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読書・映画鑑賞記録(2024)

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読んだ本や観た映画の感想。Twitterに載せたもののまとめです。
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記事一覧

映画『型破りな教室』(12/20鑑賞)

学びの楽しさを、興味引く分野や夢を見出した、子供たちの眩さに目を奪われた。 メキシコ国境…

chigi
2か月前
10

読書:澤村御影『准教授・高槻彰良の推察11』(12/6読了)

現実と異界の狭間にいる己に心が揺れながらも、高槻のことは引こうとしない尚哉が印象に残る巻…

chigi
2か月前
3

映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』(12/7鑑賞)

まっすぐ前を向くまなざしに強く惹かれた。 オートレーサーの道に進み二十数年、悲願を達成す…

chigi
2か月前
11

読書:歌峰由子『陰陽師と天狗眼 ―クシナダ異聞・怨鬼の章― 』(11/30読了)

かつてなく凶悪な存在を相手に、各々の苦悩と苦戦がヒリつくシリーズ第四弾でした。 二年目の…

chigi
2か月前
7

映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11/23鑑賞)

この騙し合い、ハラハラどきどき面白かった。 警察や税務署も抱き込む脱税王から、10億を超え…

chigi
2か月前
3

読書:『ミステリー小説集 脱出』(11/20読了)

ジャンルも状況も多様で、とても面白いアンソロジーでした。 閉じ込められた学校の屋上から、…

chigi
3か月前
10

映画『アイミタガイ』(11/3鑑賞)

巡っていく想い、想いが繋げてゆくものに、じんわり満たされる作品でした。 親友を唐突に喪った主人公は、今も変わらずメッセージを送り続ける。彼女たちが紡いできたもの、二人も含めた人々に何が起こっていたか、次第に明らかにされていく。 踏み出せずにいる主人公は、過去にも先を塞がれるような経験をしている。その時、手を取って連れ出してくれたのが、亡くなった親友なんです。 物語の中には、そんな、前へ進みだせずにいる状況や、その背中を押す行為が、何度も描かれている。 アイミタガイ――“相

映画『侍タイムスリッパー』(9/13鑑賞)

頬がゆるむ展開の中に覗く、侍の葛藤や芯に胸を貫かれた。 幕末の京から、現代の時代劇撮影所…

chigi
5か月前
4

映画『熱烈』(9/8鑑賞)

沸き立つ熱気に心身が震えた。 主人公のチェンは、母の店や洗車、イベントパフォーマンス等で…

chigi
5か月前
8

読書:蝉谷めぐ実『おんなの女房』(9/4読了)

女や女房のあるべき姿に囚われていた武家の娘が、見せる変化、選ぶみちに惹かれた。 時は文政…

chigi
5か月前
3

志馬なにがし『夜が明けたら朝が来る』(8/18読了)

当たり前が崩れた日々に戸惑う彼女が、必死に駆けた先で迎える朝の鮮やかさが忘れられない。 …

chigi
6か月前
2

読書:レイチェル・ジョイス『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』(8/4読了)

身体の奥底から揺さぶられ、震わされるこの感覚は何だろう。 かつての同僚から末期癌の知らせ…

chigi
6か月前
4

映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』(7/14鑑賞)

照らす光のやわらかな煌めきが忘れがたい。 かつての同僚から、ホスピスに入院中で別れを告げ…

chigi
7か月前
3

読書:神岡鳥乃『空冥の竜騎』(7/10読了)

深い絶望の底から飛び立ち、駆けてゆく姿に惹かれた。 感覚を同期させた《竜》に乗り、空を戦場とする兵士が本格導入された世界大戦の終結から数年。エースパイロットのロナードは、任務の失敗から士官学校へ左遷されてしまう。 仲間を死なせ、生き残ってしまった罪悪感。大戦後の急激な世界の変化についていけぬ疎外感。取り残されたロナードは居場所を失い、死に場所を求めているんです。空に。 その広さを高く速く駆ける印象とは裏腹に、過去によって空に縫い留められているようだった。 そんな彼が士官学