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読書・映画鑑賞記録(2024)

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読んだ本や観た映画の感想。Twitterに載せたもののまとめです。
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記事一覧

映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』(7/14鑑賞)

照らす光のやわらかな煌めきが忘れがたい。 かつての同僚から、ホスピスに入院中で別れを告げ…

chigi
7日前
3

読書:神岡鳥乃『空冥の竜騎』(7/10読了)

深い絶望の底から飛び立ち、駆けてゆく姿に惹かれた。 感覚を同期させた《竜》に乗り、空を戦…

chigi
11日前
4

映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(7/5鑑賞)

なんて忘れがたい、かけがえのないクリスマスだろう。 舞台は1970年アメリカ、全寮制の名門校…

chigi
2週間前
5

映画『告白 コンフェッション』(6/1鑑賞)

天候以上に荒れ狂う両者の関係、攻防に呑まれた。 雪山で遭難した親友二人。負傷し死を覚悟し…

chigi
1か月前
3

同人誌紹介:睦月ネロ『カラフルな日々』(5/23読了)

睦月ネロさん(https://note.com/mutukinero/)の短編集『カラフルな日々』読み終わりました。#…

chigi
2か月前
6

映画『ミッシング』(5/18鑑賞)

あまりに心を抉られる。 6歳の少女が失踪した。捜し続ける両親へは誹謗中傷や悪戯が相次ぎ、叔…

chigi
2か月前
6

映画『ありふれた教室』(5/17鑑賞)

場所はドイツ。舞台は学校。しかし無関係でも無関心でもいられない光景が広がっていた。 校内で相次ぐ盗難事件に手を焼く教師たち。若手のカーラは独自にカメラを仕掛け犯人らしき人物を挙げるが、その対応を巡り反発や混沌が巻き起こる。 学校が掲げるのは『不寛容方式』と呼ばれ、問題を徹底的に調べ対処すること。正しさを追求しているように見えて、当初疑われたのが生徒だけだったり、カーラが囮を用いた盗撮でブラウスの柄のみを理由に犯人を挙げたりと、首を傾げたくなる点があるんです。 それに、些細な

映画「不死身ラヴァーズ」(5/11鑑賞)

その真っ直ぐさが変える、変わる「いま」に惹かれた。 幼い頃に出会った“運命の相手”と再会…

chigi
2か月前
4

読書:にのまえあきら『無貌の君へ、白紙の僕より』(4/29読了)

見ること、描くことが形作ってゆく彼らに惹かれた。 復讐を手伝ってくれませんか――人前で目…

chigi
2か月前
5

読書:張國立『炒飯狙撃手』(4/25読了)

これは面白かった! イタリアで台湾の高官を射殺したスナイパー・小艾と、台湾で複数の殺人事…

chigi
2か月前
4

映画『RED SHOES/レッド・シューズ』(4/7鑑賞)

喪失さえも己として、舞台に咲く彼女に魅了された。 プリマとして「赤い靴」の舞台に立つ間際…

chigi
3か月前
4

読書:澤村御影『准教授・高槻彰良の推察10』(4/3読了)

高槻の過去を思わせるような状況の事件、驚いたのは飯沼の様子でした。専門の芸能ゴシップでも…

chigi
3か月前
2

映画『ペナルティループ』(3/29鑑賞)

繰り返す罰が男たちに生む変化に魅せられる作品だった。 被害者遺族に、加害者への複数回の報…

chigi
3か月前
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読書:吹井賢『ソーシャルワーカー・二ノ瀬丞の報告書』(3/23読了)

心にじんわり灯るものがあった。 京都の小さな町で新米ソーシャルワーカーとして奮闘する二ノ瀬の、様々な案件や人々との関わりを描いた作品。 僕に何ができるだろう?――そう問い続ける彼の姿が焼き付いている。 同じ人間も同じ問題も存在しない。 持ちこまれた相談にただ対処するのではなく、話に耳を傾け、様子や状況に気を配り、その人にとっての幸せを考える。困り事を抱えた〝誰か〟を、手助けするのが仕事だから。 でも、二ノ瀬は言うんです。 本当にその人の力になれたかってことは分からない