マガジンのカバー画像

【アート】 ロジックをぶっ飛ばせ!!

4
普通に日常を生きていると、いつの間にか言葉や理屈の比重が頭の中に増えてくる。そんなとき、私はアートやデザインという非日常に逃げ込む。考えずに、ただ感じるだけの時間。そう、いったん…
運営しているクリエイター

記事一覧

【仲條正義展】 モチベーションを上げてくれる、グラフィックの名作と名言。

すっきりと、よく晴れた朝。 銀座「クリエイションギャラリーG8」で開催されている仲條正義さんの名作展に行ってきました。 行ってよかった。最近、気持ちが少し落ち込んでいたけど、ちょっと元気をもらいました。 ※タイトル画像は仲條さんがデザインしたロゴの数々です。 「花椿」はグラフィックの実験場。 子供の頃、母が資生堂の美容部員をしていたせいで、家には商品情報冊子や接客マニュアルのようなものが常にあった。中でも異彩を放っていたのが「花椿」というパンフレットだ。 企業文化誌とい

【特別講義】 大学講師が、学生から8つの魅力的なアート作品を教えられた話。

友人Kから特別講師の依頼を受けた。 彼は大学で「芸術論」を教えていて、次回の授業でプレゼンバトルをするのだと言う。各学生のプレゼンに対して、クリエイターの視点から講評をしてほしいとのことだった。 ルールはこんな感じ。 8人の学生は各自、自分の好きな芸術作品をプレゼンする。授業後、友人、私、学生たちが最優秀プレゼンに対して投票。最も「その作品を見たい、読みたい」と思わせた学生が勝者となる。 つまり、作品についての単なる情報の羅列では評価されない。その作品の“魅力”の説明や、

【日本舞踊】 尾上菊右佐 「踊りと、舞と、しぐさ」で空間をデザインする。

見たことはある。しかし興味をもってじっくりと鑑賞したことはなかった。いわば、私にとって初めての日本舞踊“鑑賞”。尾上菊右佐とそのお弟子さんによる「おさらい会」である。 菊右佐の夫は私の友人であり、広告デザインの仕事をしている。そんな縁もあり、お招きいただいた。演目が二十一にも及ぶ大規模な会であったが、私はその終盤の五つを見ることができた。 ※タイトル画像はイメージです。 まず日本舞踊とは何か、少し予習してみた。 着物を着て踊るのだから、そこには動きの制限が加わる。どのよう

【石岡瑛子展】 えこちゃんは誰にも媚びずホーホケキョ。

あと数日で終わろうとするこの展覧会を東京都現代美術館まで見に行くことは、私にとって絶対に不要不急ではなかった。私の人生に影響を与えたといっていいアートディレクター2人のうちの1人なのだ。衣装デザイン、その他についての評論は別の専門家の方に譲るとして、ここでは個人的に最も興味深かった3つの分野について記したいと思う。 1. 資生堂のポスター私が子供の頃、母が資生堂の美容部員をしていた関係で、商品資料やパンフレットなどが常に家にあった。また住んでいたマンションの1階に薬局があり