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ステート・ウィズイン ~テロリストの幻影~

The State Within(2006年 イギリス/アメリカ)

主演のジェイソン・アイザックスを観てすぐに浮かぶのは、白髪魔法使い(笑)のドラコのパパ!!
あのイメージを払拭しつつの鑑賞です。

スタートしてからすぐに、テレビドラマとは思えない怒涛の展開です。
巨額CG効果や大量のエキストラや爆薬を使わなくても、テロの悲惨さと戦慄が胸に迫ります。構図と撮影が秀逸だからですね。

ほんの短いカットで、各キャラクターの性格や役割を視聴者に理解させてしまう手腕はお見事です。(説明セリフがないのです)

物語は、一見平和を保っている国同士も、実は水面下では戦時下、という緊張感を保ったまま、どんどん進みます。

しのぎを削る情報戦、陰謀、策略。力なき一般庶民の命など、ただの手駒として虫けらのように消費されていきます。

フィクションではあるものの、実在の人物、事件、テロ、出来事がオーバーラップするように作られているので、観ているうちに、ひたひたと不気味な感覚に包まれていきます。

決定されたひとつの流れがあり、その流れをスムーズにさせるためには、貧しい娼婦はただ殺されるためだけに呼び出され、何も知らない多くの乗客達は旅客機とともに爆破される。国防長官自らが「死の商人」と癒着。元大使に都合の良い働きをさせるために、殺人事件をでっちあげ、証拠を捏造する。重大な書類や証拠は闇に葬られていく――
次々にぞっとする展開が続きますが、さもありなんと思えてしまいます。

作品もとても良くできているのですが、何よりキャスト達の演技が素晴らしいです。
呼吸、表情、目の演技、間の取り方で、心情がはっきり伝わるのです。
素晴らしい演技のたびに、一時停止して見入ってしまいました(笑)



不要不急の外出の自粛が叫ばれているこの時期、
じっくりとドラマに浸るのも良いかもしれません🙂

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