ドイツは年に数回シラミが流行る
【ドイツは年に数回シラミが流行る】
ドイツに住み始めてびっくりした事の一つに、ドイツでは幼稚園や学校を中心に年に数回はシラミが流行するという事。
日本だと親の世代とか、それ以上の世代の人が「こども時代の嫌な思い出」として語っていたあのシラミです。アラフォーである私の世代でさえもシラミは幻の存在で、自分の周りでシラミになっている人を見たことがなかったので、シラミって一体どんなものか?どうしたらシラミになってしまうのか?シラミって肉眼で見えるのか?など得体の知れないものでした。
私の母が「昔は毎日お風呂に入るのは贅沢な事だったからみんな毎日なんてお風呂に入ってなかった。不衛生だったから、昔はクラスに1人や2人シラミになる子がいて、そう言う子が1人出ると、白い粉を全身に掛けられる事になる。それが凄く嫌だった。」と言っていたので、シラミはお風呂に入らないとなるものだと思っていました。けれどドイツに住んでみて知ったのは、どうやらそうではないと言う事です。
シラミはお風呂に入っていてもうつる
以前、家の近所に住む日本人家庭の知人が言っていました。「娘は毎日お風呂に入っているのに修学旅行の時に、誰かからシラミをうつされた。」と。この事から、近くでシラミを持っている人がいたら例え自分は毎日お風呂に入っていたとしてもうつされてしまうのだと言うことが分かりました。調べてみると、不潔だからシラミになるのではなく頭の接触でうつるという事でした。
毎年、幼稚園でも学校でもシラミが流行るので、父母会でもシラミに対する注意喚起がされます。特に夏休み明け、冬休み明けなど大型休暇の時はみんな世界各地へ旅行へ出掛けるのでその時期は特にシラミになってしまう事が多いとドイツ人ママさんから聞きました。
ドイツだけでなくヨーロッパはシラミが身近なので(笑)、ヨーロッパ在住の方に参考にして頂けたらと思います。日本もたまにあるみたいなので、日本在住の方にも参考にして頂けたらと思います。
それでは、今回はドイツで身近なシラミについてのお話しです。
シラミとは?
シラミは主に3種類ありますが、今回のシラミは頭ジラミの事を指しています。頭ジラミは人から人へ、のみ感染するシラミです。このシラミは人の頭の頭皮を吸血する事で生きていて、人の頭から人の頭へと飛び移ってどんどん卵を産み繁殖しています。シラミの繁殖力は非常に高く、卵は1か月に100個も産むそうです。この卵が孵化するまでには7〜10日程度かかり、その後3回ほど脱皮をし1〜2週間程で成虫になるそうです。1か月で100個も卵を産むので、孵化してしまったらもう大変です。
シラミはセメント質で出来ていて、しっかり髪の毛にくっついている為、手で取るのは難しいそうです。そこがフケと違うので、なかなか取れない物が髪の毛についていたら、シラミかもしれません。シラミは耳の後ろや側頭部に良く付くそうなのでそこら辺を中心に良く見る事が大切です。繁殖力が高いので、早期発見、早期に対処する事が重要です。
シラミは休み明けに流行りやすいという事でしたが、シラミがうつりやすい場所とは一体どんな所なのでしょうか?
シラミがうつりやすい場所
・安いホテルの枕やベッドシーツ
安いホテルの枕やベッドシーツがあまり手入れされていない事があるらしく、それらの布類からうつってしまう事があるそうです。休み中の旅行先のホテルでの感染が考えられるそうです。
なのでもしホテルでシラミが心配なら、清潔なタオルを枕やシーツに敷いて、ホテルの枕やシーツが直接髪の毛に触れないように寝るのが良いみたいです。
・映画館やバスや電車の座席
不特定多数の人が利用する映画館やバスの座席は隣の人がシラミを持っている場合、頭と頭が近いのでうつりやすいそうです。しかしこの場合、隣の人は知らない人なので、その人がシラミを持っているか?なんて分からないので防ぎようがないように思います。それでも対策を取るとするならば、帽子を被って髪の毛を出さないようにすることかな?と思います。けれど、映画館で帽子をずっと被っているのは不自然ですし、夏場は暑いので現実的ではありません。映画館や公共の交通機関でシラミをうつされた場合はもう「運が悪かった。」と思う方が楽かもしれません。笑
・頭の接触
シラミは人の頭から頭へ移動して人の頭皮を吸血して生きています。幼稚園児や小学校低学年のこども達は遊んでいる最中に、頭の接触があった場所うつりやすいと言われています。実際、長女は現在14歳なので幼児期も小学校低学年をとっくに越していますが、大きくなった今、シラミになる子の数がだいぶ減りました。小さい兄弟からうつされる場合もあるので、完全に無いという事はないのですが、小さい頃に比べてだいぶ減っています。小さいこども程感染しやすいというのは実感として私もあります。
けれど、シラミは小さい子供ほどなりやすいとは言え、小さいこどもの頭の接触を防ぐよう遊びを促すというのも現実的ではありません。誰かクラスメイトでシラミが出た際は、その子は速やかに自宅でシラミ退治してみんなにうつらないようにするという事、普段からみんながシラミチェックをしたり、予防をする他ないのかなと思います。
では、どのようにシラミチェックをすれば良いのか?と言うと、
専用の櫛でブラッシングする
という事です。
シラミの卵は専用の櫛でブラッシングすると簡単に見つけられる
シラミの卵はシラミ専用の櫛でブラッシングすると、簡単に見つけられます。シラミ専用の櫛は目が細かくスチール製なので、髪の毛にしっかりへばりついた卵も綺麗に取り除く事が出来るのです。
シラミの卵はとても小さく、色は白い色らしいです。ドイツ人の子は髪の毛がブロンド色の子も多いので、そういう子はシラミの卵を探すのが大変らしいですが、我が家は黒髪なのでちょっとラッキー?笑
シラミ専用の櫛でブラッシングする時のポイントは、ひと櫛とかしたら黒い紙の上に櫛をとんとんと叩いて卵が落ちていないか?を、その都度確かめる事です。もし黒い髪の上に卵が落ちていなければ、またひと櫛ブラッシングしてまた卵が落ちていないか?を確かめます。これを繰り返して髪の毛全体をブラッシングしていきます。
もし卵が落ちていたら、その時は髪の毛全体を良く良く見ます。シラミの卵があるという事は、親が卵を落としたと言うです。近くに卵の成虫であるシラミがいるかもしれないので、頭全体を良く良く見ます。
卵が見つかった場合は病院に行くのが良い
もし卵が見つかったらその時点で、直ぐに病院に行くのが私は良いと思います。初めてシラミの卵を見たなら尚更、それが本当にシラミの卵かどうか?確信出来ないかもしれないですし、シラミもあるかもしれません。シラミを見逃してしまうと、直ぐに繁殖して後々大惨事になるので、早期発見の為に病院に行くのが良いと思います。
病院に行く際は、車の座席や公共の交通機関の座席にシラミがうつるかもしれないので、シャワーキャップをしたりタオルで巻いたりして出来るだけシラミが飛び移らないようにするのが、周りの人の感染を防ぐ事になります。一緒に病院に行く人も感染する恐れがあるので、その人への感染予防にもなります。
シラミがあると出席停止になる
もしシラミが見つかった場合には、ドイツの幼稚や学校は出席停止になります。シラミは繁殖力が高いので、感染拡大を防ぐ為、ドイツでは完全にシラミがなくなるまで出席停止となっています。
シラミになった場合、完全に治るまで出席停止になるだけでなく、お医者さんにシラミが完全に無くなった事を証明してもらう為の診断書がなければ再登校も出来ません。
けれど、ドイツの素晴らしいなと思う所はシラミになった事が他の人に分かってしまうと差別の原因になる恐れがあるので、誰がシラミになったのかという事を幼稚園や学校側は一切公表してはいけないという規則がある事です。またシラミに感染した人数を公表する事も禁止されているので、もしシラミになったとしてもクラスメイトには分かりませんし、避けられたり差別されたりする事もありません。
では、実際シラミに感染してしまった場合にはどうやって治していくのでしょうか?
【シラミになってしまったら、どうやって治していくのか?】
①家にある洋服、カーテン、枕やベッドのシーツ、カーペットなど布類は全て熱菌するか薬品でシラミを退治する
シラミは60度以上のお湯に5分くらいつけておかないと死滅しません。なので、シラミが一つでも見つかった場合は、家にある全ての布類(カーテン、洋服、カーペット、ベッドリネン、マット、タオルなど)を60℃以上のお湯に5分以上つけて死滅させます。これは頭のシラミが完全になくなるまで、何度も繰り返し行います。
シラミが家族内で発生しシラミ駆除をした人の話によると、シラミが発生したら何度も家中の布類を洗う事になるので、シラミが完全に治った後もしばらくは布類を見るのが嫌になるらしいです。知人は当時を「あの時は全ての布を捨てたくなったし、その後もしばらくトラウマになってシラミが怖くなった。」と振り返っていました。
シラミが1つでも見つかると、洗濯も大変ですし家族のシラミチェックも毎日何度もやる事になりますし、大変なストレスらしいです。
シラミになったらやる治療のもう1つは、シラミ専用の櫛でこまめにブラッシングしつつ、専用のシャンプーで洗髪する事です。
②シラミ専用の櫛でこまめにブラッシングしつつ、専用のシャンプーで洗髪する
シラミになった際は、上にあるシラミ専用の目の細かい櫛でこまめにブラッシングし、専用のシャンプーで洗髪します。完全にシラミが頭から居なくなるまでこれを繰り返します。
シラミ専用のシャンプーは泡立ちが悪いので洗った気がせず洗い心地は良くないのですが、仕方ありません。根気よく完全にシラミがなくなるまで専用のシャンプーで洗髪し続けます。
我が家はドイツに住んで9年位になりますが、まだシラミになった事がありません。それには日頃から気を付けているお陰もあると思っています。なので、我が家がやっているシラミ対策を最後にご紹介します。
日頃から出来るシラミ対策
・こまめにシラミ専用のくしでブラッシングする
・心配なら、シラミ用のシャンプーで洗髪する
我が家は、学校のクラスで誰かシラミが出たという知らせがあると、シラミ専用の櫛でブラッシングして卵がないか?を、その日の内にチェックしています。シラミは早期発見が鉄則で、まだ卵のうちは直ぐに取り除けますし、問題ないのですぐに対処しています。そして、シラミがクラスから無くなるまでそれを続けてます。
こども達は毎日お友達と濃厚接触しているので、仲の良いお友達がシラミになったら直ぐにうつってしまう事でしょう。なので、クラスでシラミが出たら直ぐに櫛でブラッシングしています。
またシラミになった子が増えているというお知らせがあった場合は、ブラッシングだけでなくシラミ専用のシャンプーでの洗髪も始めます。シラミ専用のシャンプーは予防にもなるそうなので、シャンプーで予防しています。
最後に、おまけの話しで締めようと思います。シラミが1度発生すると、大流行する時があります。その場合、幼稚園や学校ではどのように対処しているのかをご紹介しようと思います。
おまけの話し
シラミが学校で大流行した場合、幼稚園や学校ではどう対処しているのか?
クラスで大々的にシラミが流行った場合は、学校側も対応を強化させます。毎日全員が朝、登校前にシラミがないかチェックをし、書面に「シラミはない」と記入し、保護者のサインもなければ登校出来なくなります。つまり、書面の提出が義務付けられ、書面がないと教室に入れなくなります。教室に入る前に、もう1度先生や保護者が児童の頭にシラミがないかチェックし、無ければ教室に入る事が出来ます。
それだけでなく、保護者が数人、休み時間の後にもクラス全員の頭にシラミがないかチェックし、無ければ教室に入れるという対策も取られます。クラスが一丸となってシラミの撲滅に励むのです。これは一カ月位続くので長丁場。この時はさすがに先生も保護者もみんなストレスでヘトヘトになります。笑 そして、完全にシラミがクラスから居なくなると先生から喜びのメールが一斉に届きます。笑
まとめ
ドイツは毎年シラミ騒動が発生するので、その度に私は冷や冷やしています。ドイツに住む限り、シラミ騒動はずっと付いて回る事になるので、慣れるしかありません。けれど、未だに慣れません!笑 これからもシラミ対策をしつつ、生活していきます!
日本もシラミは絶滅していないようなので、皆様もどうぞお気を付け下さいませ。
以上、【ドイツは年に数回シラミが流行る】でした。
ありがとうございます。
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