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てつびんと私の日々

両親から結婚祝いに贈られた南部鉄器。鉄瓶との暮らしは続いている。

以前書いた記事はこれ。

あれから三年半。
どんな一日も、この鉄瓶で湯をわかすことから一日を始める。
そんな日々を積み重ねて、どうにかここまで暮らしてこられた。
そのことに、深い喜びと感謝、どこか達成感に似た気持ちがある。

両親から、結婚を機に地元を出ていく私への餞別にと贈られた鉄瓶。
両親の名前からそれぞれ漢字一文字ずつ取り「早介(さすけ)」と名付けた鉄瓶。

現在の姿はこんな感じ。

南部鉄器の鉄瓶。名前は、「早介(さすけ)」

内部はこんな感じ。
何だかよくわからないけれど何かが付着して積み重なっている。
写真にすると衝撃画像みたいになってて驚いている。

底に付着しているものの面積は少しずつ広がっている

新しい街で暮らす私の新しい生活を、初めから支えてくれた相棒。
悲しい日も寂しい日も、苦しくてたまらない日も。
どんな朝も、目を覚ました私はキッチンに立ち、鉄瓶に水を入れて火にかける。

春夏秋冬、季節によって湯が沸きあがるのにかかる時間は違う。
今ではそんなリズムもすっかり体が覚えた。
まだまだ、と余裕をもってその間にパンをトースターへ。
そろそろかな、とコーヒーフィルターをセット。
やがて、ぶくぶくぶく、と元気よく湧き上がる湯。
かたかたかた、ずらした蓋がいつもと同じ音を立てて湧き上がりを知らせてくれる。しばらく、その音を聞いているうちに心が鎮まる。

毎日、同じことの繰り返し。だからこそ、いい。
日々休むことなく私と夫の使う湯を沸かしてくれる早介。
使い続けることが最高のメンテナンス。

お父さん、お母さん。
何もできない実家暮らしの娘、「いるだけの娘」と二人にはよくからかわれていましたが、そんな私も主婦十年目。
信じられませんけどね。積み重ねてここまで来ました。

これからも、早介と一緒に、日々を暮らしていきます。
私は、とても元気です。



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