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本が出るということ。これはデザインではない

なんとも不思議な体験です。
自分自身のことをつらつらと書いて、それが
全国の本屋に出荷されるわけですから。
とにかく、足が宙に浮いているような感覚です。

これはデザインではない
「勝てない」僕の人生〈徹〉学

↑この本のことです↑

初め、出版社からお話をいただいた時は
「日本一忙しいアートディレクターの仕事の捌き方」というビジネス書を作りませんか?という話でした。

いやあ、僕、捌ききれてないですよ笑
しかも効率も悪いです、たぶん笑
なんて話しをしながら、編集の方に
ホントの僕がどういう人か
知ってもらうことから始まりました。
生い立ちや、クリエイティブに目覚めたきっかけ、上京、修行、れもんらいふの立ち上げなど、
さまざまなな経験を話すうちに、
「これまでの千原さんを振り返る本の方がいいのではないか?」
徐々に企画が固まっていきました。

ライターの嶋津亮太さんに入ってもらい、僕の生い立ちから、今考えていること、これからやりたいこと、れもんらいふをやりながら育まれた哲学など
30時間にわたりヒアリングしてもらい、
テキストに起こしてまとめてもらいました。
そのテキストをベースに、
ゼロから僕が、内容を書き下ろしていく作業になった。
嶋津さんは、れもんらいふデザイン塾で出会い、すべての授業を解釈し、テキスト化してくれていて、
僕が、映画をつくる、MVをつくるなどの時は必ず脚本やプロットを一緒にくみ上げている、言葉のパートナー。
今回も大変なところをお願いして、手伝ってもらった。
ホントに最後までありがとう。

さまざまなな仕事をしながら、
自分自身の人生を振り返って、
文章にする工程がスタートしたのは、
昨年7月ぐらい。
10月末に絶対入稿。それをすぎると出版すらできなくなるという制約のなかで、早起きして
仕事がはじまる前の早朝を駆使して
約2ヶ月で200ページを描きあげました。
(大変でした😂)
前半は、母と弟との生活、父から得たもの、好きだったカルチャーの話が中心。
後半は、桑田佳祐さんのジャケットのデザインから得たこと、これからのことなど。

発売されて1週間。
売れ行きはまあまあ好調!(まさかの😂)
全国の書店でも、売り切れた店があったり
代官山蔦屋書店では、100冊近くがすでに売れています。
周りの友達や仕事仲間、ずっと会ってない人、
親戚、地元の友達まで、さまざまな人が
手に取ってくれていて、とてもうれしい。
最後にあったのはいつだろうという、
小学校5、6年の頃の担任の先生からもメールをいただいた。
僕の幼少期の家庭環境を知っている人だったので、今頑張ってるんだねって、スゴイよって書いてあった。

本が出るということは、
こういうことなのか。
大切な人への手紙のようなものなのかもしれない。

今まで出会ってきた人、
まだ出会ってない人、
みんながレビューや、SNSのコメント、
メール、LINE、電話、さまざまな形で返事をくれる。体験したことのないやりとりだ。
本を出すということは、ブログやSNSで語るのとは質が違う。
1500円というコミュニケーションで
手にとっ人は何を得ただろうか。
何か心に残ってくれただろうか。

最近、「理解」という言葉の意味がやっと、わかってきた気がしていて、それには2段階あると思います。
1.その内容、意味がわかるという理解。
2.自分ごとに置き換え、実生活に取り込めるという理解。

トークをするにも、映像をつくるにも
文章を書くにも、デザインするにも
作る側が2まで見えて作っているかは大きい。
たとえ2に到達してくれる人がいなくても、
それを考えて作っているかどうかで
「おもしろさ」は大きく変わるように思う。

今回、
みんなからの感想でもっともいただいている言葉は、
「面白くて、スラスラ読めた」
って言って言葉。
デザインとかクリエイティブとか、そういうこと
たくさんの人に分かりやすく面白いって届けたいって思っていたからすごくうれしい。

今日は、実は
きゃりーぱみゅぱみゅさんのライブの帰りにこの
文章を書いているんだけど、
今日から始まった10周年ツアーのロゴや映像、セットのデザインをやらせてもらったんだけど、
彼女こそ、クリエイティブとエンタメ、お茶の間の接点にいる人で、
表現を多くの人に届け、かつブレずに彼女らしいという世界を貫けるパワーは、そうありたい!とキラキラ歌う彼女をみて思ってました。
目指したいところです。

そして、今週19日に、
さらば青春の光の森田哲矢さんと
代官山蔦屋書店でトークイベントをします。
「これはデザインではない」の発売イベントです。
会場参加チケットは完売しましたが、
オンラインがまだまだ残っているようなので、
興味ある方はぜひ、みてみてください!
千原徹也×森田哲矢

近くの本屋で見かけたら
ぜひ、「はじめに」を立ち読みしてみて
よかったら買ってください。
これは押し売りではない!笑

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