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12_採用活動で「優秀だからお見送り」は存在する

自分が人を採用する側になって、気付いたことです。

転職活動をしていた頃は、不採用=自分に至らない部分が多かった(能力が低かった)のだろう、と落ち込む事が結構ありました。

今でも記憶に残っている企業があります。
最終面接が終わったあとに役員から呼び出しがあり、私のモノの考え方やそれが育まれた環境について話をする機会がありました。役員は熱心に聴き入り、私の入社は周囲の社員にも良い影響を与えるだろうと褒めてくれました。
内定が出るだろうなと、帰り道の足取りが軽くなったことを覚えています。

ところが数日してエージェントから来たのは、不採用の連絡でした。そして不可解なことに、先方は私をクレバーな人材と高く評価している、というのです。
うちの仕事ではきっと彼女は満足できなくなる、うちで働くことによって彼女の伸びしろを潰してしまう、優秀だから採用しない。それが企業としての判断だと言うのです。

いくら説明されたところで、当時の私には少しも理解できない理由でした。

それから時が経ち、自分が採用する側になったとき、私はあの頃まったく理解できなかった役員と同じ判断を下したのです。

組織は人の集合体です。そして企業のステージによって、人の集合体に対する舵取りの塩梅が変わります。
たったひとりのスーパースターがいれば良いのか、似たような能力値の人がバランス良く揃っていたほうが良いのか、唯一の正解はないのだと思います。

それを見極めながら、人を採る。
新たに迎え入れる仲間が優秀であるなら、それは喜ばしいことだけれど、優秀さは唯一の正解ではないのです。
私を採用しなかった役員の判断には、そうした背景があったのだろうと思います。

立場が変わって、ようやく見える景色があるんですね。

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