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谷崎潤一郎・春琴抄を読んで

谷崎 潤一郎🇯🇵『春琴抄』

・・・・・・・・ あらすじ・・・・・・・・

時代は江戸〜明治時代@大阪
盲目の美しくも我ままでドSな三味線の師匠・春琴と、
どこまでも彼女に尽くした使用人佐助のお話。

・・・・・・・・ 感 想 ・・・・・・・・
“春琴様”と“佐助どん”
二人の愛の形に圧倒されました。

クライマックス。
春琴の美麗を脳裏に永久保存するため、
佐助自ら盲目の世界に入ったことを告げる場面。

もうグッとくる...
この数分間に春琴と佐助の『全て』が詰まっていると感じます。
失明したことに喜びを感じるだなんて、
到底理解できない境域だし、周囲からは歪んで見えたとしても、
本人はこの上ない喜びを感じているのだからそれは揺るぎない幸せだし無条件で美しい。

そして句読点を極限まで省いた文体が特徴的。
きっと一度読んだら忘れることはないでしょう。

ページ内ギッチギチに文字が書かれてるのに、
さらさら流れるように読めるところがやはり超絶卓越してます。

原文のまま日本語で味わえることに有難みを感じました。

ある意味純愛なのではないでしょうか。
今回も本当に素晴らしい作品に出会えて幸せです。

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