その淡々と続く日常を一歩抜け出して冒険のエッセンスを感じたい衝動が強いのかもしれない。逆に、日常生活が波瀾万丈の人は、休みの時くらい、のんびりと南の島でくつろいで過ごしたいと思うのではないか。たぶん私は、旅を糧に、ともすれば退屈な日常をどうにかサバイブしているのだ。

そんなわけで、安定の中のカンフル剤として、好奇心の赴くままに、ちょっとだけ人と違った旅を求めて経験してきた。そんな自分の中の大事な経験で感じたことを、旅の空気を、体験を、断片でもいいから文字で記録しておきたい、という気持ちが最近強くなった。自分の記憶力の衰えを年々実感していることも、その気持ちに拍車をかけているのかもしれない。頭の中の記憶は薄れても、文字化された記憶は残るし、文字を写真を、そして、ちょっとした記憶をよすがにして、自分の経験した旅はいつでも、いつまで経っても生き生きと甦る。そして、それはとても幸せなことだと思う。

私が体験した旅は、友人たちにいわせると、ちょっと普通じゃないものが多いらしい。オオカミと触れ合いに行ったり、マダガスカルでキツネザル三昧をしたり、アラスカでキャンプ・デナリに宿泊したり、シベリア鉄道でイルクーツクからウランバートルまで行ってみたり、etc。普通の旅、というのはないようにも思うけれど、ほんの少しだけスパイスが効いているのかもしれない。とはいえ、「冒険」というほどのものではない。あえていうなら、More than Travel, Less than Adventure(旅以上、冒険未満)といったところだろうか。

可能ならばいっそ本当の冒険をしてみたいけれども、実は保守的な私にはちょっとハードルが高い。そんな私にだってできる、More than Travel, Less than Adventure。是非、皆さんにもお試しいただきたい。コツはテーマを持つことと、行き馴れたところじゃない場所にチャレンジすること。別に行き先が秘境である必要はない。自分が興味のある目的を設定すれば、ひと味違った旅になるし、未知の土地はいつだって、冒険が満ちているから。見たことのない風景を見たい。旅も冒険もその根底は同じなのだ。

<了>

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