準備クラスか小学1年生か?

今回はドイツの小学校入学のお話しをしようと思います。

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ドイツの小学校入学は満6歳とは限らない

ドイツでは、小学校へ入学するタイミングは人によります。多くの場合、日本と同様、幼稚園年長を終えた満6歳のこども達が小学校へ入学します。しかし、ドイツでは、幼稚園と小学1年生の間に「準備クラス」というクラスもあり、そちらに進む子もいます。

準備クラスとは?

準備クラスとは、先程も説明した通り、幼稚園と小学校一年生の間のクラスの事です。準備クラスは小学校の校舎内にあり、小学1年生に入学するには能力が少し足りなかったこども達や、幼稚園年長をやらずに、ひと足先に勉強したいこども達が学ぶ為のクラスです。

準備クラスは小学校の校舎の中にあるクラスなので、準備クラスの子たちもランドセルを背負って登校し、机に座って勉強をします。ただ、小学1年生になる前の準備のクラスなので、授業内容は1年生よりも簡単で、進度もゆっくり進み、宿題も少なく、授業時間も短くなっています。

準備クラスに通っているこども達は、主にドイツ語の苦手な外国人ファミリー、ドイツ人とのハーフのこども達、ドイツ人ファミリーだけれども、幼稚園年長の年齢(5歳くらい)だけれど、ひと足先に勉強を始めたいこども達が在校しています。

なので、多くの場合、準備クラスに通っているこども達は満6歳なので、小学校を入学する時には満7歳になっています。つまり、みんなよりも歳が1つ上がっています。準備クラスはドイツではどこの学校にもあるクラスですし、移民の国でもあるし、こどもの事を良く配慮した制度なので、準備クラスに通って1年遅れようが、誰も何も気にしません。私の友人のお子様も準備クラスに通っていた子はもちろんいます。日本人ファミリーの子、ドイツ人とのハーフの子、ドイツ人ファミリーだけれど早く勉強したい子達です。みんな「無理して小学校に行かせなくて良かった。」と仰っているので、準備クラスはとても良い制度だなと私は個人的に思っています。

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小学校へ入学するには?

満6歳になると住んでいる地域で1番近い公立学校の校長先生から秋頃に手紙が届きます。そこには面接の日取りが書かれており、その日に保護者とこどもが一緒に学校へ赴き、面談と簡単な能力テストを行います。もし、学校が指定した日に都合が悪ければ、電話で必ず変更してもらう必要があります。小学校は義務教育で必ず全員が学校へ通わなければならないので、この通知を無視すると法律違反になり罰則を食らう事になるので注意が必要です。

面接当日、学校へ行くと小学1年になるのに相応しい能力があるかどうかチェックテストが行われます。ドイツ語で質疑応答が出来るか?数を数えたり、語彙力があるかどうかチェックされたり、先生から指示された事が出来るか?きちんと椅子に座って落ち着いていられるか?ケンケンパが出来るか?など、身体検査と簡単な能力検査が行われます。親も勿論先生と面談をして、普段のこどもの様子はどうか?など聞かれ、その日の面談は終了。

後日、郵送で合否結果が送られてきます。合格ならば同封の書類に必要事項を記入し、書類を送り返して入学手続きが完了する、というのが入学面接の流れになります。

小学1年へ入学するには、少し能力が足りないと言うこどもへは、小学校入学手続きではなく、準備クラスへの為の入学手続き書が送られて来ます。準備クラスへの入学で構わないと言う事であれば、その学校の準備クラスに入学出来るので、書類に記入して返信して手続き完了になります。

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【余談ですが】もし私立の学校に行く場合も連絡が必要で、場合によっては面談も必要になります

話が少しズレますが、我が家は「私立の学校へ行くから関係ない。」と思い、長女の時に、近所の公立学校から手紙を貰ったのにも関わらず、何も連絡せずにいたら、突然赤い警告の紙が家に届きました!!まだその頃、私達はドイツに来たばかりで、ドイツのシステムも分かっていない時だったので、赤紙が届いた時は本当に焦りました。

こうならないようにするには、もしも私立の学校に行くつもりでも、必ず公立の学校へ連絡をします。そして、まだその私立の学校への入学許可が降りていない場合は、公立の学校の面接を受ける事になります。でももし、私立の学校への入学許可が既に降りている場合は、その旨を公立の学校の校長先生に伝えます。すると、「では、その私立の学校の入学許可書をこちらに送って下さい」と言われるので、私立の入学許可書を公立の学校へ送ります。それで初めて、手続き完了となります。

なので、もしも私立の学校へ行く場合は、私立と公立、両校とも手続きをする事になります。私立に行かれる方はここの所を気を付けて下さい!

まとめ

同い年の子が一斉に入学する日本とは違う制度ですが、この準備クラスがあるドイツのシステムはとても良いなと私は思っています。外国人の多いドイツでは、外国人ファミリーのこどもがドイツ語にハンデがあるのは当たり前だし、早産まれの子だって1年近く年の差があるにも関わらず、同じタイミングで入学しなければならないと言うのも不自然です。その子の成長に合わせて、入学するタイミングをずらしたり、準備をすると言うのは、ごくごく自然な事だと私は思います。

私自身が早産まれで、小学校入学時は、こどもながらにハンデを感じていたので、早産まれの子の状況を良く理解出来ます。

ドイツの準備クラスのシステムが日本でも採用されたら良いのにな、と老婆心に思います。

今回はドイツの小学校入学のお話しでした。ありがとうございます。



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