ヒーリングの魔法 基礎編 その2
第二回 病の源は意識のバランスの崩れ
1.病は意識から来る
第一回では、症状自体は病気ではなくて、免疫反応にすぎないということを話しました。それでは病とは何なのか、ということを第二回でお話しします。
西洋医学では、ウィルスとか病原菌とか毒素とかそういう外から来るものが病の原因だとしています。だから、そういうものが身体に入ってくるのを防いだり、身体から除去することで病を治そうとします。ですが、ウィルスに触れたからといって、誰もが病気になるわけではありません。病気になるのは、ウィルスが身体の中で異常繁殖した場合だけです。健康な人の粘膜にも、病原だと言われる菌やウィルスなどは見つかるそうです。でも健康な人の場合は、一つのウィルスや菌だけが異常繁殖するということはありません。バランスが保たれていて、平和的に共存しているんです。
ある一つだけのウィルスや菌が異常繁殖するのは、免疫力が落ちている時だけです。でも、免疫力が落ちている人がウィルスに触れたら、皆が異常繁殖を起こして病気になるのかというと、そういうわけでもないんです。その人の状態が、ちょうどそのウィルスや菌が繁殖するような状態である必要があります。
つまり、ウィルスや菌が異常繁殖する(=感染する)のは、第1に免疫力が落ちていること、第2に身体の状態がウィルスの繁殖にちょうど合っていること、の二つの条件が揃ったときに、初めて起こることなんです。だから、ウィルスや菌が病気の原因であるというよりも、免疫システムのバランスが崩れていること自体が病だと言えます。ウィルスや菌の異常繁殖は、その結果として起きていることにすぎません。
第一回で、「なかったことにする魔法」とダイナマインドを皆でやってみましたけれど、やってみて、意識を変えることでどれだけ身体の状態が変わるのかが実感できたんじゃないかと思います。私たちは、身体のことは物理的なことであって、意識とは何の関係もないように思い込んでいますけれど、実はそうではないんです。身体の状態は、意識によって変わります。そして、病気というものも、意識の状態に対応して起こっているんです。
この頃は「意識が現実を作っている」ということをよく言いますけれど、実は病気の場合も同じことなんです。例えば、「私はいつも怒られる」と思っていると、どういうわけだかいつも怒られるハメになります。相手は怒るつもりはなくても、「怒られた」と受け取ってしまったりするし、その結果、本当に怒られるようなことをしたり言ったりしてしまったりします。「また怒られる」と思ってビクビクしていたら、「こいつまた何かやったんじゃないか?」と疑われたりしますよね。そして、わざわざ怒りっぽい人のところへ行って、その人が怒るようなことをしてしまったりします。そういう風に、ちょうど恐れていることを、私たちは引き寄せてしまうことがあります。
そして、そういう習癖みたいなものは、心身のバランスが崩れているときほど、ひどくなってしまいますよね。病気の場合もそれと同じことなんです。つまり、考え方の癖のようなもので、かかりやすい病気というものがあるし、それは心身のバランスが崩れているときほど、ひどく出てきます。
2. 病の本当の原因は?
普通に健康な人でも、風邪くらいには誰でもなりますが、風邪の原因とは何でしょう?
風邪を引く原因としてまず第一に考えられるのが、「休息の必要があるとき」です。たとえば、何かの理由で仕事が辛くなっているときとか、職場の人間関係で嫌なことがあったから会社に行きたくないとか、あるいはやりたくない仕事がある、とかですね。
こういうときには、うまい具合に風邪を引くんです。ちょうどその避けたいことをしないで済むような病気になります。ホメオパシーでは、身体の症状よりもむしろ心理的な状態の変化を見てレメディを選ぶので、病気になった頃に何か心理的に変わったことがあったかどうかを調べます。そうすると、まず確実にちょっとしたトラウマになるようなことが出てきます。そして、症状そのものよりもそのできごとからレメディを選ぶと、たいていうまく当たります。それくらい、意識と身体とは結びついています。
身体はちょっとした病を作り出すことで、嫌な現実からしばらく距離を置くことができるような状況を作っているんですね。だから、身体の問題であるというよりも、心の問題であることが多いんです。
私が前に住んでいた街は音大があったので、音大生とつきあうことがよくありました。音大生の場合だと、ストレスがたまってくると、ちょうどその楽器が弾けなくなるような病気になります。ピアニストだったら手首の腱鞘炎になるし、声楽家だったら喉の炎症ですね。そこに一番ストレスがかかるから、という物理的な理由もありますが、それだけではないんです。聞いてみると、先生と意見が合わなくて、レッスンに行くのがつらくなっていたり、コンサートを前にして自信がなかったり、そもそも音楽が自分の進む道なのかどうかがわからなくなっていたり、というような話が出てきます。
身体は、考える時間がいるとき、一度距離を取る必要があるときに、最小限の障害でその目的を達するような状態を作り出そうとするんです。だから、ちょうどその仕事だけができなくなるような病気になるんです。
二つ目として考えられるのが、物理的に強いストレスがあったときです。たとえば、何かの理由で長時間寒風にさらされたとかですね。すると、あとで熱が出てきて、喉や気管支の炎症が起きたりします。それは、冷え切ってバランスを崩した身体を元に戻そうとして出てくる反応です。
三つ目として考えられるのは、成長の危機です。成長のプロセスのあるステージを乗り越えるために、病気が起こっていることがあります。
子供がよくかかる感染症などは、たいていある特定の成長のステージで出てきます。たとえば、ハシカは子供が3歳くらいになったときによく起こり、ほとんどの場合、数日で完治します。ハシカにかかって治ったとき、子供が前より大人になっていることがよくあるそうです。言葉があまり話せない子が急に話せるようになっていたり、前はお母さんべったりだったのが一人でいられるようになったり、一人で服が着られるようになっていたり、とかですね。
3歳くらいというと、それまで何もかも親にやってもらっていたのが、自分で自分のことをしたり、自分で話して欲求を伝えたりということを覚えるようになるときです。そういうことは、子供にとっては未知の世界に出て行くようなことなので、恐いわけですね。だから、少しずつなめらかにできるようになっていくわけでもなくて、アップダウンがあり、後戻りしているような時もあれば、急にある一線を突破していったりといったことがあります。
ハシカにかかると、高熱が出て真っ赤になり、子供はまるで赤ちゃん還りしたみたいにぐずったり、わがままになったりします。そういう状態が数日あって、そのあとケロっと治ると、前よりも大人になって自立していたりします。ハシカというのは、そういう風に一度赤ちゃん還りして、その段階を越えていくために起きている成長のプロセスのようなんです。
子供にかぎらず、私たちは人生のあるステージを越えていくときに、病気にかかることがあります。それによって、これまでやっていたことができなくなったり、別な道を考えなければならなくなったり、これまでの考え方を変えることになったりします。病気がきっかけで、新しい人生のステージに入っていくわけですね。私たちは、死ぬまでずっと成長し続けているのだと言えます。人生の次のステージに進んでいくときに、何かしらの病気を経ていくことがあるのです。
3. 身体の声を聞く
風邪を引きそうになったとき、身体に向かって「今は風邪を引いてる場合じゃないよ!」というと、風邪を引かないで済む、ということを言っていた人がいました。これは私もよく試していますが、確かにほとんどの場合、うまく効いてくれます。
風邪を引きそうになるのは、身体があるサインを出しているということなのです。だから、それを無視するんじゃなくて、意識を向けてやるんですね。それで、「わかってるよ。だけど今はやめてね」と言ってやると、身体の方もちゃんと合わせてくれるんです。
寒気がしたり、身体がだるくなってきたときに、身体にヨシヨシしてやると風邪引かないで済んだりします。「つらかったんだね〜」とか「ちゃんと休めるようにするからね」とか身体に向かって言うんですね。そうすると、それでうまく治ってくれたりします。
身体とのつきあいは、子供とのつきあいとも似ています。子供はちゃんと意思の疎通があれば、泣く必要はありません。だけど、子供が伝えたいことを親がわからなかったりすると、子供は泣いたり暴れたり、延々やっています。
私の友達は、子供が3人、孫が4人いて、子供とのつきあいには経験を積んでいるので、泣き声を聞いただけでその子が何を言っているのかわかると言っていました。すると、ちょうどベビーカーに赤ちゃんを乗せた若いお母さんが来て、子供が泣いていました。お母さんは困ってあれかこれかといろいろやっているんですが、子供は一向に泣き止みません。それを見ていた友達は、「ああ、あの子はxxが欲しいのよね。お母さん、それがわからないみたいね」と言っていました。かなり離れたところにいたんですが、泣き声を聞いただけでわかるんだと彼女は言っていました。
そういう風にわかってもらえたら、子供も泣く必要がないわけなんですね。昔のアボリジニなんかは、テレパシーで子供の考えていることがわかったそうなので、そういう社会に育つ子供はあまり泣く必要がないんだろうと思います。現代の私たちは、子供の声を聞き分けることを忘れてしまったと同様に、自分の身体の声を聞くことからも離れてしまったために、多くの問題が起きているように思います。
自分の身体とのつきあいも、子供とのつきあいと同じようなことが言えるのです。ちゃんと身体の声を聞いて意思の疎通があれば、身体は病気になって何かを知らせる必要がありません。だけど、無理やり言うことを聞かせようとすると、ますます激しく反応することになります。たとえば、風邪引きそうになったときに、ヨシヨシする代わりに、「仕事しなくちゃならないんだから!」と風邪薬飲んで症状だけ抑えて無理やり働こうとしたりですね。現代の私たちにはありがちなことです。だけどそうやるのは、子供が何か伝えようとしているのに、無理やり言うことを聞かせようとするようなものなんです。そうなると、子供と同じでますます暴れて手がつけられなくなったりします。つまり、症状が内側へ向かっていってしまったりして、否応もなく休まされることになります。
4. 身体の症状が出るときは、心理面にも現れる
第一回のセミナーで、身体に症状が出るときは、精神と心理にも同じ高さのところで症状が現れる、ということを説明しました。そのように、病気は身体だけではなく、すべての層に現れます。たとえば、風邪を引いたときは、イライラしたり、集中力がなくなって頭がボォッとしたり、不安になったりします。ホメオパシーでは、身体の症状と心理や精神に現れる変化のパターンで、どのようにバランスが崩れているのかを見ます。
同じ風邪でも、人によっていろいろなパターンがあります。それによって必要とするレメディも違うのです。たとえば、寒風にさらされて身体が冷えたあと、その晩に高熱が出て、息がゼイゼイして死ぬような気分になったりするときは、まず考えられるのはアコニトゥムです。もし、そんな風な激しさではなくて、身体がだるくてメソメソして、他の兄弟にやきもちを妬いて自分に関心を引きつけようとしている場合は、アコニトゥムではなく、パルサティラか何かです。
そのように、同じ病気でも、現れ方によってまったく違う問題があり、まったく違うレメディが必要になるのです。
外国に旅行に行ったときに、土地の水や食べものが合わなくて食中毒を起こすことがあります。これは、食べたものに病原菌がついていたのだろうと思われていますが、ホメオパシーを使っていると、実はカルチャーショックが大きいということがわかります。
20年くらい前のことですが、私はよく前夫とサイクリングツアーをしていました。あるときオーストリアからチェコに入ったときに、二人とも食中毒にかかりました。その頃のチェコは、まだ東ヨーロッパらしいところがあって、国境を越えたとたんに道路がガタガタになりました。もともと車があまりなかったし、あってもチェコで作ったせいぜい60キロくらいしか出ない車だったので、そんな道路でも十分だったんです。ですがその頃は、チェコの人が西側のスピードが出る車に乗り始めて、スピードが出るのがうれしいのか、そんなガタガタの山道でも猛スピードを出して走っていたんです。道路にはもちろん自転車道などはなく、端の方はアスファルトがなくガタガタに穴が開いていました。車を避けて端に寄ろうとすると、穴に落ちそうになるので、本当に命の危険を感じました。おまけに、街に到着して宿を探すと、西側から来た旅行者なので料金を吹っかけられました。そんなこんなで心理的に限界になっていたとき、元夫が食中毒にかかったんです。
調べてみると、レメディはアルセニクムでした。アルセニクムは、死の恐怖やお金を失う不安感が核心にあり、症状が出ます。彼は寄ってたかってお金を取られるのではないかという心配で、バランスを崩したんです。アルセニクムを飲んだら、まず不安感が消えて、休めるようになりました。そして翌日には、もうほとんど問題はなくなっていました。
するとその翌日に、今度は私が食中毒にかかりました。そのときは、アルセニクムではなくてカモミラでした。これは、傷つけられた気分があって、もう我慢しているのが限界で爆発しているような状態のレメディです。私はチェコに入っていろいろ勝手が違うのにストレスを感じていたところへ、さらに夫の病気で限界に来て、もう何もかも嫌になって家に帰りたい心境だったんです。それでカモミラを飲んだら、気分が落ち着いて、食中毒は治りました。そして翌日からは、あまりストレスを感じないで違う国を楽しむことができるようになりました。
また、2009年にメキシコに始めて行ったときは、ヨーロッパから来た旅行者が必ずと言っていいほどかかる猛烈な食中毒にかかりました。昼に屋台で買って食べたフルーツサラダが衛生状態がよくなかったから当たったんだろうと思いましたが、何しろトイレから出られない状態で、翌日には展覧会があるカムペチェに飛ばなければならないのに、この状態ではとても飛行機に乗れないと思って焦りました。
それで調べると、ジェルセミウムが合っているようなので、それを飲みました。するとまずホッと安心できて、それからベッドに入って眠ることができたんです。翌日はもうほとんど何の問題もなく、無事に飛行機に乗ることができました。
ジェルセミウムは、ステージ前や試験前に緊張してパニックになるようなときに合うレメディです。勝手のわからないところでどうなるかわからず不安なのに、何とか乗り切らなくてはならない、というような状態のときに出る症状に効くんです。ジェルセミウムが当たったので、私は自分がそういう状態だったことに気づきました。初めて一人でメキシコに来て、数日メキシコシティに滞在していたんですが、あとで友達から「よくあんなところへ一人で行く勇気があったわね!」と驚かれました。まあそういう物騒なところもある街なんです。おまけに飛行機の積み替えでスーツケースの中に入っていた陶芸作品が壊されたりして、激しいショックを感じていたのに、とにかく乗り切って会場まで行かなくてはとがんばっていました。食中毒はちょうどそんなときに起きたんです。
メキシコに来た旅行者はほとんどそういう猛烈な食中毒にかかるんですが、一度かかると免疫ができるのか、それからはもう何を食べようが何ともなくなるんです。あれも食べ物についている病原菌に免疫ができるという風にも言えるかもしれないですが、心理的な変化を見ると、むしろカルチャーショックを乗り越えるために起こっている状態ではないかと思えます。実際、食中毒にかかって治ると、あとは何だか落ち着いて異国が楽しめるような心境になるんです。
5. 身体のどこに病気が出るかは、意識と関係がある
身体のどこに病気が出るかで、だいたいその人がどういう心理的な問題を抱えているかがわかることがあります。
たとえば腎臓や膀胱、卵巣に問題が出るときは、これは第二チャクラのバランスが崩れていることが考えられます。第二チャクラというと、愛情関係ですね。頼りにしている人に見捨てられるような不安とよく結びついています。その場合、子供の頃のことを聞いてみると、親との関係や他の兄弟とのことで、何かしらトラウマがあり、見捨てられる不安を持ちやすくなっていることが多いです。
心臓に問題が出るときも、愛情関係の問題が原因になっていることが考えられますが、心臓の場合は第二チャクラではなくハートチャクラです。この場合、頼りにしている人に見捨てられる不安というよりも、愛が裏切られたという感覚です。つまり、ハートが傷つけられた感覚が原因になっています。
癌になる人というのは、だいたい厳しく育てられた人が多くて、自己コントロールが強いです。こうでなければ、という思いが強くて、責任感も強く、そこに罪の意識が結びついていて、感情を抑圧する傾向が強かったりします。第一回で説明したように、感情というのも免疫反応なので、それを抑えつける力が強いと、病が内側に入り込んでしまいます。癌というのは、そうやって抑えつけた感情が硬い塊のようになっているんじゃないかと思います。だから、癌ができたといっても、何もしないのにあるとき小さくなって消えてしまったりすることもあるんですね。
もし癌の診断を受けた人が、こういう傾向がなく、精神的にも健康だったら、検査の間違いである可能性も大きいと思います。治療する前に、他のところで調べてもらった方がいいかもしれません。
病とチャクラの関係については、ヒーリングの魔法セミナー続編でくわしく扱います。
6. 病気の重い軽いは病名とは関係がない
ホメオパシーでは、「治らない病気はないけれど、治らない人はいる」と言っています。西洋医学では、ある種の病気は不治の病だとされていますけれど、それは単に西洋医学が治すメソッドを持っていないというだけのことで、本当に治らない病というものはないんです。
たとえば、多発硬化症(MS)は西洋医学では治らないと言われています。これは、自己免疫反応によって脳の神経が衰えてしまい、神経系に障害が出る病気で、20歳くらいからよく発症します。ひどいときは、5年ほどで神経の劣化が進んで車椅子生活になってしまいますが、実はかなり多くの人が一生ほとんど進行しないままだったりするんです。
ホメオパシーで心理や精神の領域も合わせて見ていくと、同じMSでも人によって軽いか重いかはわかります。ですが、西洋医学ではこの先どうなるかは確率の問題でしかないんですよね。自分が5年後には動けなくなってしまうのか、それとも一生このままの状態で生きていけるのかは、まったくわからない。これは恐ろしいことだと思います。
もしMSの診断を受けても、精神的にわりと健康で、感情をわりとオープンに表現できる場合、わりと難なく治ってしまう可能性が高いです。
私は前にMSの診断を受けた音大生の相談を受けたことがあるんですが、彼女は診断を受けて不安でボロボロの状態でやってきました。不安を隠していなかったんです。これはいい徴です。これまでの病歴などを聞いてみると、花粉症があるくらいで他はほとんど健康で、子供の頃や親のことを聞いても、別段何も問題はなく、普通に育てれた子でした。
それで、ここ数ヶ月の間に何か変わったことがあったのかと聞いたら、いとこがバイクで事故死したっていうんです。彼女はその場所が事故の起こりやすい危ない場所だということを知っていたので、どうして何もしなかったのかとものすごく怒ったそうです。
もともと健康な人が、何か大きなショックがあって症状が出ているときは、どんな病名がついていても、わりと簡単に治ってしまったりします。問題の根が浅いんです。
彼女は視覚障害が出ていて、ものが二重に見えたりぼやけたりするというのと、音が二重に聞こえるという奇妙な聴覚障害がありました。医者はMRで脳を見て、脳神経が侵されているから、これは一生治らないと言いました。ですが、心身に現れている状況からレメディを割り出して飲ませたら、その後数週間して視覚障害も聴覚障害も消えてしまいました。MRには相変わらず脳のある部分に黒い影が映っているんですが、でも障害がないんです。そのあと何年しても、障害が戻ってくることはありませんでした。
MRに映っている黒い影は何か別のものだったのかもしれないし、神経組織は別のルートをこしらえて視覚障害や聴覚障害をなくしてしまったのかもしれません。何だったのかはわかりませんが、検査の結果などとは関係なく、人は障害が出たり治ったりすることがあるのです。検査の結果と病気の原因との結びつきも、実はそれほど根拠があるものではなかったりするのかもしれません。
一方、私の友達の息子もMSと診断されたのですが、彼の場合は状況がずいぶん違っていました。彼は子供のころから身体が弱く、よくある子供の感染症で重症化して入院したことがありました。ワクチンでアレルギー反応が出たこともありました。第一回で説明しましたが、このような場合、免疫力が一段下がっていて、症状が内臓に顕れてしまう状態になっていることを示しています。
それだけでなく、両親が離婚していて、父親は長年失業していて、心理的にも健康に育ったとは言いがたい環境でした。登校拒否していたり、問題行動を起こしたりもしていました。
この場合、病名は同じMSでも状況がまったく違います。レメディ一回で症状が消えるということはまずなく、たとえレメディが当たったとしても、何ヶ月もかかって少しずつ免疫システムを立て直していくような感じになると思います。
7. 自分の身体と話す魔法
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魔法の使い方 その9 自分の身体と話す魔法
昨日の魔法の使い方では、過去生を書き換えるやり方を説明しましたけれど、今日は自分の身体と話す魔法をやってみたいと思います。
たとえば身体のどこかが痛むとか、こってガチガチになっているとか、重苦しい感じがするとかいう時ですね。そういう時には、その身体の部分が何か伝えたいことがあるときなんです。身体が痛むというのは、その箇所に表現されていない感情が抑え込まれているからなんだそうです。外に出すまいとして抑えつけているから、筋肉がギュッとなって痛むっていうんですね。
そういう時は、その箇所に指を当てて抑えてみて下さい。そして、どんな感情が抑え込まれているのかとその部分に聞いてみて下さい。指で抑えると、筋肉の収縮が和らいで、抑え込まれていた感情が出てくるのがわかると思います。思ってもみなかった感情が出てきてびっくりするかもしれません。どうして痛んでいるの? 何があったの? 何を言いたいの?」とか、すねている子供に話しかけるみたいに優しく話しかけてみて下さい。それだけでも痛みがかなり和らぐと思います。
意外な答えが返ってくるかもしれません。そしたら、「気づいてあげなくてゴメンね。これからはちゃんと守ってあげるからね」とか何とか、やっぱりすねている子供をなだめるみたいに言うんですね。そうすると、子供が心を開いて笑うみたいな感じがして、その部分が和らいでくるのがわかるかもしれません。
「今は治りたくない。働きたくないから」とかいう答えが返ってくることもあります。病気やケガは、身体の安全装置みたいなところもあるんですね。最悪の事態を避けるために、動きたくても動けない状態になる。そういう時はまあ治らないでもいいっていうことなんですが、それでも治ろうと思ったら、働かなくてもいい状況を作らなきゃならない。「わかった、わかった。私がちゃんと話してあげるから......」とか何とか、やっぱり子 供に言うみたいに言ってみるといいと思います。そういう風に言っていると、そのうち自然になんとなくなりゆきで、働かなくてもいい状況ができたりします。
私は前に自然食料品店で、開店前に野菜を並べてくるっていう肉体的にハードなバイトをしていたことがあるんですが、1年半くらいした時に、慢性的な膀胱炎になって働けなくなってしまいました。その時は魔法の技とかホメオパシーとか何を使っても、どうしても治らなかったんです。これはバイト辞めないかぎり治らないなと思いました。そうしたら、雇い主との間に誤解とかいろいろあって、そのままもう働かないで辞めることがで きる流れになったんです。本当は膀胱炎になる前から、もう辞めたかったんですよね。そしたら、病気になって働けなくなり(というか、働かなくていい状況になり)、そのまま辞められることになった。それから、本を書いたりすることができるようになったんです。災難というのも、実は天の導きだったりするんですね。
「魔法の使い方」は以下のリンクからすべて読めます。
https://note.com/chihiro279/n/ne9e2e1a7b64a
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症状とは、身体が何かを伝えたくて出しているということを言いましたけれど、意識の魔法を使えば、直接身体と話してみることができるんですね。最初ははっきりした答えがなかなか受け取れないかもしれないですが、それも子供の言葉を理解するのに慣れる必要があるのと似ているかもしれません。
最初は言葉としてはっきり返ってこなくても、何かしら感情みたいなもの、悲しいとか寂しいとか怒りとかボヤッとした不安とか、そういう感覚を感じるかもしれません。わからなかったら、「きっとこんなことを言っているのだろう」と想像してみてください。勝手に自分が考えていると思っても、それで当たっていることが多いです。
これやってみると、身体の症状が何ということなく治ってしまうこともよくあるのがわかると思います。症状が身体が出しているサインであり、身体の言語なのだということも実感としてわかってくるんじゃないかと思います。
そんな風に自分の身体とつねづね話していると、自分の身体と信頼関係ができて、何かあってもいちいちあわてなくて済むようになるのがわかると思います。