ドイツに来た直後から私がずっと貫いていること

【ドイツに来た直後から私がずっと貫いていること】

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それは「ドイツで英語は話さない。」という事です。ドイツに来た時、私はアルファベットさえ知らずに来ました。それなのになぜ私が「ドイツで英語は話さない。」と決めたのか?

それは渡独直後に、初めてドイツ人と接した時の出来事がきっかけでした。

【渡独直後に、初めてドイツ人と接した時の出来事】

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日本からドイツへ向かう飛行機の中、私はあまりお腹が空かなかったので機内食をあまり口にしませんでした。そしたら案の定、空港に着くと長女と私はお腹がぺこぺこ。なので「先ずは街へ出て腹ごしらえをしよう。」という事になり、市内のレストランへ行きました。

「ハロー」とウェイターさんが声を掛けてくれ、私達が席に座ると「○△□・・・」

『えっ、いまお兄さん何と仰いましたか?』と内心思いましたが、ドイツ語が分からないので何も言えずにいました。すると「It’s OK」と言い残しウェイターさんは奥へと行きました。そして、暫くするとウェイターさんが英語のメニュー表を持ってやって来ました。先程は、ドイツ語のメニュー表が良い?それとも英語のメニュー表が良い?と聞いてくれていたのだ、とこの時初めて分かりました。

その後私は英語で注文をしました。ドイツのメニューは初めてのものばかりで良く分からなかったので、ウェイターさんに質問してみました。するとウェイターさんは英語で答えてくれました。ドイツ語混じりの英語でたどたどしく、文法も間違えだらけでしたが、一所懸命英語でメニューの説明をしてくれました。何度も私に「僕の英語分かる?」と聞き返してくれました。

これが、私が渡独直後に、初めてドイツ人と接した時の出来事です。

私はこの出来事がきっかけで、「ドイツで英語は話さない。」と決めました。それはなぜなのか?理由は3つあります。

【ドイツで英語を話さないと決めた理由】

①英語圏でないドイツで英語を話すという事はドイツ人に対する甘えだと思ったから

レストランで私はドイツ語が全く分からなかったので英語で注文しました。しかし、私は思ったのです。これは私のドイツ人に対する甘えだな、と。

ここはドイツです。ドイツはドイツ語圏の国であり、英語圏の国ではありません。なので英語は彼らにとってもネイティブではありません。だから、あのウェイターさんの様にたどたどしくて間違った文法の英語を話します。旅行者に対して英語で話すのは良いけれど、私は旅行者ではありません。これからここに住む人間なのに、私に合わせて英語で話してくれるというのは申し訳ないな、と思いました。ここはドイツ語圏なのに、ドイツ語が話せないと言うのは私の問題であって彼の問題ではありません。それなのに私のドイツ語が話せない問題を彼に押し付けてしまったように感じました。これは私の甘えだなとその時思ったのです。だから私は「ドイツで英語は話さない。」と決めました。

続いての理由は

②ドイツ人は意外と英語を話せないから

私が「ドイツで英語は話さない。」と決めた理由の2つ目は、ドイツ人は意外と英語を話せないから話す必要もないと思ったからです。

ドイツに来る前、「ドイツ人は英語を話せる」と私の周りの人達は言っていたので、ドイツは英語が通じると思っていました。しかし、実際に住んでみると驚くほど通じません。役所の人、街の人、店員さん、学校や幼稚園の先生、病院の人、ガス、電気会社の人、意外とみな英語が話せなくて逆に私は驚きました。

手紙や書類も当たり前のことですが全てドイツ語で送られて来ます。なので、何十年ドイツに住んで英語が話せようが関係ありません。ドイツ語が出来ないといちいち手紙を翻訳して貰わなければならなくなります。ならばあまり使う機会のない英語は話さず、ドイツ語だけ話そうと思いました。それが私が「ドイツで英語は話さない。」と決めた2つ目の理由です。

そして最後3つ目の理由は、

③ドイツ語を話さないと生きられない状況だったから

我が家は駐在で来た訳でも、パートナーがドイツ人でもありません。誰かに聞いたり頼ると言うことが出来ませんでした。何か聞きたい事があるならば、直接ドイツ人に聞かなければならなかったのです。これはつまり、ドイツ語を話さなければ生きられない状況だったという事です。

ビザの手続き、各種契約、何もかもドイツ語でしか出来なかったので英語が使える場がなく、必然的にドイツ語だけ話さなければならない状況でした。その為「英語は話さない」という状況に自然となってしまっていた、ということです。

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まとめ

【渡独直後からずっと私が貫いていること】とは?「ドイツで英語は話さない」という事でした。これは私がドイツ語しか通じない環境にいたので、そうならざるを得なかったと言うのがあります。しかしそれだけでなく、渡独直後にウェイターさんが一所懸命私に英語で話してくれたあの姿を見て、申し訳ないなと感じた事がきっかけでした。

英語圏でない国で暮らすと言葉の壁はとても厚く、語学の習得は正直大変です。ドイツ語は世界の言語の中でも難しいと言われている言語で、ドイツ人さえも難しいと言っています。私自身まだまだドイツ語が出来なくて未だに凹みます。ネイティブでない限り、語学の習得ってきっと終わりがなくて満足する事もないのだろうなと思うのです。

しかしドイツ語が上手く話せなくても一所懸命に話そうとする姿勢が大事で、その姿勢にドイツ人も一所懸命応えてくれたりするものです。中にはドイツ語が分からないで怒られたり、電話を勝手に切られたりした事も過去にはありましたが。笑

渡独直後、あのウェイターさんと出会ったお蔭で私は「ドイツで英語を話さない!」と覚悟を決める事が出来ました。そしてそれを今日まで貫く事が出来ています。私がドイツ語しか話せないと皆が思っているので、ドイツ語でしか話しかけられません。なので誰かと話すだけで今でも毎日ドイツ語の学習になっています。だから彼には感謝しています。ありがとう!

以上、これが私の【ドイツに来た直後からずっと貫いていること】でした。

ありがとうございます。






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