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キストーキョーに込めた、デザイナーとしての想い

ミルトングレイザーが亡くなった
というニュースが飛び込んできた。
グラフィックデザインの仕事を志す人で
その名を知らない人はいないと思うが、
僕は、ボブディランのポスターが印象的で、
ニューヨーカーのイメージが強く、
ニューヨークマガジンのロゴ、ブルックリンラガーのロゴ、そしてやはりなんと言っても
I♡NYのロゴをデザインした人。
ニューヨークに大きな、デザインとしての財産を残した人だ。

2015年、
5年後に東京オリンピックを控え、
そのロゴが発表され、歓喜かとおもいきやパクリ疑惑という事態がおきた。

う〜ん。

日本人が、デザイナー以外の人が、
グラフィックデザインに初めて注目した瞬間が、
まさか、ネガティブな状況になるとは思ってもみなかった。
以前noteに、
「グラフィックデザイン業界は閉鎖的」という話を書いたことがあるが、

https://note.com/chiharatetsuya/n/n753983f68bfd

このオリンピックロゴ問題まで、デザインを誰も注目してこなかったし、デザイン業界も全くPRしてこなかった。
大げさに言うと、デザインの見方、価値を伝えてこなかったのだ。
どんなものにもデザインは必要で
日常にこれだけ関わるものであるにもかかわらず、「わかる人にしかわからないモノ」という位置づけなのだ。

VOGUEの編集長、アナウィンターが
人はファッションというものが怖い。と、
ドキュメンタリーで言っていたが、
人は知らないものを否定し、遠ざける傾向がある。
もっとデザインは、「知ってもらう」
からやり直さなければならない。
あのロゴ事件で僕はそう感じたのだ。

みんなに愛される、知ってもらう
デザインってなんだろう?

オリンピックのロゴが愛されなかったら
日本は一つになんかなれるわけがない。
I♡NYは、ニューヨークのシンボルでありながら、
世界に愛された唯一のロゴマークと言っていい。
企業や商品のロゴとは違い、
マークそのものにアイデンティティがあり、
Tシャツやさまざまな商品に落とし込まれ愛されるロゴマークである。
東京オリンピックのロゴはまさにそうあるべきだなと思った。

デザインの仕事は、
ギャラが安い。
(急にお金の話ですいません)
この仕事をスタートしてからわかったことだが、
デザインの見方、価値を伝えてこなかったとさっき書いたが、まさに価値を理解されていないと感じる。
何かプロジェクトが立ち上がる。
例えば、イベントや映画、番組、商品やサービス、なんでもいいが、その中身をまず作ることからプロジェクトは始まる(それは当たり前)が、
さまざまな工程を経て、そのプロジェクトをPRしようとなって、初めてデザインという工程がそこにはいる。
意外に、そのプロジェクトを立ち上げた人は
その工程にはもう関わっていない事が多い。
あとは「やっといて」ぐらいのもの。
デザイン、広告、PRはその程度の立ち位置で
予算の振り分けも少ない。
もちろん、デザインの価値を知って、はじめからプロジェクトに加える人や企業もいますが、それはごく稀なこと。
そのプロジェクトを「売る」「知らせる」ためには、デザインは大きな役割を果たすはずだが、プロジェクトの中身がまず第一なので、そこまでの価値を感じてもらえていないのが現状だ。
特に近年、SNS、デジタルサイネージが発展し、不景気という事もあり、ポスターやカタログなど紙モノを作るという事が減り、デザインのあり方も変わって、より予算をかけず、よりスピーディーにというポジションになっている。

「ロゴつくってもらえますか?3万で。」
「来週までに、撮影できますか?」
「50万でCDジャケットつくれますか?撮影費込みで」
などなど、パワハラとも取れるデザインの軽視、
安くやってもらうのが当たり前という予算割りに、
いや〜ちょっと待ってください!
と、話をしなきゃいけない事がしばしば。

しかし、みなさんに共通しているのは、
やっかいなことに
「悪気がない」んです。
当たり前のことだと思ってます。
なので、え!とか言っても「?」という感じです。
本来なら資金を投資していい、大事なツールなはず。
デザインには、問題解決の力があります。
デザインによって商品の売れ行きをのばし、
認知度がかわり、大きなアイデンティティをもたらす力があります。

僕は決してデザインが上手い人ではありません。
ただ、デザインを使い、そのデザインを最大限に活かすことはできるはず。
キストーキョーは、
そんな思いからうまれました。

まず、
デザインとして
デザインに興味がない、
デザインに注目したことのない人でも好きになれる、愛されるデザインを作ろう。
「知ってもらうデザイン」
プロがうなづくプロの評価はどちらでもいい。
東京に住む人たちや、東京に訪れる人々が
愛着を持ち、当たり前のようにかかげる。
そんなデザインをつくってみたい。

デザインは、もっとみんなのモノだし
デザイナー同士評価し合うモノでもない。
そこをブチ破らない限り、いつまでもギャラは安いし、いいデザインも、みんなにわかってもらえない。
キティちゃんやドラえもんはライセンスで
どんどん広がっていくけど
グラフィックデザインで、
どんどん広がる価値を作りたい。
それができたのは、世界で
ミルトングレイザーのI♡NYだけ。

キストーキョーは
これから何年でもかけて価値をつくっていきたい。
ファッションブランド、ライセンス、コラボ、イベント、さまざま形で広がっていく。
ずっと応援してくれる人たちがいる。
キストーキョーペーパーに出演してくれた人は
もう100人を超えている。

https://kiss.tokyo/media/kisstokyopaper-vol-7/

デザイナー、タレント、モデル、女優、俳優、アイドル、起業家、スポーツ選手、芸人、カメラマン、アーティスト、歌手、YouTuber、キャラクター、、、などなど。
みんなが東京を、キストーキョーを応援してくれている。

ポジティブなニュースとして
日本人みんなが注目する。
グラフィックデザインが大きく取り上げられる。
その日まで、キストーキョー
頑張るしかない。

https://kiss.tokyo


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