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虫の知らせ

死に触れる内容です。
精神面が不安定な方や体調の悪い方はご注意ください。





昨日祖父が死んだ。

少し前から体調は良くなかった。
老人ホームから大きな病院に行き、少し安定して小さい病院へ移って1.2ヶ月。

単純に老衰が原因だそうだ。
去年の今頃老人ホームに入ってから祖父とは会っていない。
コロナで老人ホームには面会にも行けないし、もちろん病院にもお見舞いに行けなかった。

少し前から祖母、母、叔母とじわじわと面会の許可が出てきていた。
先日ついに孫達も面会OKになり、今週中に会っておいた方が良いということだった。
面会時間が決まっているけど平日はばっちり仕事の勤務時間内。
今週末の土日のどちらかに会いに行く予定だったんだ。

昨日の夜。母の携帯に病院から電話があった。
バタバタと支度を始めて「心肺停止した」とだけ残して祖母を連れて病院へ向かった。

間に合わなかった。
生きている間にもう一度会いたかった。

昨日の早朝、不思議なことがあった。
私の部屋の壁には何枚か写真を飾ってる。
そのうちの1枚の写真がぽとっと落ちた。
写真1枚にしては重みのある音でその音で目が覚めた。
これまで落ちたことがなかった。
写真は風景写真で祖父が写ってるわけでもないし、私が撮った写真でもない。
たまたまかもしれないけど、虫の知らせというやつだったのかもしれない。

今日は姉の誕生日。
祖父の体調が悪くなるたび姉の誕生日と重なるんじゃないかとそわそわしていた。
姉ももう大人で誕生日が命日だろうが気にしないと思う。
でも心の底から祝えない祝われないのは悲しい。
出来ることなら同じ日にならないでくれと願ってた。
もしかしたら祖父も「姉の誕生日と命日が同じになっては可哀想だ」と思って早めに旅立ったのかもしれないな。と勝手に考えたりもした。

遺影の写真を選ぶ時、候補の中に私が撮った写真も含まれていた。もちろん遺影として撮ったものではないので暗かったり表情が良くなかったりした。
結局私の撮った写真は使われなかったけど、いつか私が撮った写真が遺影になるかもしれないと思うと感慨深い。

お通夜には間に合ったし今も葬儀場にいる。
でも納棺には間に合わなかった。
葬儀場に着いた時には棺の中で触れることが出来ない状態だった。
また実感のない死。

仕事は大事だ。でも人の最期くらい最初から最後まで見届けたい。
色んな工程を見ていく中で死を受け入れていくんだろうな。

祖父の死を実感するまでまだ時間がかかりそうだ。


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