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僕はグローバル人材になれているのか

職種がら、国際色豊かな労働環境であることは分かっていたけれども、実際に3週間やってみると想像をかなり超えていることが見えてきた。

僕はせいぜい英語しかわからないし、業務のこともまだよく判っていないことが多すぎるから、学生の対応を受け付けたとしても、基本的には他の人に振ることしかできない。一番多いのが「中国の先生お願いします」という注文で、あとはご指名の先生があったり、もろもろの申請の場合は僕でも少し案内できることがあったりするような感じ。
中国語、もっとマジメにやっておけばよかったなぁ。

教室でも多言語が飛び交う。中国語勢力が一番強くて、あとはクラスにおいては少数派という感じなのだが、国籍バラバラのグループを作ってみると案外日本語でやり取りしてくれるのが嬉しい。
積極的な学生と内向的な学生とのバランスとか、第一言語をなるべくバラす、みたいな工夫は、たぶん日本人学生だけの教育現場でも悩むところなんじゃないかと思う。個々人の性質も鑑みつつ、トータルで100点というのは原理上不可能なんだなと、試行錯誤しつつも感じている。


思えば学生の頃はグローバル人材たるべくいろいろな活動をしていたフシがある。何かといえば海外に足を伸ばしていたし、学内で学生とか入学希望生対象の説明会に呼ばれたことも何度かあった。

しかしそれがどこを目指していたかというと、当時の僕はおそらく、明確な答えを持っていなかったのではないかと思う。「海外で仕事をしてみたい」「日本に来てくれる外国人の助けになることがしたい」「英語を使いたい」「文化とか日本的なものを紹介したい」、まあそういう意識はそれぞれあったようだけれども、自分が働くのに理想的な環境を見据えて、たとえばどういう仕事、というビジョンは見えていなかった気がする。

つまるところ、就活をする気の一切なかったことが、根源的なところで効いていたのである。


社会人をほぼやったことのない僕にとって、いまの仕事で見極めるべきことはいくつかの段階に分かれていると思っている。たとえば、
①教育の仕事じたいが楽しいか
②中でもいまの業種が楽しいか
③この職場があっているか

の3つは大きな括りだが、向こう3年くらいで意識すべき点と言っていいだろう。

幸いにして、①と②に関しては現状楽しめているようだ。もちろん仕事としては楽じゃなくて、日々悩みながらなんとか授業をして、反省し、次をやってみてはまた反省し、というサイクルはかなり体力を使う。それでも学生の相手をしていると勉強になるし、授業じたい楽しいと思ってやってはいるから、僕は相対的に先生に向いているのだなと思う。

③は、まだ何も見えていないので知ったような口を利くことはできないが、今のところとても働きやすい職場だと感じている。先輩方もめちゃくちゃ優しい(ほんとうに全員優しいのが驚く)し、会社そのものが余所からブラックと思われるのを忌避しているようで、労働環境としてかなりホワイトなのも僥倖だった。このあたりは業界とか事前リサーチとかに関わらず百パーセントのガチャだと思っているので、僕は運がよかった。


また、職場の学校が位置しているのがエスニックタウンである点も面白い。昼休みにそこらを歩いてみるとアジア系の料理屋が軒を連ねていて、店の人は日本人ではなく本場の人だから当然本格的なものが出てくるし、だいたいどこに行ってもウマいのだ。
先週など、同期と連日初めての店に繰り出し、中国、タイ、ミャンマーの料理を楽しんだ。

ミャンマー料理なんてひとつも知らなかったけれども、「ナンジット」という混ぜ麺は癖もなくておいしかった。同僚が頼んでいた「モヒンガー」なるナマズのスープで食べる麺もおいしそうだったので次行くときはそれにしようか。

海外で、ってほどではないけど、外部的刺戟も多い環境で仕事をするというのは僕は楽しくて好きだったりする。
こんなんでも、僕がかつてぼんやりと思い描いた「グローバル人材」の、ひとつの落としどころなのかもしれない。

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