◇句読点、さくっと打てん

文章を綴っているとき頭を悩ませることの一つが、句読点。使う言葉やその並びはおおよそ決まっているのに、句読点をどこに打つか悩んで、進まなくなってしまうことも多々あります。

特に意識せずに句読点を打つ場合、わたしが基準にしているのは多分「音にしたときの区切りやリズム」です。実際に話すときのタイミングとはきっと違う。けれど文字を打ちながら、頭に声が響く感覚がある。抑揚もあるし、どこかで息継ぎをしたり、間を持たせたり、している。
それを写し取るように文章にしていく。

句読点に悩むのは、そのリズムと、文章の見た目を基準に打ちたい箇所とが、ズレているときなんだと思います。
たとえば、「昨日帰りに書店に寄った」という文章があるとします。わたしの頭では、これを一息に読み上げている。でも見た目を基準にしたとき、「昨日、帰りに」とここに読点を入れたい。べつの単語なのに漢字が連続してしまうのを避けたいから。
だったら、「きのう帰りに」と平仮名交じりにしたり、「昨日の帰りに」と助詞を足したりする方法もある。けれど、他の箇所では「昨日」を使いたい、「明日」は漢字だから揃えたいという場合もあるし、助詞を足すとリズムが却って狂うこともある。

なんとか文章を打ち終えて読み返してみると、どうも違うな……とまた句読点で悩んだりします。正直、キリがない。むしろ考えるほどに分からなくなる。どれも合っているように思えるし、どれも間違っているように感じる。
完成したときは良いと思えたものでも、忘れたころ見返してみると違和感しかなかったという場合もある。どうしてここで区切ったのだろう、なぜここは句点なのだろう。
自分で書いた文章なのに、いや、自分で書いた文章だからこそ、分からないという気持ちになる。

ここまで文章を打つ間にも、やはり句読点の位置で悩み止った箇所がありますし、遡って訂正した部分もあります。打ち終えて頭から読むと、また直したくなるのでしょうね。

本当に句読点、さくっと打てん。