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カンヌで感じた、取り残される「変われない」ニッポン!

久しぶりに海外に行くことができた。

日本を遠く離れてみると、
コロナがあって、緊急事態宣言、リモートなど
陰に篭る毎日は、かなり心や仕事にダメージを与えていたのだと感じた。
毎日テレビやTwitterでは、政府の対応の悪さ、それを批判する人人、この2年の間に批判を気にする社会と萎縮する若者、そんな構図が出来上がってしまった気がする。
れもんらいふも、海外撮影や社員旅行を知らないスタッフが増え、コロナ禍のマイナス感覚が長く続いたせいで、「やっていいの?」「私でいいの?」と人の顔を伺うことか普通になってしまっている気がする。

カンヌに行くとマスクは誰もしていない。
街全体が映画祭を歓迎し、楽しんでいた。
深夜まで町中のレストランがやっていて、お酒を飲みながら映画を語り尽くす。
そんな毎日だった。
地中海の空気は、日本とはまるで違う。
「生きることを楽しむ」そんなことをそのまま見せられた感じがして、なんか日本は今おかしい?
と思った。コロナ、ヤフコメ、コンプライアンス、国への不安、戦争、不景気、円安、参院選、さまざまな出来事がジャブのように、見えない不安で日本全体が「変」になっている。遠く離れると、日本を客観的に見て取れる。

カンヌ映画祭は、世界中から新しい映画が集まり、
見たことがない招待作品がたくさん上映され、
世界中のバイヤーがそれを見て買い付けをする合同展示会の場所だ。
フランス映画だけでなく、アジア諸国からもたくさん出品されていて、タイや、台湾、インド、特に韓国などは世界に基準を合わせた作品が並んでいる。
今年の韓国のイチオシ作品は、是枝裕和監督の「ベイビーブローカー」。
日本人の監督が、韓国の作品で世界に勝負しているという、珍しい作品だ。
他にもトムクルーズの「トップガン マーヴェリック」、
「カメラを止めるな!」のフランス版リメイクなどがレッドカーペットを賑わした。
僕もはじめてのタキシードでレッドカーペットを歩き、
たくさんの作品を見させていただいた。

まず、
今回なぜカンヌにやってきたかというと
映画「義足のボクサー」やMEGUMIさんが出演している
「DECEMBER」のプロデューサー山下貴裕さんに経験として誘ってもらったのがきっかけではあるが、
僕が進行中の映画ブロジェクト、その“営業”という意識でやってきた。

イギリスのPR会社や、韓国のバイヤー、日本のプロデューサーなど、さまざまな人たちに会って、自分の作品をPRすることができたし、招待作品を見て、世界基準とは?日本の映画の特徴、カンヌってこういう空気の場所なんだということを感じれたのも大きな経験だった。その中で日本という国が、映画産業の中で孤立しているということも理解した。

というのも、文化庁や各映画配給会社がブースを出しているものの、他の国々とは違い、他の国の人を呼び込みたい!という体制になっていなかった感覚です。
文化庁のブースは、プレハブをそのまま使ってポスターを貼るのみ。イベントやパーティもなし、という状況でした。話しかけても、邪魔者扱いがすごかったです笑。
他の国は、海外に映画を売ることにさまざまな思考を凝らしてパーティやトークショーをブース内で企画してPRしていました。

なぜそうなるかというと
日本の人口が生実家多いため、国内で興行収入が取れてしまうのがまず大きい。
TOHOシネマズ1強の産業なため、TOHOシネマズで見せる映画作りが世界を意識する必要性がなく、

国内の人が喜んで確実にヒットの確約が取れる内容(アニメ原作、アイドルが主演、ドラマの延長)
すなわち製作委員会形式で、配当をしっかり得るには、
日本人にだけ向けた産業の構図がベスト。
そこに原因があるということを肌で感じてきました。
他の小さな国は、国内だけでは興行収入が得られないため、世界に映画を売る必要性があり、
世界の人が興味を持つ世界基準の内容(レベルの高い演技、演出、社会的意義)
を入れ込んだ映画づくりをしています。
実際カンヌで海外の人に日本の映画の印象を聞くと「幼稚」という言葉が返ってきました。

その中でも、招待作品はそれらを理解し、頑張っていることにも感動しました。
「PLAN75」「 YAMABUKI」さらに「ベイビーブローカー」それぞれの監督は、世界で戦っていました。
世界へ日本のエンタメや芸術が素晴らしいかを
自分の映画を通じてアピールしていました。
ただ、個人的に頑張るしか道はないのか、
日本の仕組みを諦めるしかないのか。
そんな雰囲気さえ感じました。

僕が子供の頃、日本はIt’s a SONY、TOYOTA、任天堂と世界に産業を拡大し夢溢れる国でした。
テレビもクリエイティブの全てが詰まった箱であり「憧れ」、映画も単観映画館が独自のキュレーション力を発揮し、今よりも個性的な作品をたくさん見ることができました。

いつの間にか日本は、経済的にもエンタメ的にも、世界に求められない国になっています。
日本人ですら、韓国ドラマ、韓国アーティストが面白いと思う時代です。
カンヌは楽しい反面、このまま国内を見ているだけではダメだという気持ちになりました。

映画を作る意味、意義、
ただ「監督になりたかったから」ではなくなってきました。
日本のエンターテイメント、芸術、国内での話題だけでなく、世界に何を残すのか。
そんなことも考えさせられるカンヌでした。

僕が映画監督に憧れたきっかけは
市川崑、伊丹十三、大島渚と日本人の監督に影響を受けたからです。テレビも音楽も本当に楽しかった。
そんな楽しい日本を残せていないのは悔しいです。

僕は、映画監督になります。
そして、デザイン会社としてもれもんらいふは新たなステージに行きます。
クリエイターは、クリエイティブな仕事をしているからクリエイターではないです。
与えられた枠組み、今の現状の仕組みに甘んじて仕事している人は、デザイナーでも映画監督でも、クリエイターではありません。サラリーマンでも、何か社会を「変えたい」なんて行動できる人がクリエイターではないでしょうか?

「変えたい」そんな僕の次のステップが始まります。
見ててね。

今回の旅はMEGUMIさんと
レッドカーペットも歩きました😂
世界の映画関係者交流会
プロデューサーの山下さん、イギリスSCフィルムの鈴木さん、僕&ボボ

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